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フィレンツェの世紀 ルネサンス美術とパトロンの物語 [アート]


フィレンツェの世紀 ルネサンス美術とパトロンの物語

フィレンツェの世紀 ルネサンス美術とパトロンの物語

  • 作者: 石鍋 真澄
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2013/04/08
  • メディア: 単行本


以前、新聞の書評で紹介されていた本です。

新聞の書評(http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20130617-OYT8T00760.htm
 
~目次~
プロローグ
第Ⅰ部 都市国家
第一章 四人のフィレンツェ市民-イントロダクション 第二章 文明のゆりかご-都市 第三章 政治の仕組み-共和国 第4章 税と結婚-エリート市民
第Ⅱ部 メディチ以前-一四〇〇-一四三四年
第五章 事実と神話-一四〇一年のコンクール 第六章 ブルネッレスキの栄光-クーポラの建設 第七章 フィレンツェの光と影-インノチェンティ捨子養育院 第八章 ギルドの殿堂-オルサンミケーレの彫刻 第九章 コジモのライヴァル-パッラ・ストロッツィ 第一〇章 幸運の人-フェリーチェ・ブランカッチ
第Ⅲ部 コジモ・デ・メディチの時代-一四三四-一四六九年
第一一章 パトロンたちの代弁者-ジョヴァンニ・ルチェッライ 第一二章 最も富裕なイタリア人-コジモ・デ・メディチ1 第一三章 第一の市民-コジモ・デ・メディチ2 第一四章 美術のパトロン-コジモ・デ・メディチ3 第一五章 変化の時代-ピエロ・デ・メディチ 第一六章 偶然の贈物-ポルトガル枢機卿礼拝堂
第Ⅳ部 ロレンツォ・デ・メディチの時代-一四六九-一五〇〇年
第一七章 工房のボス-ロレンツォ・デ・メディチ1 第一八章 コレクター魂-ロレンツォ・デ・メディチ2 第一九章 建築への情熱-ロレンツォ・デ・メディチ3 第二〇章 メディチの友-フランチェスコ・サセッティ 第二一章 結婚と美術-ジョヴァンニ・トルナブオーニと息子ロレンツォ 第二二章 アウトサイダーの意地-フィリッポ・ストロッツィ
エピローグ
あとがき 家系図 参考文献 人名索引 




ルネサンスといえば・・・

フィレンツェといえば・・・

パトロンといえば・・・

やはり、真っ先に思い浮かぶのはメディチ家。

メディチ家が中心ではあるが、ストロッツィ家やパッツィ家などたくさんのパトロンが登場。
ルネサンスの成り立ち、フィレンツェの発展、衰退、パトロンの盛衰。
政治と政治と政治と芸術が複雑に絡み合うって感じ。
フィレンツェの政治の特異性もなかなか興味深い。
また、フィレンツェという都市が想像していたよりはるかに小さい(狭い)所で、ビックリした。
小さい(狭い)が故に、人間関係も複雑に。
パトロンについてがメインのためサヴォナローラについては軽く触れる程度だった。

ギベルティ、ブルネッレスキ、ドナテッロ、ギルランダイオ・・・
ルネサンスを代表する芸術家でも、特に初期ルネサンスや建築が詳しく取り上げられている。
(図版がすべてモノクロだったのはちょっと残念。。。)

とても興味深く面白い内容だが、学術的でけっこう難しかった。
500ページを超えるため最初はヘビーに感じたが、すぐに引き込まれ、夢中になった。
けっこうあっという間に読み終えた感じだった。

もうちょいフィレンツェ、ルネサンスについて読み漁ってから、読み直そうと思う。


★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:。.:*:・'゜


天上の愛と地上の愛―ボッティチェリとセミラミーデ

天上の愛と地上の愛―ボッティチェリとセミラミーデ

  • 作者: ローズマリー シューダー
  • 出版社/メーカー: エディションq
  • 発売日: 1996/10
  • メディア: 単行本



こちらは創作もの。

数年前、図書館のリサイクルフェアで頂いてきたもの。
読まずに本棚で眠っていたのだが、昨年のベルリン国立美術館展でボッティチェッリの素描を観て、ボッティチェッリに、ルネサンスに今まで以上に興味を持ち、その流れで読んでみた。

メディチ家(分家)に嫁いだセミラミーデ(政略結婚)が、ボッティチェッリのあの作品のモデルに。
要は、パトロンであるメディチ家の依頼で描いたということになるのだが。

それだけでは終わらず、
な、なんと、セミラミーデがボッティチェッリの子を産むという・・・Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!

ロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコ・デ・メディチの妻となったセミラミーデ・アッピアーノ。
セミラミーデの叔母はシモネッタ・ヴェスプッチ。
ピエルフランチェスコはロレンツォ・イル・マニフィコの従兄弟。
シモネッタはジュリアーノ・デ・メディチ(兄はロレンツォ・イル・マニフィコ)の愛人。

創作ものではあるが大部分は史実に基づいたもので、当時のフィレンツェ、特にロレンツォ・イル・マニフィコの時代を窺うことができる。この時代はフィレンツェ・ルネサンスの最盛期でもある。また、サヴォナローラがフィレンツェにどのような影響を及ぼし、芸術に、ボッティチェッリにどう作用したのか、これまた興味深い。

繰り返しになるが、フィレンツェという都市が想像していたよりはるかに小さい(狭い)所だということがわかり、この本を読んでいて疑問に思っていた部分が「フィレンツェの世紀」でかなり解消されすっきりした。

ボッティチェッリの言葉
「画家が自分で説明しなければならないような絵なんてなんの価値もありませんよ」(P16)

とても興味深く面白い本だった♪

もっと知りたいボッティチェッリ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたいボッティチェッリ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

  • 作者: 京谷 啓徳
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2009/11
  • メディア: 単行本


ボッティチェッリ NBS-J (タッシェン・ニューベーシック・アートシリーズ)

ボッティチェッリ NBS-J (タッシェン・ニューベーシック・アートシリーズ)

  • 作者: バルバラ・ダイムリング
  • 出版社/メーカー: タッシェン・ジャパン
  • 発売日: 2001/07/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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kuwachan

フィレンツェ・・いつかまた行きたいです^^
ゆっくりと滞在型で行けたらいいな~♪
by kuwachan (2013-10-18 12:10) 

TaekoLovesParis

私は、ぶ厚い本ではなく、漫画の「チェーザレ」と塩野七生の本で、
この時代のフィレンツェに少しなじみがあります。ロレンツォ・イル・マニフィコの顔がうかびます。(調べて描いてるからどの人も似てるの)
絶世の美女と言われたシモネッタ、ダヴィンチのデッサンがありますね。
まんがでは、ダヴィンチが死に顔をデッサンするんだった記憶。。
りゅうさん、たくさん読んだら、次、フィレンツェに行きましょう。ここにも書いてある通り、狭い町だけど、それだけにわかりやすいです。
by TaekoLovesParis (2013-10-19 01:55) 

りゅう

○kuwachanさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
フィレンツェ、なんだか街そのものが芸術のよう。
私が興味を持った街のほとんどは、既にkuwachanさんが訪れたことのある場所のような気がします。
うらやまし~ バタ ヾ(≧∇≦)〃ヾ(≧∇≦)〃バタ

○TaekoLovesParisさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
「フィレンツェの世紀」、建築や彫刻は知らない名前がいっぱい出てきました。新しい本ということで最新の研究や発見も反映されているようです。
フィレンツェの街は現在もルネサンス期を感じられそうですね。建築は技法も含めてもっともっと知識をつけたいです。
ラファエロ、レオナルド、ミケランジェロとルネサンス3大巨匠の展覧会が上野で続いていますが、フィレンツェ・ルネサンスはもっともっと奥が深いなぁと。それほど大きな都市ではないにもかかわらず、わずか150年ほどの間に、建築、絵画、彫刻、冶金・・・実に様々な分野で素晴らしい人物、作品を輩出し続けたこの時代の凄さを感じました。

○ぽんこさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○alba0101さん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○にいなさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○yamさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○りんこうさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2013-10-20 22:07) 

Inatimy

イタリアは知らないことだらけで・・・でも、ルーヴル美術館で見たおかげで、
メディチ家というとマリー・ド・メディシスがかすかに浮かんでくる程度かなぁ。
フィレンツェって大きいイメージだったけど、
調べて見たら本当だ、アムステルダムより狭い・・・意外です。
500ページを超える本、読書の秋でも私には無理かも(笑)。
by Inatimy (2013-10-23 06:00) 

シルフ

去年の暮れフィレンツェに行きました。
小さな教会で見たポントルモの絵が忘れられません。
美しい街ですね。
by シルフ (2013-10-23 12:24) 

りゅう

○Inatimyさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
旅行ガイドでフィレンツェを見たら、本当に狭くてビックリでした。
ものすご~く凝縮されている感じで楽しそうな街ですね。
撮影スポットもいっぱい!いや、街が丸ごと撮影スポットかな?
行きたいなぁ。。。
面白い本は500ページでも600ページでもあっという間ですよ♪

○シルフさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
ルネサンス時代の作品はもちろんですが、パラティーナ美術館にバロック時代のカルロ・ドルチの作品が多数あるそうなので、とても興味をひかれています。フィレンツェ行きたいです♪

○mickyさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○tommy88さん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○naonaoさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2013-10-26 21:56) 

くみみん

イタリア自体がそんなに大きな国じゃないものね。
姉夫婦が何度か行っているけど、フィレンツェはお気に入りだったようです。
500ページ以上の本、目がもたないかも?(笑)
by くみみん (2013-10-28 00:20) 

りゅう

○くみみんさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
なんとなく大きな都市をイメージしていたのですが、思っていた以上に小さくてビックリ。しかも魅力的なものがいっぱい詰まっていて文化芸術の宝箱みたいですね♪フィレンツェ行きたいなぁ。
500ページでも、読み出すとあっという間でしたよ♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ
by りゅう (2013-10-28 21:49) 

りゅう

○pistacciさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2013-11-06 00:51) 

りゅう

○タッチおじさんさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2013-11-13 21:13) 

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