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親指のマリア [アート]

《聖母像(親指のマリア)》 イタリア 長崎奉行所旧蔵品 宝永5年(1708)シドッチ携行品 【重要文化財】
《聖母像(親指のマリア)》 イタリア 長崎奉行所旧蔵品
宝永5年(1708)シドッチ携行品 【重要文化財】

「キリスト教禁制下にイタリア人宣教師シドッチ(1667~1714)が携行した作品。青は中世においてキリストの死を嘆く聖母の悲しみの色とされた。シドッチは宝永5年(1708)に屋久島で捕らえられ、新井白石が取り調べた。遺品の中でも特に美しいマリアである。(作品解説より)」

とんぼの本 こんなに面白い東京国立博物館

とんぼの本 こんなに面白い東京国立博物館

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/04/21
  • メディア: 単行本

「旧彫刻室の収蔵品総数の四割強を占めていたキリシタン関係遺品がなぜ彫刻の蔵に収められてたのか不思議な話。もともとこの遺品は長崎奉行所が信徒たちから没収したものが中心となっている。維新後、長崎県に引き継がれて県の倉庫に眠っていたが、明治七年、あるフランス人が、価格は問わないから踏絵を買い取りたいと申し出てやにわに動き出し、処置に困った県が一括して当時の教部省に引き取ってもらった。それが官制改革で内務省社寺局の所管になり、さらに明治十二年、同省博物局の希望で博物館に移された。ただし踏絵については、『往時残忍之所業ヲ追想セシムルニ足リ』、外交上の問題もあるので陳列を差し控えるようにという条件付だった。確かに、信徒判別のための板踏絵(礼拝の対象であった銅牌を厚手の板にはめこみ踏絵としたもの)や真鍮踏絵を見ると、当時の迫害の歴史が生々しく蘇ってくる。他にマリア観音、ロザリオ、十字架、祈祷書などさまざまな資料が残されているが、一括して収蔵されたせいで、なかには明治以前に日本にもちこまれたふるい西洋の油絵までもが、彫刻室に収まってしまった。江戸時代最後の潜入伴天連(バテレン)として屋久島で捕らえられた宣教師シドッチの携行品で、イタリアの画家カルロ・ドルチ(一六一六~八六)作といわれる聖母図(通称『親指のマリア』)である。(P128)」

『キリシタン関係の遺品 イエズス会の布教と禁制下の信仰 』

 東京国立博物館(http://www.tnm.jp/

 本館16室 2013年3月19日~5月6日
 (http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1598

「ルターが宗教改革を推し進めていた1534年、スペインのバスク地方出身のイグナティウス・デ・ロヨラは、カトリックの中の改革派としてフランシスコ・ザビエルら6人の同志を集めてイエズス会を創立し、活動を始めました。イエズス会はポルトガル国王の支援を受けてヨーロッパ以外の地にカトリックを広めることでプロテスタントに対抗します。ザビエルが日本に来たのは1549年。こののち、日本には宣教師が次々に訪れ、キリスト教の信徒を増やしました。最盛期には40万人に達したといいます。キリスト教が禁止される17世紀初期までは西洋の情報・文化が日本に達し、逆に日本の様子が西洋に伝えられました。日本と西洋がつながったのです。
しかし江戸幕府がキリスト教を禁止し、追放そして厳しい弾圧によって改宗を迫ると信徒はいなくなったはずでした。ところが、長崎の一部の地域に潜伏して信仰を守り続けた人々がいました。カクレキリシタンです。彼らは組織をつくって結束し、仏教寺院の檀家を装い、仏壇の奥にマリア観音像を置き、踏み絵を踏んで帰ってから懺悔(ざんげ)のオラショ(祈祷(きとう)文)をとなえました。ここに展示した遺物のほとんどはこうしたキリシタンの人々が所持していたものです。
明治政府も禁制を続けましたが、欧米諸国の強い批判を受けて明治6年(1873)信仰の自由を認めました。(東京国立博物館HPより)」


『キリシタン関係の遺品 イエズス会の布教と禁制下の信仰 』
http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2013-04-11
 
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すごいぞ、たまもの。 [おでかけ]

埼玉県立近代美術館で開催されていた、たまもの展を観に行きました。

たまもの展01


『たまもの 埼玉県立近代美術館大コレクション展』

 2013年4月4日~5月19日

 埼玉県立近代美術館(http://momas.jp/
              (https://twitter.com/momas_kouhou
 ※埼玉県立近代美術館のHPに改竄が見つかり、現在メンテナンス中となっています。(5/17~)
  最新の情報についてはtwitterをチェックしてください。

「この展覧会は、企画展示室・常設展示室の両方を使い、エントランスや図書室など、館内のさまざまなエリアも活用して、前代未聞の規模で当館の収蔵品を紹介する試みです。出品作品は目標1,000点!
時代やジャンルにとらわれない、32の多彩なテーマで構成された展示では、作品と作品との意外な出会いや、新たなつながりを発見できることでしょう。お馴染みの巨匠の作品から、普段はめったに展示されない資料や書籍まで、美術館がこれまでに授かった「たまもの」=「コレクション」の魅力をたっぷりとお楽しみください。(埼玉県立近代美術館HPより)」


 ~たまもの展 テーマ一覧~

  1.面ざし
  2.描かれた家族
  3.深く眠る
  4.風薫る季節
  5.埼玉の景色、東京の景色
  6.豊作と守一 
  7.瑛九と山田光春−葛藤の果てに
  8.詩と版画
  9.シュルレアリスムの行方
 10.字の形・本のカタチ
 11.百花繚乱
 12.大熊家コレクションの精華
 13.ファントム−現(うつつ)の闇
 14.プライマル・エレメンツ−コレクション観想
 15.〈コマ〉と〈フレーム〉
 16.挿絵とか装幀とか
 17.食べるもの
 18.世界は丸い
 19.飛翔−憧憬
 20.「鑿の会」の作家たち
 21.甦る。春陽会の日々
 22.印象派研究の部屋
 23.ナンセンスのセンス
 24.バナーによる記念撮影コーナー
 25.フレンチ・コネクション−日本とフランス
 26.グリーン・レボリューション
 27.動物のすがた・かたち
 28.夢のメキシコ
 29.椅子の美術館
 30.漫画家・麻生豊の買い物
 31.ハイド・アンド・シーク(美術館のかくれんぼ)
 32.「MOMASの扉」の仲間たち

1~24:企画展示室 25~28:常設展示室 29~32:美術館のあちこち

※HPにpdf形式の作品リストがあります。

たまもの展02

たまもの展03

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