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ゴッホのひまわり 全点謎解きの旅 [アート]

ゴッホのひまわり 全点謎解きの旅 (集英社新書)

ゴッホのひまわり 全点謎解きの旅 (集英社新書)

  • 作者: 朽木 ゆり子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/03/14
  • メディア: 新書


内容(「BOOK」データベースより)
世界の名画の中で最も多くの人に愛され、親しまれているゴッホの「ひまわり」。しかし“ひまわり”十一作品にはそれぞれ多くの謎が存在する!『フェルメール全点踏破の旅』の著者が、最新の科学的・歴史的知見に基づきながら、ひまわり全点の謎を解く。世界の美術界のゴッホ新ブームをさらに過熱させるであろう貴重な一冊!

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あけましておめでとうございます♪ [アート]

更紗和金

あけましておめでとうございます♪

(*^^)/∠※PON!。.:*:・'°☆。.:*:・'°★°'・:*

今年もよろしくお願いいたします。(^_^)


鯛は飼えない(買えない!?)ので、金魚でヨロシクです。
一応、紅白(更紗)だしねっ! (*^_^*)
 

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ジャポニスム、名画とファッション [アート]

クロード・モネ《ラ・ジャポネーズ》(ボストン美術館蔵)


7月のボストン美術館展でモネ《ラ・ジャポネーズ》を鑑賞し、
あらためてモネの魅力に虜となった。

IMG_0339_500.jpg

ミニ睡蓮だが、うちでも睡蓮を育てている。
ちょうど開花時期だったので、まずモネの代名詞とも言うべき《睡蓮》に着目し、
モネの庭やモネの生活そのものについての本を読んだ。
ちなみに、モネの庭の睡蓮はミニ睡蓮と同じ耐寒性睡蓮。
(温室で熱帯性睡蓮も育てていたそうだ。)

ボストン美術館展&デュフィ展(http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2014-07-21

モネが見たもの食べたもの(http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2014-09-06

ボストン美術館展のタイトルは「華麗なるジャポニスム」
ジャポニスムというと真っ先にい思い浮かぶのはモネの《ラ・ジャポネーズ》
しかし、モネがジャポニスムをどど~んと前面に押し出したものはこの作品のみ。
もちろん、ジャポニスムの影響を受け、それを昇華させているので、
ジャポニスムを代表する画家の一人である。
その影響等をボストン美術館展では比較展示していた。


そこで、ジャポニスムとは何か?
単なる日本趣味であるジャポネズリーとジャポニスムとの違いとは?

その問いに対する答えが、この本だった。
国立西洋美術館館長、馬淵明子先生の「ジャポニスム 幻想の日本」
1997年出版だが、多くはそれ以前の展覧会カタログや雑誌に掲載されたもので、
それらを体系的にまとめ直したもののようだ。
解釈やアプローチ等、現在とは異なる部分も若干あるのかもしれないが、素晴らしい本だと思う。

ジャポニスム―幻想の日本

ジャポニスム―幻想の日本

  • 作者: 馬渕 明子
  • 出版社/メーカー: ブリュッケ
  • 発売日: 1997/09
  • メディア: 単行本

商品の説明
内容紹介
ジャポニスムは,19世紀末にヨーロッパやアメリカで,絵画,彫刻から工芸,建築,服飾など美術の領域や演劇・音楽・文学にまでおよんだ意外なほどに広く深い日本文化の受容と変容の現象です。
著者は,この芸術運動が「ヨーロッパの選んだ〈日本〉」を中心に営まれ,そこにはいろんな思いこみや誤解があったことを指摘しつつ,日本の「自然主義」がヨーロッパの「人間中心主義」を揺さぶることになった契機を,モネ,マネ,ゴッホ,クリムトらの作品に即して述べています。パリと東京で開かれた大規模な「ジャポニスム展」の担当者としての経験が隅から隅まで生かされた,しかもわかりやすい文章の「ジャポニスム」論の決定版です。
出版社からのコメント
1998年,第19回「ジャポニスム学会賞」を受賞しました。
内容(「BOOK」データベースより)
19世紀末のヨーロッパが選んだNIPPONとは?美術における「影響」を検証する。
内容(「MARC」データベースより)
19世紀末のヨーロッパが選んだNIPPONとは何か。ヨーロッパが何に関心を持ち、何を無視したのか。ヨーロッパが形成した日本のイメージをモネ、ゴッホ、北斎などを通して探り、美術における「影響」を検証する。


~目次~
1 ジャポニスムとは何か ―序にかえて
2 ジャポニスムと自然主義
3 モネの《ラ・ジャポネーズ》をめぐって ―異国への窓
4 A travers ―モネの《木の間越しの春》をめぐって
5 モネのジャポニスム ―自然と装飾
6 ゴッホと日本
7 クリムトと装飾
8 葛飾北斎とジャポニスム




こちらもとても興味深かった。
西洋におけるジャポニスムを体系的に捉えた本。
ただ、あまりにも広すぎちゃって・・・
あらためて、読み直そうと思う。

ジャポニスム入門

ジャポニスム入門

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 思文閣出版
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
開国と万博の19~20世紀、西洋芸術に革新をもたらした日本の美学。本書では、地域別の章立ての中で絵画、彫刻、工芸、素描、版画など、狭い概念での美術のジャポニスムについて述べ、それ以外に広くアートとして認められる写真、モード、建築、音楽にまで裾野を広げ各章をあてた。ジャポニスムを単なる美術運動としてだけでなく、広い文化現象として捉えることに視野をおいている。
内容(「MARC」データベースより)
ジャポニスムとは、西洋の芸術の諸分野にわたって与えた日本美術の影響をいう。19世紀後半から20世紀前半にかけて、西洋のほぼ全域にわたった、ジャポニスムの諸相を国別・分野別にやさしく解説。


~目次~
序・ジャポニスムとは何か 高階秀爾
Ⅰ 日本美術の海外流出―ジャポニスムの種子はどのように蒔かれたのか― 小林利延
  フランス・一八九〇年以前―絵画と工芸の革新― 三浦篤
  フランス・一八九〇年以降―装飾の時代― 宮崎克己
  イギリス―ゴシック・リヴァイヴァルから日本風庭園まで― 渡辺俊夫
  アメリカ―東回りとフェミニズムのジャポニスム― 岡部昌幸
  オランダ―出島の国のジャポニスム― 圀府寺司
  ベルギー―前衛芸術とジャポニスム― 高木陽子
  ドイツ―ユーゲントシュティールのグラフィックと工芸― 桑原節子
  オーストリア―総合的ジャポニスムの一例― 馬渕明子
  イタリア―その特異例と原因― 近藤映子
  北欧―スウェーデン、フィンランドを中心に― 荒屋鋪透
  中央ヨーロッパとロシア―チェコ、ポーランド、ハンガリーとロシアの場合― 遠藤望
Ⅱ 建築―外と内からの日本― 鈴木博之
  音楽―近代音楽の誕生とジャポニスム― 鶴園紫磯子
  写真―フランス、イギリスそしてアメリカの場合― 横江文憲
  モード―パリ・モードとジャポニスム― 深井晃子


この本で特に注目したのは「モード―パリ・モードとジャポニスム― 深井晃子」の章。
実はこの本を読む前に「名画とファッション」という画集を読んでいた。

そこで、さらにこちらの本も読んだ。

ジャポニスムインファッション―海を渡ったキモノ

ジャポニスムインファッション―海を渡ったキモノ

  • 作者: 深井 晃子
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1994/05
  • メディア: 単行本

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
20世紀西欧の新しいファッションを生み出す原動力となった日本趣味。現代も高田賢三、三宅一生など日本人デザイナーたちによる新たな衝撃が世界を揺さぶり続ける。初めてファッションからジャポニスムを解読した話題の書。
内容(「MARC」データベースより)
江戸から明治に西欧へ渡ったキモノにパリ・モードは衝撃を受けた。それは現代の賢三や一生の活躍につながる。日本文化がモードの世界に与えた影響を豊富な図版を駆使して描く。ファッションからジャポニスムを解読。


~目次~
プロローグ
第一章 異国趣味―江戸の紋様をつけたヨーロッパの室内着
第二章 ジャポニスム―十九世紀ヨーロッパに沸き起こった日本趣味
第三章 絵画の中の着物
第四章 キモノはドレッシングガウンだった
第五章 リヨンの絹織物デザインとジャポニスム
第六章 洋装事始
第七章 お菊さん・サダヤッコ、異質の美の発見
第八章 ヨーロッパの見返り美人
第九章 見出された美しいからだ
第十章 東と西を越えて
エピローグ


モネ《ラ・ジャポネーズ》に注目するということは当然、
あの赤いキモノに注目するということになる。
そして、あの構図、ポーズは、
2月に鑑賞した菱川師宣《見返り美人図》を連想させる。
そう、これはつまり、帯や着物の柄を見せるための構図。
モネが《見返り美人図》を見聞きしていたのかどうかはわからないが、とても興味深い。
ともに赤色という点でも。

菱川師宣《見返り美人図》(東京国立博物館蔵)


大浮世絵展おでかけ記録
http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2014-02-19


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チューリヒ美術館展の招待券が当たりました♪ [アート]

国立新美術館で開催されているチューリヒ美術館展の招待券が当たりました♪

チューリヒ美術館展
 


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モネが見たもの食べたもの [アート]

モネと歩くフランス―カミーユあるいは光と風の旅

モネと歩くフランス―カミーユあるいは光と風の旅

  • 作者: 林 寛子
  • 出版社/メーカー: 風琳堂
  • 発売日: 1997/11
  • メディア: 単行本

ジヴェルニーの日本庭園、膨大な浮世絵版画の収集-モネのジャポニスムを縦糸に、カミーユとの愛の軌跡を横糸に、モネの芸術が到達した世界と"生活を楽しむ人"=モネの素顔をしなやかに描きだす。
 1 思い出の絵「ひなげし」に会う-オルセー美術館
 2 最後の大作、睡蓮の壁画-オランジュリー美術館
 3 少年時代を過ごした海辺-ノルマンディー
 4 「印象、日の出」はどこで描かれたか-ル・アーヴル
 5 荒海のモネの慟哭を思う-エトルタ
 6 芸術家酒場のある港で-オンフルール
 7 一期一会の風景-ジヴェルニーⅠ
 8 グルメでお洒落なボン・フランセーズ-ジヴェルニーⅡ
 9 名画、強盗に遭う顛末-マルモッタン美術館
10 小休止(居酒屋へ)-パリⅠ
11 印象派の輝きと家庭の幸福と-アルジャントゥイユ
12 「モネは眼に過ぎない」-ブージヴァル
13 暗い影-パリⅡ
14 悲しみの地の長い黄昏-ヴェトゥイユ
15 「鳥のように描きたい」-ルーアン
16 ただ一人の末裔を訪ねて-ジヴェルニーⅢ
17 豊饒の闇の世界-再びオランジュリー


東京・中日新聞の「モネ、光と風の旅人」という紀行の写真企画を本にしたもの。

モネとカミーユは画商エルネスト・オシュデの妻アリスと暮らすようになり、
後にモネはアリスと結婚することになる。
アリスの娘、次女ブランシュ、三女シュザンヌ。
ブランシュはのちにモネの長男ジャンと結婚、モネの晩年を支える。
シュザンヌはセオドア・バトラーというアメリカ人画家と結婚、娘リリーが生まれる。
このリリーの息子、つまりシュザンヌの孫が画家で建築家のジャン=マリー・トゥルグゥアット氏。
血はつながらないがモネの曾孫ということになる。
ジヴェルニーのモネの家のすぐ近くに在住。
トゥルグゥアット氏の奥さんが、モネのレシピを本にしたクレール・ジョワ氏。


モネの風景紀行―ノルマンディー・ベリール・パリ・セーヌ河のほとり (EARTH BOOK)

モネの風景紀行―ノルマンディー・ベリール・パリ・セーヌ河のほとり (EARTH BOOK)

  • 作者: 佐々木 三雄
  • 出版社/メーカー: 求龍堂
  • 発売日: 1996/02
  • メディア: 単行本

ルーアン、ノルマンディー、ル・アーブル、パリ、そしてジヴェルニー。100年前と変わらないモネの描いた景色の中に立ち、光と風を感じつつ、モネの生涯を辿る旅。作品図版と実風景多数収録の美しい本。
はじめに モネの生涯をセーヌ河の流れとともに
第一章 光の表情-ルーアン
第二章 海の風-ノルマンディー海岸
第三章 一本の道-ル・アーヴル
第四章 光の港-オンフルール
第五章 島の七十五日間-ベリール
第六章 パリ、そして自然の中へ
第七章 セーヌ河のほとりのアトリエ・1
第八章 セーヌ河のほとりのアトリエ・2
第九章 モネの愛したジヴェルニィ
あとがきにかえて 睡蓮の間にて


十五日間でモネを辿る旅行記。
出来る限りモネの作品と同じ場所から同じ構図での写真撮影を試みる。
最初に読んだ「モネと歩くフランス―カミーユあるいは光と風の旅」よりも一歩踏み込んだ内容。

★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:。.:*:・'゜
 

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ラウル・デュフィ展の招待券が当たりました♪ [アート]

ラウル・デュフィ展01

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されているラウル・デュフィ展の招待券が当たりました♪

しかも、つづけざまに。

ペアチケットが2組、つまり4枚。

デュフィフィフィフィ♪(*^_^*)

 

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絵画の見かた 西洋美術史入門 [アート]

先日読んだ本です。

池上先生の本は丁寧な文章で読みやすく、とてもわかりやすいです。

西洋美術入門 絵画の見かた

西洋美術入門 絵画の見かた

  • 作者: 池上 英洋
  • 出版社/メーカー: 新星出版社
  • 発売日: 2013/04/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

内容紹介
本書は、フェルメール、ミレー、ルノワール、クリムトなどの名画の中にある隠されたテーマ、驚くべき超絶技巧などのひみつを、実際の絵を見ながら解き明かしていく鑑賞者のための西洋絵画入門書です。「名画対決」では、レオナルドVSミケランジェロ、モネVSクリムトなど二人の巨匠から共通テーマを取り上げ解説。入門書として必須のモザイクなどの技法の解説、西洋絵画史も資料として掲載。
内容(「BOOK」データベースより)
隠れたメッセージ、巨匠たちの超絶テクニック、傑作のウラ側…思わずうなる、名画のマル秘話が満載。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
池上/英洋
美術史家。東京造形大学准教授。東京芸術大学大学院修士課程修了。恵泉女学園大学、國學院大學を経て現職。専門はイタリアを中心とする西洋美術史・文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

~目次~
はじめに
巨匠たちの超絶技巧対決
第1章 隠れたメッセージを探る 名画のひみつ
第2章 テーマで読み解く 名画対決
第3章 西洋絵画を彩る 技法の話

よくわかる名画の見方

よくわかる名画の見方

  • 作者: 池上 英洋
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2013/02/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

内容紹介
本書は、名画をより深く楽しめるようになる一冊。
受胎告知や最後の晩餐などのキリスト教絵画。美しい花々を描いた絵や抽象画。誰かの姿を描いた人物絵。描かれたモチーフの美しさや、素敵な色づかいを楽しむことは、名画を楽しむ基本ですが、どのような意味が込められているのかを知れば、その作品の面白さはさらに深くなります。
美しく印刷された250点超の名画を、鑑賞のヒントとなる100のキーワードにわけて解説します。
◎第1章 シンボルとアレゴリー(花と果実、窓、食事、天使…)/第2章 主要な主題(天地創造、受胎告知、キリストの復活、聖母子とピエタ、ヴィーナスの誕生…)/◎第3章 技法とジャンル(フレスコ、油彩画、風景画、静物画、自画像…)/◎第4章 時代区分(様式)(ルネサンス、バロック、ロココ、印象派、フォービズムとキュビスム…)
内容(「BOOK」データベースより)
あの絵は、なぜ描かれたのか?人気の西洋美術史家が名画に隠された秘密を教えます。250点超の名画を収録。
著者について
美術史家
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
池上/英洋
美術史家。東京芸術大学卒、同大学院修士課程修了。もと恵泉女学園大学人文学部・國學院大學文学部准教授。専門はイタリアを中心とする西洋美術史・文化史

川口/清香
フリーライター、編集者。恵泉女学園大学人文学部卒

荒井/咲紀
國學院大學大学院文学研究科(史学専攻)に在籍。専門は西洋美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


~目次~
はじめに
第1章 シンボルとアレゴリー
第2章 主要な主題
第3章 技法とジャンル
第4章 時代区分(様式)


採り上げ方は異なるものも、採り上げている作品や解説の内容は結構似ている。
どちらか1冊読めば十分ではあるが、2冊とも読めば視点が変わり理解も深まる。

一点ものの展覧会などで、展示室又はスペースを区切って解説コーナーが設けられ、
特定の作品の詳細な解説パネルが掲示されていることがある。
それがそのまま本になったかのよう。

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大浮世絵展の招待券が当りました♪ [アート]

江戸東京博物館で開催されている大浮世絵展の招待券が当りました♪

v(≧∇≦)v イェェ~イ♪

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絵画の中の植物を知る [アート]

以前、新聞の書評欄に掲載されていた本です。

図説 聖人と花

図説 聖人と花

  • 作者: グラディス テイラー
  • 出版社/メーカー: 八坂書房
  • 発売日: 2013/02
  • メディア: 単行本


「ギリシャの女神ヴィーナスの薔薇は、いかにして聖母マリアの花になったのか?古代より人々は樹木を崇拝し、身近な草花を神に捧げて礼拝していた。異教の地にキリスト教がもたらされた時、聖なる草木は聖人たちを彩るものへと役目を代えた…。受難の花(トケイソウ)、聖母の涙(スズラン)、聖ヨセフの杖(キョウチクトウ)、天使の植物(アンゼリカ)など、78聖人と160種の植物を取り上げ、聖人と花にまつわる奇跡の物語を綴る。―聖人と花の名画、植物の小図鑑など、図版多数。 」

目次
はじめに
第1章 宗教と花
第2章 主イエス・キリストの花
第3章 聖人の背景
第4章 聖母マリアの花
第5章 聖人とそのエンブレム
第6章 オランダの祝歌
第7章 庭師の聖人
第8章 イギリスの昔の花暦
第9章 春の聖人
第10章 夏の嬰人
第11章 秋の聖人
第12章 冬の聖人
第13章 死後の聖人
第14章 ノースゲイ
植物名索引 植物名一覧 聖人名索引 主な邦訳参考文献 訳者あとがき



とても興味深く面白い本だった。
そこに描かれている人物が誰なのか、その植物はどのような意味を持つものなのか、季節は何時なのか。植物そのものを主題としたボタニカルアートにはあまり興味がないのだが、肖像画、宗教画、風景画の中にある種の象徴的意味合いを持ち意図的に描かれる植物には興味がある。

図版は1ページまるまる使用、又はページの2/3に全体図で下1/3に拡大図。
また、本文の下1/3で植物の線画、多くても3つなのでそれほど小さくはなく、見やすい。

著者はイギリス人、当然、本のなかに出てくる植物もイギリスのもの。
イギリスでは身近な植物でも、日本でなじみのないものもある。
同じ品種に属していても見た目は異なり、全然わからないものもある。
また、名前が似ていても日本のものとは見た目が異なるものも。

巻末の植物名一覧のところに植物の写真が掲載されている。
各ページに8つ、16ページにわたり、計128。
ちょっとした図鑑。
やはり写真で見るとわかりやすい♪


「 『ナルド』は、マグダラのマリアがイエスの足に塗った貴重な香油、めったにないもっとも高価な香油だった。はるかなヒマラヤの高地に育つ植物カンショウの根から調製したものである。蒸留の費用は計算に入れなくとも、そのような遠いところから運ばれるというだけで、香油は高価だっただろう。これはおそらくマグダラのマリアの一番の宝物で、何年間もアラバスターの箱にしまわれていたものにちがいない。(P25~27)」

マグダラのマリアの香油を塗る場面や、事物である香油壷は、絵画の中でよく描かれる。
しかし、その香油がどのようなものか考えたことは一度もなかった。恥ずかしながら。
そうだよなぁ、特別な場面で使われるものである以上、高級なもの、もっとも大事にしているものだよなぁ。


「 『受難の花 Passion Flower』、すなわちトケイソウはペルーの野草である。17世紀にイエズス会の宣教師がヨーロッパ人として最初にこの花を見つけた。宣教師はこの花を『受難の花』と名付け、その各々の部分によってキリストの受難をつぶさに伝えた。素朴な人々の心には、磔刑の物語がしっかりと刻み込まれたことだろう。

 5つの切れ込みのある葉は、キリストの迫害者の手を象徴している。莢は酢に浸された海綿で、巻きひげはイエスを苦しめた鞭や縄。
 5枚の萼片と5枚の花弁は10人の弟子を表わす。師たるイエスを知らないといったペトロと師を裏切ったユダは除かれる。
 花の中央にある子房柱はキリストがつながれて鞭打たれた柱を表わす。
 3本の花柱は、キリストを打ちつけた3本の釘。
 5つの葯は、5ヵ所の傷。
 花糸はイバラの冠
 コロナのような糸状の副花冠は聖なるキリストの光背
 青い色は天。
 そして3日という花の命は、復活するまでの時間を表わす。
 ※日本で栽培される品種には1日で萎むものが多いが、トケイソウ属は熱帯アメリカを中心に約500種が分布するため、開花習性が異なるものもあるのかも知れない。 (P33~34)」


パッションフルーツ


「 今日簡単に『Lady's~』と呼ばれている花は、以前には『Our Lady's(聖母マリアの)~』と呼ばれていた。宗教改革で清教徒が、これらのすばらしい賛辞を『教皇のたわごと』として笑いものにした後、その非常に多くが失われてしまった。花には新しい名前が与えられ、古い言い伝えは忘れ去られたのである。たとえばブラック・ブリオニー(Black Bryony)。生垣にかかる真紅のベリーが連なるさまが数珠のように見えるので、『ロザリオ Rosaries』として知られていたが、清教徒はその名を『猫のロザリオ Cats' Rosaries』に変えてしまった。(P46~47)」


「 聖ヨセフの花は少ない。ヨセフは、白ユリを聖母マリアと分かち合うことがある。この花は『聖ヨセフのユリ St.Joseph's Lily』とも呼ばれているからだ。白いカンパヌラが『聖ヨセフの小さな杖 St.Joseph's Little Staff』、セイヨウキョウチクトウは『聖ヨセフの杖 St.Joseph's Staff』として知られている。セイヨウキョウチクトウに関しては、次のような伝説がある。天使-ガブリエルだろうか-が、ヨセフこそがマリアの夫となる者だと告げるまで、ヨセフが持っていたのはふつうの杖だった。天使のお告げを聞いて、ヨセフが喜びに包まれたので、握っていた杖に花が咲いたのである。(P61)」

キョウチクトウ01
キョウチクトウ02
昨年、国立西洋美術館の前庭で撮影したキョウチクトウ。
名前がわからないままに撮ったけど、くみみんさんに教えていただきました。


ベルナルディーノ・ルイーニ《聖カタリナ》(エルミタージュ美術館蔵)
ベルナルディーノ・ルイーニ《聖カタリナ》(エルミタージュ美術館蔵)
昨年の大エルミタージュ美術館展で鑑賞したベルナルディーノ・ルイーニの作品が掲載されていました。
図版解説には、「ルネサンス期ミラノの画家ルイーニの聖カタリナは、天国の恩恵と神の愛を表わすジャスミンの花を頭につけている。(P108)」と。
ちなみに展覧会の図録では、「髪には純潔の象徴であるジャスミンの花を挿し、(P192)」と一言で片づけている。


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