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ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち [09展覧会感想]

乃木坂の国立新美術館で開催されていた「ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち」を観に行きました。
「時代・地域・分野を越えた膨大なコレクションを誇る美と文明の殿堂、ルーヴル美術館から、7つの部門(古代エジプト美術、古代オリエント美術、古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画)の至宝約200点が一挙来日します。
さまざまな時代・地域の美術の中に表現されてきた子どもたちの姿を通し、『美の宮殿』ルーヴルの至高の美の世界を紹介します。(チラシより)」


第1章 誕生と幼い日々 第2章 子どもの日常生活 第3章 死をめぐって 第4章 子どもの肖像と家族の生活 第5章 古代の宗教と神話のなかの子ども 第6章 キリスト教美術のなかの子ども 第7章 空想の子ども
 
ヤン・ファン・ハンスベルヘン《授乳する女性》ヤン・ファン・ハンスベルヘン《授乳する女性》はいかにもオランダ風俗画といった感じ。一見すると何気ない日常のワンシーンのように思えるが、黒い大きな帽子を被ったおっさんがおっぱいをがん見[目]してる・・・Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!しかも、おっちゃんの対角、画面手前ではワンコとニャンコが睨み合っている。これにより画面全体に緊張感が生まれ、不穏な空気が立ち込めている。。。
ジャン=オノレ・フラゴナール《子どもを抱く若い女性》は柔らかい色調というかぼやぼや。女性の抱く子どもがとても可愛い♪(^_^)図録の解説によると「木立の光り輝く場所で、若々しい女性が、あたかも台座にのった記念碑のように幼い子どもを抱いている。子どもは着ぐるみに包まれ、布地からは黒い髪の毛の束が飛び出している。この作品には画家の感動が込められており、その小さな足で堂々と立つ子どもの姿には、正確な観察眼が認められる。」とのこと。これって、ハイハイしていた赤ちゃんが立てるようになった記念ってこと?つまり単なる親バカ?それとも、画家の感動って、もしかして「ク、クララが立ったー!」みたいな感じ???(^_^;)
ちなみに私は『親バカ』という言葉が結構好きです。なんかあったかくて微笑ましい。特に幼子の場合には。ごく限られた、ほんのわずかな期間だけなんだし。他人に迷惑さえかけなければ、いいじゃん親バカで。近年、幼児虐待のニュースが増えたせいか、特にそう思う。(※私は結婚していませんし子どももいません)
アントワーヌ・デブッフ《若い母と二人の子ども》というブロンズ像は、写実的でとても格好よく、それでいて繊細優美な作品。とても見応えがある。三角形の構図がもたらす安定感が、そのまま母子の穏やかで幸福な日常の安定感を表しているように思えた。「若い母親と二人の子どもを表したこの群像は、19世紀前半に流行した群像彫刻の典型的な例である。」とのこと。
《旗手ジェフゥティの供養碑》いかにも古代エジプト~って感じ。ヒエログリフって不思議で面白い。確かヒエログリフは漢字と同じで表意文字だったはず。上段は縦書き、中段、下段は横書き。つまり立て横どちらでもOKってことなのかな。なんか日本語みたいで親近感がわくな~、文字も面白いし。ヾ( ̄ー ̄)ゞ

フランソワ=ユベール・ドルエ《若い生徒》ゴブラン製作所、ミシェル=アンリ・コゼットの工房 原画:フランソワ=ユベール・ドルエ《若い生徒》《猫と遊ぶ若い娘》はタピスリー。《若い生徒》小生意気なクソガキずるがしこそうな子ども。頭はかなりきれそう。なんだ?この不敵な笑みは???(^_^;)先生の本を見事に盗み出したちょっと拝借しちゃったって感じ?(/ー\*) イヤン♪フランソワ=ユベール・ドルエ《猫と遊ぶ若い娘》図録の解説によると彼が持っているのは「素描の入った紙挟み」だそうだ。なんだよっ、全然本じゃないじゃん。。。(ーーA;; アセアセ《猫と遊ぶ若い娘》は可愛らしい少女が猫を抱えている。少女のがとても魅力的♪(^_^)原画を描いたドルエはカルル・ヴァン・ローとブーシェの弟子で、主にポンパドゥール侯爵夫人とデュ・バリー夫人のための制作を続けた18世紀のベルサイユの宮廷の主要な肖像画家だったそうで、この2点の原画はポンパドゥール侯爵夫人が亡くなるまで所有し続けていたとのこと。シカルディ、本名ルイ=マリー・シカール《二人の若い娘を表したボンボン入れ》シカルディ、本名ルイ=マリー・シカール《二人の若い娘を表したボンボン入れ》は鼈甲のボンボン入れを飾るミニアチュールだそうだ。鍵盤楽器の前に佇む姉妹と思われる可愛い女の子。青いドレスがとても綺麗。2.4×8.6cmととても小さなものだが、精緻に描かれている。
《台車にのったハリネズミ》《台車にのったライオン》は神殿の埋納品から発見されたもので、奉納品である可能性が高いそうだ。ライオンもハリネズミの可愛い顔をしている。小さくておもちゃのようにも見えるが、なぜ台車に乗っているのかは不明。。。( ̄-  ̄ ) うーん

ジャン・シメオン・シャルダン《食前の祈り》
ジャン・シメオン・シャルダン《食前の祈り》はとても穏やかで静かな見応えのある作品。手前の小さな椅子に座っているのは男の子だそうだ。女の子だと思っていた。。。(^_^;)その男の子の手を合わせてお祈りしている姿がとても可愛い♪母親も上の子もとても優しく穏やかな表情をしていて、温かさが伝わってくる。この日は(いつも?)それほど混雑していなかったため、静かで落ち着いた環境の中でじっくりと見入ってしまった。
アンドレ=フランソワ・ヴィエイヤール(父) ヴァンセンヌ王立磁器製作所《「エベール」の朝食セット》フランソワ・ブーシェの原画に基づき絵付けされたもの。金色で縁取りされた白い磁器に青色で絵付けされている。人物の肌や肌色、髪は黄色系。とてもスッキリとしていて朝の爽やかで清清しい感じにぴったり。

今展の目玉はミイラらしい。。。(^_^;)

《少女のミイラと棺》は今展覧会の目玉のひとつ。でも、ミイラって、人間の死体だぞ。いいのか本当に。。。(^_^;)今展のちょうど1ヶ月前、上野のルーヴル美術館展と阿修羅展をハシゴしたときに東博の東洋館でミイラを鑑賞した。そしてこの3週間後の阿修羅展2回目のときにも。なんかとりつかれそうでちょっと怖い気もする。。。(-_-;)
さて、そのミイラ。タイトルにもあるように少女だそうだ。来世での幸福な生を願い、棺の蓋には少女の生前の姿、棺の側面には来世で少女を迎える神々が描かれている。照明や展示の仕方も影響しているのかもしれないが、やはりこの展示室だけ空気が違う。とても冷たく、重い。ちょっと息苦しく感じた。。。―( ̄_ ̄;→グサッ!

ジャン=バティスト・ドフェルネ《悲しみにくれる精霊》は記念墓碑の一部だそうだ。タイトルには悲しみにくれる精霊とあり、図録の解説には「・・・肉付きのよいお腹、丸い両頬をした面立ち、ぽっちゃりとした小さな両手、うなじにかかる軽くカールした髪に、どちらかといえば、親しみを感じさせる仕草で布の端で目を拭っている、小さな男の子の体形を丹念に描き出している。」とあるが、ウソつけ、どこが親しみを感じさせる仕草なんだっ、悩んでいるようしか見えねーって!!しかも、左手にもっているものについては「炎の消え入りそうな手燭を手にする子どもの精霊という主題は、燃え尽きた生の寓意で、古代美術から着想が得られている。」って。Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!これのどこが親しみを感じさせる仕草なんだよ(2回目!!)。。。(-_-;)こんなに幼い子どもがこんなにも悩み苦しんでいるなんて。ロダンの《考える人》よりもずっと深く、重く、苦しく、辛く、思い悩み、考えこんでいるように感じたゾ。。。(>_<)
ポストカード
早割りの前売券特典として貰ったポストカード。
早割りで購入したのは、当日券1500円が早割りだと1100円だったから。この展覧会は私が予想していたほどのヒットではなかったようなので、もしかしたらプレゼントに応募すれば招待券が当たったかもしれない。(=^^=) ニョホホホ(だから早割りなるものがあったのか???)
間違っても光浦靖子のメッセージが欲しかったわけではありません!!
な、なんなんだ、このメッセージ? 大きなお世話だぜっ!!!(* ̄m ̄) ププッ
しかも、何故《悲しみにくれる精霊》なんだ?なんか、これ、二重に凹むな~ (ノ_<。)うっうっうっ

ジャン=フレデリック・シャル《生のはかなさへの思い》はとても趣のある作品。女の子はとても不思議な表情をしている。可愛いのだが、何か考え込んでいるような思いつめているような視点の定まらない様子。彼女が肘をついているのは、古代風の墓だそうだ。何かの記念碑か風化し荒廃した門柱のようなものかと思った。お墓には水時計がデザインされ、それは時の流れを表しているとのこと。ゆりかごのベッドに片足を突っ込んでいるポーズがなにげにセクシー♪(^_^;)生のはかなさを見事に表現したとても見応えのある素晴らしい作品だった。
《女性と小さな娘》はヘレニズム時代の粘土作品。ちょっと素焼きのようにも見える。表面はツルツルに仕上げられているわけではないのだが、このカサカサ感が衣の質感を見事にあらわし、その襞は流れるようで美しい。女性の優しい表情も魅力的。シンプルゆえの洗練された美しさかな。

ルイ・ル・ナン、もしくはアントワーヌ・ルナン《幸福な家族(旧名称:洗礼からの帰宅)》ルイ・ル・ナン、もしくはアントワーヌ・ル・ナン《幸福な家族(旧名称:洗礼からの帰宅)》は今回楽しみにしていたもののひとつ。ルーヴル美術館には、《農民の食事》《室内にいる農民の家族》の計3点の作品があるそうで、《室内にいる農民の家族》は上野のルーヴル美術館展で展示されていた。やはりこちらも宗教的な意味合いを持つものらしい。「・・・人物を横並びに配した構図は、キリストの食事(とくにシモンの家の食事やレヴィ家の饗宴)を連想させ、パンと葡萄酒の存在は聖餐の秘跡を想起させる・・・余計なものをそぎ落とした場面設定もまた、ル・ナン兄弟の時代の人々に、キリストの説く清貧を想起させたに違いない」とのこと。上野のルーヴル展の図録には、参考図版としてモノクロで《農民の食事》が掲載されている。3点見比べてみるとなかなか興味深いものがある。(・_・)

フェルディナント・ボル《山羊の引く車に乗る貴族(トリップ家?)の子どもたち》は今回の掘り出し物のひとつ。この画家はたぶん初めて聞く名前。肖像画として描かれているのだが、その描き方、特に色の置き方は神話的。立派な角をした二頭の山羊が車を引いている。山羊の毛の流れるような質感が素晴らしい。思わず撫でたくなる。(^_^)車の周りでは裸の子どもがはしゃいでいる。この二人はタンバリンを取り合っているのかな。やたらと目立つなぁ。一見すると温かくのどかな雰囲気なのだが、注意深くみると空はなんだか雲行きが怪しく、森はざわついているようにみえる。これはこの貴族の子どもたちの行く末を暗示しているのだろうか。ちょっと気になる。。。(@_@)

ジョシュア・レノルズ《マスター・ヘア》ジョシュア・レノルズ《マスター・ヘア》はジョシュア・レノルズの最晩年の作品。就学前の男の子に女の子の服を着せるのが当時の上流階級の風習だそうで、ここに描かれているのは男の子だそうだ!Σ(ノ°▽°)ノハウッ!構図もとても面白い。通常、肖像画というと全体像や上半身を描いた静的なものが多いが、この作品は膝あたりから上、しかも動的。右手は何かを指し示しているようにも、人々を率いているようにも見える。この男の子はまだ2歳だそうだ!!ヒイィィ!!(゜ロ゜ノ)ノ可愛いけどとても大人びた表情とポーズ、躍動感あふれる不思議な肖像画。今回とても人気のあった作品のひとつ。これを図録の表紙やチラシのメインにすれば良かったのに。。。
ジャンヌ=フィリベルト・ルドゥー《少年の肖像》もぱっと見は女の子のよう。男の子だけどかなり可愛い♪(^_^)クルクルの巻き毛がとてもよく似合う。ジャンヌ=フィリベルト・ルドゥーという女性が描いたものだそうで、彼女はジャン=バティスト・グルーズの弟子だったそうだ。なるほど~、そう言われると、ジャン=バティスト・グルーズの描く子ども、特に少女に似ているかも♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ
シモン・ヴーエ《少女の肖像》シモン・ヴーエ《少女の肖像》はとても可愛い少女の素描。ふわりとした髪の流れるような感じがとても軽やかで爽やかな印象を与える。ほっぺのふっくらとした感じ、吸い込まれそうな大きな瞳、あ、これは女の子かな~と。もう、このあたりにくると、頭が混乱し感覚が麻痺してきて、どれが少女でどれが少年だかわからなくなってくる。(^_^;)「想像によって描かれた衣服や、波打つような髪は、モデルを前にして自由に描いた素描の特徴とみなされる。こうした表現は、17世紀前半に貴族やブルジョワの家族の子どもを肖像画に描く場合に必ずといってよいほど求められた約束事とはかけ離れている。」とのこと。シモン・ヴーエは綺麗な女性を描く画家というイメージがあったが、子どもを描いた作品も温かさや優しさがあふれていて素晴らしい。シモン・ヴーエ、今まで以上に好きになりました!(^_^)/ちなみにこの作品は東京会場のみの展示だそうだ。O(≧∇≦)O イエイ!!

ぶらんこの画家に帰属 黒像式アンフォラ《ぶらんこにのった女》ベルリンの画家に帰属 赤像式スタムノス《蛇を絞め殺す幼児ヘラクレス》は紀元前の《ぶらんこにのった女》はアルカイック時代のものだそうで、アルカイック時代の慣習に従って子どもは大人を小さくした姿で表されているとのこと。ここに描かれている子どもは奴隷らしい。また、描かれているのは「ぶらんこの儀式」の一場面らしいとのこと。「その儀式は、人間に葡萄酒がもたらされた折のことを伝える、悲劇的な神話にまつわるものである。ディオニュソスからの贈物のために、イカリオスは酔った羊飼いたちによって虐殺されてしまい、彼の娘は首をくくり、これがさらにはアッティカ地方での自殺の連鎖を引き起こしたのである。この連鎖を終わらせるべく、ぶらんこの儀式が創始されたわけだが、そこには首つりという致命的行為のうちの、紐と身体の動きだけが残されている。」とのこと。子どもの頃から慣れ親しんだブランコにそんなに深く重い意味合いがあったなんて。。。(-_-;)《蛇を絞め殺す幼児ヘラクレス》はヘラクレスが2匹の蛇を捕まえて絞め殺す場面を描いたもの。「赤ん坊のヘラクレスの栄光のエピソードを、現存する中では最初に表した造形作品」だそうで、とっても貴重なものらしい。

《子どものサテュロス》はサテュロス君が笛を吹いている大理石像。ギリシャ美術で横笛の表現は稀で、サテュロスが手にしているのは珍しいそうだ。人間の姿をしているが、尖った耳や肩からかけている豹の皮からサテュロスとされるそうだ。サテュロスは角があるものだとばかり思っていたが、彼には角がない。人間風だからだろうか、それとも子どもだからだろうか。足を交差させる仕草が可愛い。肩からかけているのは何の毛皮だろうと思って鑑賞していたら、豹の皮だった。でも、これ、特に顔が、どー見ても獅子舞なんだよな~(^_^;)ドニ・フォワヤティエ《アモール》もきれいな大理石彫刻の作品。くるくるの巻き髪がとても見応えある。右手の人差し指は何を指し示しているのだろうか。一発で射止めてやるぜっ!って感じなのかな?(^_^;)どちらも大理石の質感が活かされた綺麗な作品。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《聖母子と聖ステパノ、聖ヒエロニムス、聖マウリティウス》ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《聖母子と聖ステパノ、聖ヒエロニムス、聖マウリティウス》はチラシのメインを飾る作品。聖母子がとてもおだやかで安定感がある。ここだけ取り出してきて縦長作品にしたいくらい。聖人たちが加わると、ちょっと楽しそうな温かい雰囲気に。赤色にとても深みがあり、また、白色や肌色、特に幼子イエスを効果的に際立たせている。背景の処理はかなり大雑把に感じるが、人物の描写は緻密で素晴らしい。近寄ってみたり離れてみたり、右から見たり左から見たり、いろいろ試してじっくりと鑑賞。左から見たときが一番しっくりときた。正面からではべた~っと横並びにみえた構図に奥行きができ、立体感と共に臨場感が感じられた。
《幼児イエスに授乳する聖母》は白色テラコッタの作品。この展覧会には授乳を主題としたものが多数展示されていたが、その中でも特に素晴らしいと感じたのがこの作品。個人の祈祷用小像だそうだ。三角形の安定した構図がとてもどっしりとして安心感を与える。衣の襞が滑らかで綺麗。
《慈愛》も衣の襞がとても綺麗で見応えのある作品。こちらは浮彫り。女性は幼子を抱え、彼女の両脇にも子ども。二人の子どもは女性のマントにもぐりこむような持ち上げるような仕草。風になびくような衣のふわりとした感じ。躍動感がある。子どもをつれてどこかにお出かけす場面を捉えているようにもみえる。

フランソワ・ブーシェ《幼児イエスを抱えて座る聖母》フランソワ・ブーシェ《幼児イエスを抱えて座る聖母》はブーシェの素晴らしい素描。今展の掘り出し物のひとつ。聖母も幼子イエスもとても美しい。特に聖母の優しい表情はとても見応えがある。この斜めのサラサラとした感じがなんともいえないぜっ!O(≧∇≦)O イエイ!!ブーシェの油彩はまさにロココ~って感じの煌びやかなものが多いが、稀にボケボケとしているものもある。その色彩に惑わされて上手いんだか下手なんだかよくわからなかったりもするのだが、この作品から、素晴らしいデッサン力を身につけていることがはっきりと見て取れる。必要以上に描き込むこともなく、かといって、手を抜いて省略しまっくているわけでもない。絶妙なバランス感覚とでも言うべきか。この作品はブーシェの成熟期のものだそうだ。ちなみにこの作品は東京会場のみの展示だそうだ。O(≧∇≦)O イエイ!!
ペーテル・パウル・ルーベンス《レベックを弾く小天使》ペーテル・パウル・ルーベンス《レベックを弾く小天使》はコレッジョの作品から影響を受けているそうだ。レベックとはヴァイオリンのもとになったものらしい。この天使も楽器をあごで支え、右手には弓を持っている。目を閉じて演奏に集中している。子どもだけど、かなり格好いい!!天使はちょっとムチムチしてるけど、このデッサンも影の付け方が素晴らしい。今にも音色が流れてきそうな感じで、見ていて温かい気持ちになる。この日は、午後から丸ビルのラ・フォル・ジュルネ・エリアコンサートを聴きに行ったのだが、はやくヴァイオリンの演奏を聴きたいな~という気持ちになった。それと同時にいつまでもこの会場で作品を堪能していたいという気持ちにも。(^_^;)ちなみにこの作品は東京会場のみの展示だそうだ。O(≧∇≦)O イエイ!!

フランソワ・ブーシェ《アモールの標的》フランソワ・ブーシェ《アモールの標的》タピスリーの連作「神々の愛」のうち、窓間壁(まどあいかべ)を飾るための1張の原画として使われたものだそうだ。この連作はアカデミーの主要な画家であるカルル・ヴァン・ローとジャン=バティスト=マリー・ピエール、ジョゼフ=マリー・ヴィアンにも割り当てられたそうで、そのうちの1点がジャン=バティスト=マリー・ピエール《忠誠の勝利》
《アモールの標的》、上空のアモールはハートの描かれた的を持ち、そのハートには矢が刺さっている。地上のアモールは弓と矢を折って燃やしている。的に矢が刺さったから、残りは処分。これは忠実な愛は1度しか与えられないからだそうだ。つまり、浮気禁止!ということ。会場の作品解説を読んで、「本当の愛は1回だけなんだって~」「なるほどね~」というような会話をしている方が結構いた。ヾ( ̄ー ̄)ゞジャン=バティスト=マリー・ピエール《忠誠の勝利》《忠誠の勝利》も可愛いアモール君がいっぱいの作品。ブーシェの描いたものよりもこっちの方が可愛い♪(^_^)忠誠と不実を修辞学的手法によって象徴的に表現したものだそうだ。「上方で犬を連れて雲の上に座っている幼い少女は、ピエールの大きな絵画に登場するエウロペのいわば小さな分身に当たり(彼女はエウロペの金髪とピンク色の衣を持っている)、忠誠を象徴している。彼女は、美徳の褒賞として花冠を受けている。下方では、地面に腰を下ろし、かたわらに偽りの仮面を置いた小さな子どもが、ヴィーナスの聖花であるバラと聖木のギンバイカの枝を握る一人のアモールによって懲らしめられている。これは、おそらく物語で知られるユピテルの不実とその妻ユノの絶え間ない叱責を暗示しているのだろう。」とのこと。《アモールの標的》では「浮気しちゃダメだよ~」といって、《忠誠の勝利》では「ははは、浮気しゃったっ!」って。絶妙な組み合わせだな~(^_^;《アモールの標的》は268×167cm、《忠誠の勝利》は304×160cmととても大きな作品。私が鑑賞していた時では、この2点並べられた展示場所が、一番お客さんが多く集まっていたかも。(^_^)

時代やジャンルを超えて、子どもにスポットを当てた画期的な展覧会。大阪展との展示替えを含めると全部で221点。膨大な質と量を誇るルーヴル美術館だからこそ実現した企画展なのかもしれない。どちらかというと、今回は美術館というよりも博物館に来ているような感覚に近かった。東京展の入場者数は22万超。上野のルーヴル展には大差をつけられてしまったが、あちらは有名どころをどどど~んと並べただけのただ持ってきただけ展(これだけ持って来たこと自体が奇跡に近いが・・・)に限りなく近かっただけに、こちらの方が一本芯の通った、しっかりとした企画力を感じた。主催の朝日新聞は上野の阿修羅展の宣伝にはかなり力を入れていたが、こちらはほったらかしに近い状態だったように思う。気合を入れて積極的に宣伝していたら、倍の集客は見込めたのではないだろうか。ちょっともったいないかな~(^_^;)

・図録:2500円
・音声ガイド:500円

公式サイト(http://www.asahi.com/louvre09/

国立新美術館


国立新美術館(http://www.nact.jp/

おでかけ記録(http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2009-05-06

チラシ表 チラシ裏

チラシ表 チラシ裏

【東京展】 国立新美術館 2009年3月25日~6月1日
【大阪展】 国立国際美術館 2009年6月23日~9月23日

乃木坂駅
乃木坂駅にて。


一日で鑑賞するルーヴル美術館 (とんぼの本)

一日で鑑賞するルーヴル美術館 (とんぼの本)

  • 作者: 小池 寿子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/05/24
  • メディア: 単行本



ルーヴル美術館 (別冊太陽)

ルーヴル美術館 (別冊太陽)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2005/01
  • メディア: ムック



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コメント 11

kuwachan

こんばんは。

展示されているものが違うとはいえ。上野のルーブルよりも
こっちのルーブルの方がゆったりと鑑賞できたみたいですねぇ。
実はこれには行かなかったので・・(^^ゞ惜しいことをしました。
でも、りゅうさんのイマドキ風解説で鑑賞に行った気分です(^^♪
自分で観るよりもよっぽどよ~くわかります。
ありがとうございました。
by kuwachan (2009-08-09 23:03) 

kumimin

ルーブルどちらも行けなかったです(T T)
肖像画があまり好きでないんですが、この天使みたいな子どもたちなら見たかったな♪
by kumimin (2009-08-10 00:58) 

ぽんこ

実は光浦さんのファンになりつつある…?(・_・)
ミイラの部屋も興味あります。
by ぽんこ (2009-08-10 08:57) 

naonao

ルーブル美術館展となると持っているものが膨大なので何を持ってくるか、本当に企画力が問われますね。ちゃんとしたテーマ性のある企画展って本当に望まれますね。
by naonao (2009-08-10 13:56) 

laysy

シャルダン《食前の祈り》は良いですね〜
とても静かで暖かさと厳しさの両方がありますね。
画集で見たことがありますが、大好きな画家です。

素描にはとても興味を惹かれます。
油彩よりも綺麗に見えることが多いけれど、
最初の感動をそのまま描いているからでしょうね。

光浦靖子…特に興味は無いんですけど、
愛することの方が幸せ〜というのは共感できます。
大切なものや人の為に、どんなことが出来るか?
考えるだけでも幸せになれますよ。
by laysy (2009-08-10 21:08) 

りゅう

○kuwachanさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
上野のルーヴル展はフェルメールやラ・トゥールといった超有名どころが来ていただけに、こちらのルーヴル展は完全に影に隠れてしまいましたね。
こちらは古代エジプト美術や古代オリエント美術がいっぱい、
宣伝次第では博物館ファンをうまく取り込めたのに・・・(*_*) アチャ!

○kumiminさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
可愛い子どもがいっぱい!
展示作品の9割は何らかの形で子どもがいたと思います。
現在、あっちのルーヴル展は京都市美術館で、こっちのルーヴル展は国立国際美術館(大阪)で開催中です。帰省ついでにいかがでしょう?(^_^)

○ぽんこさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
光浦さん、字は可愛いと思います。。。(^_^)
ミイラの展示室は照明を落として暗~くしてありました・・・
今にもムクッっと起き上がりそうな感じでした。
あ、ネットがしてあったのはそのためか・・・Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!
閉館後、誰もいない展示室をフラフラと・・・(>_<)キャー!!

○naonaoさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
ルーヴル美術館に行かれた方の話では、あまりにも作品が多すぎて有名どころ以外は適当に流してしまい、ほとんど記憶に残らないと・・・(-_-;)
このようにテーマに沿ってじっくりと鑑賞できるほうが、
本当の意味で楽しめるのかもしれませんね!(^_^)

○laysyさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
今回の素描は素晴らしいものばかりでした!
これを見れただけでも「行って良かった~」って。(^_^)
シャルダン、ル・ナン兄弟は地味ですが、とても見応えのある素晴らしい作品でした。これだけの作品が来日したってのに、朝日新聞、宣伝は阿修羅さまばっかり。。。もったいない、もったいない。ヾ( ̄ー ̄)ゞ
光浦さんのメッセージ、裏は《悲しみにくれる精霊》ですからね~
頭抱えて悩んでしまいます・・・(>_<)

○rebeccaさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○miyokoさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2009-08-11 11:57) 

カノン

うわ~今回も読み応えありますね~

先日、テレビで見て
リャドに興味があるのですが
過去に展覧会とかありましたか?

by カノン (2009-08-12 15:46) 

りゅう

○カノンさん、コメントありがとうございます(^o^)丿
展示数約200点は通常の展覧会の3倍位でしょうか。
ちなみに現在国立新美術館で開催中のルネ・ラリック展は
約400点だそうです・・・す、すげぇ!! Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!
リャド・・・
聞いたことあるようなないような、見たことあるようなないような。。。(^_^;)
美の巨人たち、見逃してしまいました・・・
見ればよかったなぁ。(^_^;)

○TaekoLovesParisさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○takagakiさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○U3さん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○うさこさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2009-08-14 07:42) 

雅

久々の大作ですね(笑)
少女のミイラが非常に気になります。
光浦のは要らない(笑)
by (2009-08-16 21:27) 

りゅう

○雅さん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
ミイラ、怖いですよ~ ついてくるかもです。
夜道で振り返るといたりして。。。(>_<)キャー
光浦さんもついてきたりして・・・(-_-;)

○ヒデキヨさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2009-08-17 21:07) 

りゅう

○いっぷくさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○空さん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2009-08-19 20:36) 

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