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特集陳列 黒田記念館 黒田清輝の作品 I [07展覧会感想]

東京国立博物館で開催されていた特集陳列 黒田記念館 黒田清輝の作品 I」を観ました。

この特集陳列は、独立行政法人国立博物館と独立行政法人文化財研究所の統合を記念して行うものです。
東京文化財研究所は、美術に関する学術的調査研究と研究資料の収集を目的として、昭和5年(1930)、黒田記念館内に開設された帝国美術院附属美術研究所を前身としています。黒田記念館は、黒田清輝(1866~1924)の美術奨励の遺志にもとづき、彼の作品と遺産の一部が国に寄贈されたことを受けて昭和3年(1928)に竣工された施設です。当初より、彼の画業を顕彰するための「黒田記念室」が施設の2階に設けられ、寄贈作品が陳列されてきました。
現在、黒田記念館では毎週木曜日と土曜日の午後1時から4時まで作品を公開しています。今回の特集陳列では、これまで以上により多くの方々にご覧いただくために、黒田の代表作である「湖畔」(重要文化財)を始めとして、フランス留学時代から晩年までに制作された作品から油彩画14点と素描8点を選び、黒田芸術のエッセンスを紹介いたします。(東京国立博物館HPより)

こちらは特集陳列のため、

所蔵作品展のチケットで観ることが出来ます。

って、当然ですよね~

そもそも黒田記念館は無料ですから。

それも、隣りの建物から持ってきただけ。

黒田記念館、なかなか素敵ですよ♪

宣伝とかほとんどしていないのに、

そこそこ人が入っているし。(通好み!?)

建物も素敵ですし、夜間ライトアップもあります。

 

一昨年、黒田記念館を訪ねた時の感想記事はこちら。
http://blog.so-net.ne.jp/ryuu/2005-11-24


 

どうせなら、東京国立博物館の《舞妓》《読書》も一緒に展示してくれれば良かったのに。

《舞妓》は確か一昨年の春(ちょうど今頃)、本館の所蔵作品展で鑑賞したと記憶しています。(違ったかな???)この作品は印象派かぶれの見応えのある素晴らしいもの。《読書》もいつだったかは覚えていませんが、鑑賞したことがあります。

 

おっ、『Ⅰ』とある・・・ Σ(ノ°▽°)ノハウッ!

ということは、『Ⅱ』もあるのでしょうか???

今回の陳列には《智・感・情》《赤髪の少女》《編物》がないし。。。


 

東京国立博物館(http://www.tnm.jp/

平成館企画展示室 2007年4月10日(火)~2007年5月6日(日)

 

黒田記念館(http://www.tobunken.go.jp/kuroda/index.html

 


東京藝術大学大学美術館で開催されている「パリへ-洋画家たち百年の夢 ~黒田清輝、藤島武二、藤田嗣治から現代まで~」展に5月22日から黒田清輝《湖畔》が展示されます。
って、またもすぐそこじゃん!!
台車でゴロゴロって運ぶのかな?まさかスタッフが重文を担いで? イヤイヤ  へ(* ̄ー ̄)>

 

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「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像」展 [07展覧会感想]

東京国立博物館で開催されている「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像」展を観に行きました。この展覧会は、ルネサンスの巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチの創造世界を紹介するもので、「世界に十数点しか現存しない絵画作品のうち、初期の傑作『受胎告知』を日本で初公開するほか、映像や模型をふんだんに使い、科学、芸術にわたる『万能の人』の真の姿を解き明かす試み」だそうです。2007年1月までイタリア・フィレンツェのウフィツィ美術館で開催されていた企画展を日本向けに再構成したものとのこと。

~展示構成~
第1会場:本館特別5室
レオナルド・ダ・ヴィンチの出発点となった「受胎告知」を、1974年に「モナリザ」を展示した本館特別5室で特別公開します。
第2会場:平成館特別展示室
人間や自然の真の姿を表現するため、徹底的な観察や論証を行ったレオナルド・ダ・ヴィンチ。手稿の記述を手がかりに、マルチメディアも利用して広範な精神活動の展開をたどります。
Ⅰ.レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯 Ⅱ.「受胎告知」-思索の原点 Ⅲ.レオナルドの書斎 Ⅳ.「かたち」のとらえ方 Ⅴ.万物の運動 Ⅵ.絵画への結実

レオナルド・ダ・ヴィンチ《受胎告知》はレオナルドの20歳頃の作品で、「1人前の画家すなわち「親方」として認められたばかりの若きレオナルドが手がけた最初の単独作品であり、実質的なデビュー作」だそうです。フィレンツェのウフィツィ美術館でも最も重要な作品のひとつで、ウフィツィ美術館を出たのは第2次世界大戦中に疎開させて以来とのこと。
この作品は5枚の板からなる油彩画で、板が変形しないように湿度や温度を一定に保つ設計の特殊なガラスケースでの展示。ドイツで開発された極めて透明度の高いガラスを用いているそうです。立ち位置を変えて様々な角度から鑑賞していると、時々照明がガラスに反射し、『あっ、ガラスあったんだ・・・』と気づかされます。 その存在を忘れてしまう程に透明度が高く、作品の細部までクッキリ!特に、最前列での鑑賞は、最高♪まさに、かぶりつき!!(^¬^)(ちなみにウフィツィ美術館のガラスは若干青みがかっているそうで、今展の方がより綺麗に見えるそうです。)

お勧めの鑑賞方法は、『第1会場』→『第2会場』→『第1会場』

第1会場は当日に限り再入場可能です。もちろん再び手荷物検査&金属探知機の洗礼を浴びることにます。(※私は鳴らしてませんよっ!)鑑賞中、入り口のほうでピーピー鳴り捲っていましたので、ダミーではありません。本物です!金属探知機の洗礼はけっこうドキドキ!!(^_^)荷物を持ったままの鑑賞は疲れますし場所をとります、コインロッカー(リターン式)に入れたほうがいいでしょう♪

さて、大本命の受胎告知ですが・・・

初めてのレオナルド作品、過大な期待を持って会場に乗り込むと、作品と向き合った瞬間、その存在感の大きさと精神性、荘厳さに圧倒され、頭の中が真っ白に。。。もちろん感動しますよ、でも、作品に負けてしまうんですよね。正直、何処から観たらいいのか、何処に注目したらいいのか、作品を前に全部忘れてしまいました・・・ウーム (; _ _ )/音声ガイドを借りれば、もっと冷静に細部までしっかりと鑑賞できたのでしょうが、いきなり向きあって、ある意味、漠然と鑑賞してしまいました。。。(音声ガイドを借りるべきだったと久しぶりに後悔・・・)

ということで、第2会場で頭を冷やして出直してきま~す♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ

第2会場に作品リストがありました。リストというよりは《受胎告知》の解説と第2会場の展示構成の紹介。また、第2会場には《受胎告知》を解説したビデオ上映があります。まずこのビデオ上映を見て、鑑賞ポイントをチェックすることを強くお勧めします♪(≧▽≦)b

○映像シアター
本展のためにイタリアで特別制作された映像3本を上映いたします(日本語ナレーション)。
場所:平成館2階・特別展示室内/平成館1階・ガイダンスルーム
 ・「《当方三博士の礼拝》再見-絵の背後にあるもの」
 ・「レオナルドの巨像 スフォルツァ騎馬像の挑戦」
 ・「海沿いの山-レオナルドの《受胎告知》」

再び第1会場へ

第2会場でレオナルドの広範な精神活動の展開を辿ったあと、再び第1会場へ。今度は一応、冷静に作品と向き合うことができましたヾ( ̄ー ̄)ゞまずは一段高いところから。ここで肘をついて乗り出すように鑑賞。ちょうど作品と同じ高さ。正面、右、左。何度も移動して様々な角度から向き合う。この作品は右斜め下から鑑賞するのが構図等から理想的だそうだ。同じ高さでも右から観ると確かにその雰囲気がヒシヒシと伝わってくる。でも、マリアの腕の問題はこれで解決されるかもしれないが、大天使ガブリエルの存在感が消えてしまう。かといって左から観ると、今度はマリアの存在感が消えてしまう。存在感が弱いのでそれほど気にはならないがやはり腕の問題は残る。結局、正面から観るのが一番好き。マリアもガブリエルも圧倒的な存在感を放っている。意外と面白かったのは右斜めで後ろの壁?に寄りかかっての鑑賞。照明の効果でしょうか、離れたところから観ると、作品そのものが浮かび上がるように観えました。特にマリアとガブリエルの圧倒的な存在感は見応えあり!!暗闇にマリアとガブリエルが浮かび上がるようで、とても神秘的♪最初に展示室に入って展示室の一番奥にある作品がチラッと見えたとき、マリアとガブリエルが浮かび上がるようで神秘的に感じました。「おっ、《受胎告知》だ!」とドキドキしたのと同時に、「遠くから観ても面白いかも♪」という印象を受けました。意外と、遠くから眺めるように見たほうが、ありがたさというか尊さ、精神性や宗教性を感じることができるのかもしれません。

正面からじっくりと♪

マリアの半開きの姿勢がとても興味深い。そのままガブリエルと抱き合いそう。その後の運命を受け入れるかのようにも思える。ガブリエルが書見台の正面に位置しているのに対して、マリアは書見台に斜めに向かっている。なんだか、びっくりして後ずさりでもしたかのよう。静の中に若干の動を感じ取ることが出来る。というより、マリア以外は完全な静の世界。右腕が長いという問題についても、そこに動きがあったと捉えればチョットは解決!?(笑)この右腕ですが、百歩譲っても捲るならページの下。でも、これでは様にならない。また、せっかくの綺麗な消失点をつぶしかねない。やっぱりこれでいいんじゃないかな~ちょっとぐらい長くたって。
マリアとガブリエルの腕のバランスが面白い。マリアの右腕とガブリエルの左腕。マリアの左腕とガブリエルの右腕。お互いの右腕同士、左腕同士。絶妙な間合い。そして手のしぐさ。着眼点をかえることで二人の間の微妙な空気というか雰囲気が変わってくるあたり、なかなか見応えがある。
一つ気になる点が。それはマリアの左肩。肩が落ち過ぎている。女性なのでそんなにがっちりと肩が張るわけはないが、チョット弱すぎる。右肩が青色で強く感じる部分もあり、また、手首で隠れぎみという理由もあるが、赤も強い色である以上、これは弱すぎるんじゃないかな~、これだと結果的に首も太く見えちゃうし。(^_^;)また、人間の骨格的にも肘を引いた場合、肘が体にぴったりと付いている以外は少なからず、肩が上がる。(筋肉質であれば当然、更に肩が盛り上がることになる。)足がどっしりとした感じでしっかりと描かれているので、上体とのバランスが微妙に崩れているようにも思える。上半身がのけぞっているわけでもなく、背筋がしっかりと伸びてる以上、衣装をふんわりと柔らかい感じでほんのちょっとだけ大きく描いた方が自然かも。。。また、その方が右腕への注目をそらすこともできそう。それでも素晴らしい作品には違いなく、見応え十分。やはり、謎が多いからこそ、レオナルドの作品なのでしょう♪(≧▽≦)b

一番前は3列でその最前列が止まらずに歩きながらの鑑賞、必殺カニ歩き♪ただし、これは一番最後。また、最前列は作品の全体を見渡すにはかなり厳しいので、ここは緻密な描写を楽しむものと割り切っての鑑賞。髪の毛の一本一本、衣装、床、花、そして木々や山。近くで確認したい部分が沢山ありすぎる。本当はこの最前列こそ、時間をかけてじっくりと楽しみたいのですがね。。。

全体的にキッチリとしていて硬い印象。そのため、二人の柔らかく繊細な衣装の表現が際立っているように感じる。1回目と2回目を合わせて何時間この作品と向き合っていたのでしょう。一枚の作品にこれだけの時間をかけたのは初めて。閉館間際が狙い目。特に、ラスト30分!!十数人での貸切鑑賞会。最後はスタッフの人たちに追い出されるように展示室を後にしました。ヾ( ̄ー ̄)ゞ

第2会場の展示 

やはり注目すべきは特別出品の伝レオナルド・ダ・ヴィンチ作《少年キリスト像》(ローマ、ガラン・コレクション)。解説によると「均整のとれた体つき、首筋などの解剖学的な正確さ、レオナルド作品に特有の薄い眉毛、そして高い次元の感情表現などから、レオナルドの真作である可能性が高いと考えられています。《受胎告知》の大天使ガブリエルを思わせる頭髪の繊細な巻き毛、《最後の晩餐》のキリストを思わせる、やや左に傾けた頭と憂いを帯びた表情、今まさに言葉を発したばかりのように薄く開かれた唇など、絵画作品との比較が興味深い作品」とのこと。また、若き日のレオナルド自身との見方もあるそうです。言われてみると確かにレオナルドの雰囲気があるんですよね~!今まで、レオナルドというとヒゲのお爺さんのイメージが強く、若い頃の姿を想像することがありませんでした。実質的なデビュー作である《受胎告知》の展覧会にこの作品を持ってくるなんて、ホント粋な計らいですね♪
《ウィトルウィウス的人体図》の映像はとても面白かったです。8頭身の説明で、ポンッ。ポンッ。ポンッ。って感じで縦に頭が並んでいきます。なるほど~と思って見ていると、頭だけではなく、腕やその他様々なパーツでも同様に♪なんかその繰り返しが面白くて笑ってしまいました~(* ̄m ̄) ププッちなみに黄金比率は1:0.618だそうだ。ヾ( ̄ー ̄)ゞスフォルツァ騎馬像の鋳造やコウモリの羽の骨格も興味深い展示。

第2会場の展示、面白いですね~とても興味深かったです。何故か文系の世界にどっぷりと浸かってしまいましたが、もともとは理系人間で、実験とか計算とか大好きでけっこう得意でした。何か、こう、眠っているものが強く刺激されるような感じがします。ヾ( ̄ー ̄)ゞただ、この日は時間的にも体力的にもかなり厳しかったので、ゆっくりと見る余裕があまり無かったけど。
もし《受胎告知》が無かったら、この展覧会、向かいの国立科学博物館で開催されただろうな~しかも夏休みとかにぶつけたら、子供比率が凄く高そう・・・内容的には高度で難しいけど。自由研究にレオナルド・ダ・ヴィンチの人力飛行機の模型とかなかなかいけてるかも♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ

東京国立博物館(http://www.tnm.jp/

公式サイト(http://www.leonardo2007.jp/)※割引券あり

  • 図録:2000円
  • 音声ガイド:500円

チラシです。(参考までに)

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異邦人たちのパリ 1900-2005 ポンピドーセンター所蔵作品展 [07展覧会感想]

国立新美術館で開催中の「異邦人たちのパリ 1900-2005 ポンピドーセンター所蔵作品展」を観に行きました。この展覧会は国立新美術館のオープンを記念してフランスが誇る近現代美術の殿堂ポンピドー・センターの所蔵作品を紹介するものだそうで、「パリを代表する世界的な美術館の所蔵品展にふさわしく、パリに集い、パリで創作した20世紀初頭から現在までの外国人芸術家たちの作品、約200点を展示(公式サイトより抜粋)」することによって、20世紀のパリで展開した外国人芸術家の仕事とその意義をふり返るものだそうです。

~展示構成~
1.モンマルトルからモンパルナスへ:キュビスム、エコール・ド・パリ、シュルレアリスム 2.外から来た抽象:幾何学的抽象、叙情的抽象、キネティシズム 3.パリにおける具象革命 4.マルチカルチャーの都・パリ

フアン・グリス《ギターを手に座るアルルカン》はアルルカンの顔がハニワのようでかわいいですね~♪この後、東京国立博物館で本物のハニワに会いましたが、やっぱり似てました!ヾ( ̄ー ̄)ゞ
藤田は5点。レオナール・フジタ(藤田嗣治)《パリの私の部屋》という同タイトルのものが2点。どちらかというと、壁の真ん中に絵が掛かっていてその手前に犬の置物が飾られているほうが好み。《カフェにて》は昨年の藤田嗣治展(東京国立近代美術館)のもの(個人蔵)にとてもよく似ている。(※リンク先のチラシに画像(部分)があります。)頬杖をついて物思いにふけっているよう。綺麗で見応えがあります。

キスリング当たり年かな?

キスリング《若いポーランド女性(ショールを纏う女)》赤いショールがとても綺麗。背景の青、白、緑とのコントラストが見事。ショールの赤色をうまく引き立てています。デザインも繊細。キスリングの描く女性はいつ観ても上品で綺麗ですね~(^_^)今回はちょっと手がでかいけど。1月のエコール・ドパリ展(埼玉)でもキスリングの素晴らしい作品に会いました。数は少ないものの、今年はキスリングの素晴らしい作品によく会いますね~

シャガールは4点。いずれも見応えのあるもの。マルク・シャガール《墓地の門》青の濃淡がとても綺麗。色の組み合わせ方がうまいですね、幻想的な雰囲気を醸し出しています。でも、墓地。しかも、シャガールはユダヤ人。いろいろと複雑な思いがあるんだろうなぁ。。。部分的にキュビスムはいってるね~キャーq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャー《エッフェル塔の新郎新婦》はチラシの表にある綺麗な作品。描かれているのはシャガールとその妻ベラ。シャガールのベラに対する優しさが溢れている。しかし、時代が時代だけにとても切ない。右下に描かれているのは生まれ故郷の町並み。左下は二人の結婚式の様子。《戦争》も切ない。。。シャガールの作品はどれもみな、ストレートに心に響く。シャガールの作品を観ると、何故か、いつも、映画「戦場のピアニスト」を思い出す。あれはポーランドだったけど。ジョアン・ミロは《絵画》というタイトルのものが2点。やっぱりミロの作品はかわいい。いずれも青色。色が濃い縦バージョンの方が特に良かった♪

フランティシェク・クプカ《動きのある線》《線、平面、空間 Ⅲ》会場の作品解説によると「主題にとらわれない絵画固有の世界を探求」し、「垂直と円環に還元された形態を音楽的法則に従って配列する独自の抽象絵画」を確立したそうだ。いずれも、見応えのあるもの。こういう作品大好きです、観ていてとても楽しい♪カンディンスキーよりも良かった!!(≧▽≦)b
カンディンスキーは2点。ヴァシリー・カンディンスキー《相互和音》はチラシにも掲載されているもの。公式サイトの作品解説によると「晩年のパリ時代の代表作」だそうです。「左右対称の構図や幾何学的な形態と有機的な形態との響き合いが見どころ」とのこと。解説を読むと余計わかりません・・・(^_^;)見たまんまですが、純粋に優しくかわいい。3色の色分けも面白いですね、透明感というか伸びやかな感じ。それでいて立体感がある。ロベール・ドローネーの妻、ソニア・ドローネーは《シベリア横断鉄道とフランスのプティット・ジュアンヌの散文詩》《リズム》《コンポジション》の3点。いずれも見応えのある素敵な作品。ロベール・ドローネー風!?

天井からぶら下がっている作品が面白かった!

アレクサンダー・コールダー《フィッシュボーンズ》《1月31日》は会場の作品解説によると「空気の流れによって動き、刻一刻と表情を変える」そうだ。これは面白いです♪(^o^)丿特に、壁にできる影の変化は見応えがあります。ぶら下がっているのをみると、とてもゆっくりとした動きだが、影の変化のしかたはとても早く、その影が展示室のの作品に視覚的な動きを与えている(たま~に邪魔に感じる時もあるけど・・・)この天井からぶら下がっているものを作品として認識していない方が多数いらっしゃいました。気づかずに、壁面の絵画のみを鑑賞して、素通り。ちょっともったいないですよね♪私が、がぁ~って感じで真上のを見上げていたら、「ん?」と上を見て、そこで初めてその存在に気づいたという方を何人も見かけました。作品とともに人間ウォッチング!?(ここでじっくりと時間をかけていたのは私ぐらいでしたから・・・(^_^;))まぁ、注目されなくても仕方ないかなー、ロフトやハンズでインテリアとしてふつ~に売ってそうですし・・・

積極的に楽しもう

アガム《ダブル・メタモルフォーゼ Ⅲ》「異なるイメージが描かれた三角柱の2辺の連なりによるレリーフ状の絵画」で、「三角柱の稜線を目線が超えると目に見えるイメージが変化」する。先ほどの天井の作品は作品自体が動いていましたが、この作品は積極的に鑑賞者が動くことでその視覚的変化を楽しむもの。これはホント面白いですね~(≧▽≦)b右から見たり、左から見たり、何度も繰り返しました!!大好きです♪(^_^)

ポル・ビュリ《9平面状の81個のボール》は滑り台のようなところにピンポン玉のようなボールが不規則に並べられているもの。おっ、動いた!!ヘスス=ラファエル・ソト《開かれた空間》錯視効果により動いているように見えるそうだ。あちゃ~、目が回る~((◎)_(◎))

これら一連の作品をキネティック・アートというそうです。現代アートは理解しようとする事自体が無駄。純粋に楽しみましょう♪
キネティック・アート(kinetic art)とは、動く美術作品または動くように見える美術作品のこと。 ただし、映画やアニメーションなどは、通常はキネティック・アートとはされない。 カイネティック・アートと呼ばれることもある。(ウィキペディアより)

写真は見応え十分

写真の展示が多数ありましたが、その中でもマン・レイ 、ブラッサイ、イジス、トーレ・ヨーンソン、田原桂一のものが素敵でした。構図とか専門的なことは全くわかりませんが、メッセージ性の強いものが多いように感じられ、惹きつけられるものがありました。 

エコール・ド・パリ、シュルレアリスムの作品は前半のみでそれほど多くはありませんでしたが、埼玉県立近代美術館で鑑賞した1月のエコール・ド・パリ展3月のシュルレアリスム展の集大成のよう。2月にオルセー美術館展とのハシゴのはずが、結局会期末。結果的にはこれがプラスに作用して、作品世界により深く入っていくことができました。エコール・ド・パリ展もシュルレアリスム展も興味があったから鑑賞したわけで、決して、決して、この展覧会の予習のために鑑賞したわけではありませんよっ!ちなみに、近いからという理由で観に行ったわけでもありません。。。(何をフォローしてるんだか・・・ウーム (; _ _ )/)
現代アートはよくわかりませんでした~...((((ノ^^)ノ ウヒョヒョヒョ (o_ _)oドテッアーティストの紹介ばかりで作品解説が少なかったとの噂も一部でありますが、やはり、音声ガイドを借りるべきだったかな~(^_^)それでも、まぁ、それなりには楽しめたかな。特に、アガム《ダブル・メタモルフォーゼ Ⅲ》は必見!展示場所が結構ビミョーなので見落としてしまいそうです、ご注意を!!
既に鑑賞された方が「作品リストが無いとおっしゃっていたので、公式サイトの作品リストを印刷して持参したところ、作品リストがありました~!でも、セクション番号だけで通し番号(作品番号)がありません。。。作品リストにメモ書きを入れる際、キャプションにある通し番号に基づいて作品リストと照合していますが、番号が無いのでリストから探し出すのに一苦労。。。当然、面倒なのでメモ書きは省略しまくり。。。ウーム (; _ _ )/帰宅後、持参したリストを何気なく見ていると、そちらには普通に番号が・・・・・_| ̄|○

 

国立新美術館(http://www.nact.jp/

公式サイト(http://www.asahi.com/pompidou/)※割引券&図録の通販あり

  • 図録:2500円
  • 音声ガイド:500円

チラシです。(参考までに)

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大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産 [07展覧会感想]

国立新美術館で開催されている「大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産」を観に行きました。この展覧会は国立新美術館の開館を記念して企画されたもので、「フランスのオルセー美術館が所蔵するモネの名作をはじめ、アメリカのメトロポリタン美術館、ボストン美術館など、国内外の主要なコレクションから100点近いモネの作品が一堂に会する世界的にも稀にみる大規模なモネ展となります。さらに、モネの影響を受けた現代作家たちの作品を、モネの“後継者”として約20点展示します。(公式サイトより抜粋)」とのこと。

~展示構成~
第1章:近代生活 第2章:印象(光、階調、色彩) 第3章:構図(簡素、ジャポニズム、平面的構成、反射映像) 第4章:連作(リズム、形態、変化、移ろい) 第5章:睡蓮/庭(筆触、綜合) 資料展示:モネを訪ねた日本人

《読書をするシュザンヌと描くブランシュ》(ロサンゼルス美術館蔵)展示室に入ると、いきなりチラシの表にある《日傘の女性》(オルセー美術館蔵)が目に飛び込んできました!!Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!しかもその隣りにはオルセーの下に影があるバージョン、《日傘の女性:デッサン》(吉野石膏株式会社蔵:山形美術館寄託)が!!最初から飛ばし過ぎじゃないの!?と面食らってしまいました!影のあるバージョンのA4サイズの額絵が私の部屋に飾ってあります。今回、影のないバージョンのA4サイズの額絵(300円)を購入しました。近々、並べて飾る予定です♪ちょっとオルセーっぽいかな~なんてヾ( ̄ー ̄)ゞこの作品は随所に置かれているピンクがポイントでしょうか。特に女性のドレスの白だけど白じゃない感じ。光や風を感じることのできる素晴らしい作品です。《読書をするシュザンヌと描くブランシュ》(ロサンゼルス美術館蔵)鮮やかな緑が印象的。先日モネの画集を開いた時にとても気になった作品の一つ。まさか実物を観る事が出来るとは思っていなかったので、ビックリしました。《日傘の女》といい、初っ端から驚きと感動の入り混じった何ともいえない複雑な心境です。《ゴーディベール夫人》(オルセー美術館蔵)は落ち着いた色合いのもの。ドレスの光沢、質感は見応えがあります。近くで観るとベタッとした感じでしたが、離れるにつれてシルクやサテンのような柔らかい綺麗な光沢へと変わりました。
《ヴェトゥイユ》(トリトン財団蔵、オランダ)《かささぎ》(オルセー美術館蔵)《ヴェトゥイユ》(トリトン財団蔵、オランダ)は明るい色彩ではあるが、穏やかな優しい作品。なんかモネにしてはえらく細かいな~(^_^;)ちなみに、同構図の予備的な作品がオルセーにあるそうです。あるんなら持って来いよ。。。《かささぎ》(オルセー美術館蔵)は今回とても楽しみにしていた作品。パッとみのインパクトはそれほどありません。タイトルはかささぎですがかささぎはちっちゃいです(笑)ここでモネが描きたかったのは、かささぎではなく、雪景色。それも光の変化。白だけど白じゃない。白じゃないけど白。モネの光に対する繊細な感覚が見事に表現された素晴らしい作品。

モネの庭はお花畑♪

《アルジャントゥイユのモネの庭》(ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵)《庭のカミーユ・モネと子供》(ボストン美術館蔵)《ジヴェルニーのモネの庭》(ビュルレ・コレクション蔵、スイス)《ジヴェルニーのモネの庭、アイリス》(オルセー美術館蔵)は、いずれも綺麗な花がたくさん咲き誇る素敵な作品。スイスのものは距離を置いての鑑賞をおすすめします。(えっ、全部そう!?)
《ポール=ドモワの洞窟》(茨城県立近代美術館蔵)は海が本当に綺麗。この緑と青が織り成す絶妙なハーモニーは心に優しく浸透する感じ。《ポルト・ダヴァルと針岩》(島根県立美術館蔵)は海の色の変化が素晴らしい。《アンティーブ岬》(愛媛県美術館)もいいね~

《ルエルの眺め》(丸沼芸術の森蔵、埼玉県立近代美術館寄託)《ルエルの眺め》(丸沼芸術の森蔵、埼玉県立近代美術館寄託)モネ17歳の作品。1月に埼玉県立近代美術館の常設展示で久しぶりに鑑賞したもの。3月に行った時はありませんでしたが、まさか、ここで会うとはねぇ・・・(^_^)/よっ、久しぶり!!会場では『写真みたい~!!』と驚きの声を上げている方が多数いらっしゃいました。他の名だたる作品の中でも存在感十分で、注目を集めていました。なんだか埼玉県民としては嬉しいゾ♪埼玉県立近代美術館では、代表作の《積みわら》とともに何時間でも好きなだけ観られるんですけどね~、しかも独占状態で♪(チョット鼻高々!?)
ちなみにこの作品、背景にはポプラ並木が描かれています。

《エプト川の釣り人》(個人蔵、国立西洋美術館寄託)《ヴェルノンの教会の眺め》(吉野石膏株式会社蔵、山形美術館寄託)《エプト川の釣り人》(個人蔵、国立西洋美術館寄託)は昨年から国立西洋美術館で公開されているもの。図録の解説によると《読書をするシュザンヌと描くブランシュ》で白いドレスに茶の上着をはおっている彼女と同じ服装であることから、かろうじてシュザンヌであることが識別できる」そうだ。なるほど~、それで画集の《読書を~》観た時に凄く気になったわけですね。《エプト川~》を常設展示で観た時に感動してこの作品について詳しく知りかったのですが、何も情報がなくてずっと気になっていました。図録の解説は詳細でとても興味深く、これだけで『図録を買ってよかった~(^o^)丿』という感じ。点と点が線になったような清々しさ♪会場でこれを読んだときの充実感は300%!!《ヴェルノンの教会の眺め》(吉野石膏株式会社蔵、山形美術館寄託)も綺麗な見応えのあるもの。水面に映りこむ光の描写はとても繊細。優しさが伝わってきます。《セーヌ川の朝、霧》(個人蔵)はボヤボヤ。のどかだな~

《大運河、ヴェネツィア》(ボストン美術館蔵)《大運河、ヴェネツィア》(ボストン美術館蔵)はとても綺麗な見応えのあるもの。この作品の前でどれだけの時間を費やしたことか。ブリヂストン美術館の《黄昏、ヴェネツィア》を持ってきて隣りに飾ってくれよ~!とちょっと物足りなさを感じつつ、ふと後ろを振り返ると、そこには《黄昏、ヴェネツィア》(石橋財団ブリヂストン美術館蔵)が!Σ( ̄口 ̄;;メチャメチャビックリしましたよ~!!!!!作品リストをちゃんとみろっ!と怒られてしまいそうです(笑)おそらく、その時の私の顔はムンクの叫びのようになっていたと思われます・・・ヾ( ̄ー ̄)ゞ

贅沢な小部屋!!ルーアン大聖堂2点、ポプラ並木の連作3点、積みわら4点。

《ポプラ並木の下で、晴天》(州立美術館蔵、シュトゥットガルト)《ポプラ並木の下で、晴天》(州立美術館蔵、シュトゥットガルト)はある意味、美味しいとこどりの作品。日傘を指す女性にポプラ並木にお花畑!?特にこの作品の場合は、全体的に用いられている青色が綺麗。他の作品でも観られるように、葉に青色を用いています。そして、連作。《エプト川のポプラ並木、風の日》(オルセー美術館蔵)《ポプラ並木、秋》(フィラデルフィア美術館蔵)《エプト川のポプラ並木》(イセ文化基金蔵)はいずれも見応えがあります♪贅沢を言うと、国立西洋美術館のポプラ並木も一緒に観たかったな~

 《エプト川のポプラ並木、風の日》(オルセー美術館蔵) 《ポプラ並木、秋》(フィラデルフィア美術館蔵) 《エプト川のポプラ並木》(イセ文化基金蔵)

この角地は結構美味しい展示方法かも♪

《積みわら、雪の朝》(ボストン美術館蔵)《積みわら、夏の終わり、朝》(オルセー美術館蔵)角地の左に《積みわら》(大原美術館蔵)《ジヴェルニーの積みわら、夕日》(埼玉県立近代美術館蔵)、右に《積みわら、雪の朝》(ボストン美術館蔵)《積みわら、夏の終わり、朝》(オルセー美術館蔵)がそれぞれ並べて展示されていました。立ち位置よっては、積みわらに囲まれる感じ。大原のを持ってきたんなら、ポーラのも持って来いよーと言いたくもなりましたが、ボストンとオルセーの作品をメインに考えての展示だと思います。そんな中で、埼玉の積みわらが異彩を放っておりました!《ジヴェルニーの積みわら、夕日》(埼玉県立近代美術館蔵)まず、ド派手な色彩が目を惹きます。そして、描き方。これを観ると、他の3点は描き込みすぎだな~と感じてしまいます。こう見えても、埼玉のものは、結構、薄塗りなんですよね。また、背景と積みわらとの絶妙なバランス。ボストン、オルセーの積みわらのてっぺんは空に突き出ることなく背景の山の稜線の中に収まっていますが、埼玉のものは収まっていません。ボストン等の場合はコレが突き出てしまうと積みわらが主張しすぎて、光の描写が潰れてしまいますが、埼玉のものはその光の描写が強いために積みわらもしっかりと自己主張しないと負けてしまいます。それを意識したものでしょうか、その突き出たてっぺんに緑を取り入れています。こうして並べるといずれも見応えがありますね。また、この作品は常設展示で観るよりリラックスして活き活きとしているようでした。常設では、孤軍奮闘とは言わないまでも、肩肘を張ってかなり頑張っている感じがしますが、ここでは友達と一緒という感じでリラックスしていてとても気持ち良さそうでした♪(^_^)1ヶ月前とは随分と印象が違いますね。それにしても美味そうなモンブランがいっぱいだ!!(^¬^)ホント、うまそ~

《ルーアン大聖堂、正面とサン=ロマン塔》(オルセー美術館蔵)《霧のルーアン大聖堂》(青山ユニマット美術館蔵)が並べて展示されていました。オルセーのものは、コントラストが強く、青山のものはコントラストが弱い。最初、青山のはボケボケで観ていて疲れるからオルセーの方がいいなぁ~と思って観ていましたが、ずぅ~っと眺めて観ていると、距離を置いた時に青山のほうが、せり出してくるような、浮かび上がってくるような、とても面白い瞬間がありました♪こうなると、もうオルセーのものはつまらなくなってしまいます。。。もちろん、ともに素晴らしい作品ですよ!

《サン=ラザール駅》(オルセー美術館蔵)《サン=ラザール駅の線路》(ポーラ美術館蔵)もなれべて展示されていました。キャーq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャー箱根のポーラ美術館で鑑賞した時、オルセーのものと並べて観たいよな~と思っていました。《チャリング・クロス橋》(メナード美術館蔵)《テムズ川のチャリング・クロス橋》(吉野石膏株式会社蔵、山形美術館寄託)《テムズ川のチャリング・クロス橋》(リヨン美術館蔵)も見応え十分。これぞ連作の醍醐味!!

睡蓮の部屋は圧巻!!

《睡蓮の池》(ボストン美術館蔵)《ジヴェルニーの池の片隅》(グルノーブル美術館蔵)《睡蓮の池》(ボストン美術館蔵)ポーラ美術館のものに赤色が加わって派手になったような感じ。「この作品の構図や橋と池の形態の発想源には歌川広重の《名所江戸百景 亀戸天神》がしばしば指摘される」とのこと。大好きな《黄色いアイリス》(国立西洋美術館蔵)はとても艶やか♪国立西洋美術館よりも照明が明るいため、とても輝いて見えました。《ジヴェルニーの池の片隅》(グルノーブル美術館蔵)「日本風の橋のある場所と反対に位置する、睡蓮の池の北西のほとり」を描いたものだそうです。ちょっとゴチャゴチャした感じがありますが、面白かったです。モネの早いタッチ、大好き!!《藤》(マルセル・ドッサル美術館蔵、ドルー)は100×200cmと横長の大きな作品で1点もの豪華展示。紫がとても綺麗で見応えがあります。ソファーに座ってのんびりと鑑賞。

《睡蓮》(鹿児島市美術館蔵)《睡蓮》(和泉市久保惣記念美術館蔵)《睡蓮》(鹿児島市美術館蔵)『いつか観に行ってやる~』と心に誓った作品。いや~、まさかここで会えるなんて全く考えもしませんでしたよ!!v(≧∇≦)v イェェ~イ♪《睡蓮》(ポーラ美術館蔵)はお気に入りのひとつ。04年モネ・ルノワールと印象派展(Bunkamuraザ・ミュージアム)、05年ポーラ美術館展(箱根・ポーラ美術館)、06年ポーラ美術館の印象派展(Bunkamuraザ・ミュージアム)と続き、4年連続鑑賞達成です♪4年連続なんて、ご縁があるのでしょうか?(*^^*) フフ《睡蓮》(群馬県企業局寄託作品、群馬県立近代美術館)は久しぶり。この作品は離れてぼんやりと鑑賞した方が面白いです♪どちらかというと通好みかな。そういう意味では《睡蓮》(北九州市立美術館蔵)も。これに対し《睡蓮》(ホノルル美術館蔵)は万人受けしそう。しかもでかい!!《睡蓮》(和泉市久保惣記念美術館蔵)は縦長の睡蓮。1903年から1908年にかけて制作された《睡蓮》の第2連作では、1907年にこの縦長の作品が15点ほど制作されたそうです。「・・・縦長のカンヴァスで、大きさ、構図、そして、睡蓮の葉や樹木の陰の位置もほぼ等しい」とのこと。おいっ、ブリヂストン美術館の睡蓮はどうしたーっ!!それに川村記念美術館の睡蓮も。(今度は後ろを振り返ってもありませんでしたよっ!)以前、ブリヂストン美術館のポストカードを握り締めて川村記念美術館に遠征したことがあります♪

やはりマルモッタン美術館の3点は別格!!(≧▽≦)b

《日本風太鼓橋》(マルモッタン美術館蔵)《ばらの小径》(マルモッタン美術館蔵)《モネの家》(マルモッタン美術館蔵)はフォーヴのような派手な色彩、対象の原形をとどめないその描き方は、抽象絵画の幕開けを予感させる。《日本風太鼓橋》《ばらの小径》は04年のマルモッタン美術館展(東京都美術館)で鑑賞したもの。《モネの家》は04年の時に鑑賞したものに似ているけれどちょっと違う。今回の方が好きかな。「両目の白内障が悪化したため、1923年、モネは2度の手術を受けなければならなかった。本作品は、手術を受ける以前、ほとんど盲目状態にあった時に描かれているが、失明の危機の最中にあって記憶に頼らなければならない時でも、モネは自然観察により光と色彩を追求する姿勢を放棄することはなかった。結果として、本作品のように空間のイリュージョンは喪失し抽象化へと向かい、印象主義を超えて、秩序をもった色の組み合わせが追おう『オールオーヴァー』な画面に到達している」とのこと。いずれも、力強さというか、生命力を感じさせる、とても魅力的な素晴らしい作品。

 《日本風太鼓橋》(マルモッタン美術館蔵) 《ばらの小径》(マルモッタン美術館蔵) 《モネの家》(マルモッタン美術館蔵)

『モネの遺産』として、スーラから堂本尚郎まで23人の作家による作品が随所に展示されていました。ジョルジュ・スーラ《グランカンの干潮》(ポーラ美術館蔵)は何度観てもいいっすね!ダン・フレイヴィン《無題(レオ、君のために、長年の敬意と愛をこめて)2》(バルバラ・ベルトッツィ・カステリ所蔵)の蛍光灯の作品は面白かったです。これは作品に近寄って、横から後ろ側もしっかりチェックしましょう!(≧▽≦)bまさかモネ展でジャクソン・ポロック、サム・フランシスに会えるとは思いませんでした。ジャクソン・ポロック《コンポジション No.16》(フリーダー・ブルダ美術館蔵、バーデン・バーデン)サム・フランシス《無題》(出光美術館蔵)は良かったです。でも、私にはモネとの関連性が見出せませんでした。。。(^_^;)そして、堂本尚郎《蓮池 無意識と意識の間》(作家蔵)は優しく心地よい作品。なんかわかる気がする・・・ホントかな~!?

17歳の時に展覧会初出展となった若々しい作品から晩年の白内障との闘病生活まで、モネの画業・人生を網羅したかのような素晴らしい展覧会。最初から最後までメインディッシュ!?と思うほどにホント凄い作品が揃っていて感動と驚きの連続でした!キャーq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャー その中で特に印象的だったのは国立西洋美術館とポーラ美術館の作品。今回展示されていないものを含め、質の高い作品が揃っていますからね!!西美の常設なんて普段はすかすかですからね~、もったいない、もったいない♪ヾ( ̄ー ̄)ゞまた、埼玉県立近代美術館の作品が2点とも展示されているのには驚きました!しかも、これだけの作品が揃う中で全く埋もれることなく、むしろ注目を集めている!O(≧∇≦)O イエイ!!
正確に数えてはいませんが、おそらく半数近くは今までに観たことのあるもののように感じました。それでも、初見のような感動の繰り返し。さすが開館したばかりの国立新美術館、照明もいいですね~(^o^)丿朝イチだったため、チケット売り場で並ぶは、入場制限に引っかかるはで、鑑賞前に不安がよぎりましたが、展示室が広くてゆったりとしていたため、人はたくさんいましたがそれほど混雑しているようには感じませんでした。展示室を出たときはお昼ということもあって、入場待ちの人はいませんでした。ポンピドー展鑑賞後も待ち時間無しのようでしたので、「ポンピドー展を先に観ればよかったかな~」なんてちょっと思ったりヾ( ̄ー ̄)ゞ
作品リストを数えてみたところ、寄託作品や他の作家のものも含め、国立西洋美術館の作品は4点、ポーラ美術館のものは5点、ボストン美術館は6点でした。もっといっぱいあるように感じたのですが・・・まぁ、似たようなのがいっぱいあったから・・・(^_^)そして、とてもビックリしたのは、オルセー美術館の作品が18点も!!Σ(ノ°▽°)ノハウッ!確かにオルセー美術館の共同企画ではあります。でも、先日まで上野でオルセー美術館展が開催されていましたからね~、こんなにいっぱい持ってきちゃって本当ににいいの~???という感じでした。いくつかの作品はまだ展示されていませんでしたので、作品が揃う6月以降にもう一度鑑賞したいと思います。その頃には驚くほど混雑していそうですが、それでも観に行くだけの価値があります。この展覧会、1度観ただけで終わりなんてもったいなすぎますよ!(≧▽≦)b

  • 図録:2300円
  • 音声ガイド:500円

国立新美術館(http://www.nact.jp/

公式サイト(http://monet2007.jp/)※図録の通販あり
画像も多数あります♪

展示替え情報
6/4迄 泉屋博古館分館所蔵《サン=シメオン農場の道》《モンソー公園》
4/25から 埼玉県立近代美術館所蔵《ジヴェルニーの積みわら、夕日》
5/9から 財団法人ひろしま美術館所蔵《セーヌ川の朝(ジヴェルニーのセーヌ川支流)》←本命
5/17から 福島県立美術館所蔵《ジヴェルニーの草原》
6/6から ルーアン美術館所蔵《ヴェトゥイユの村》《セーヌ川、シャントゥメッスルの高台からの眺め》

チラシです。(参考までに)

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シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅 [07展覧会感想]

埼玉県立近代美術館で開催されていた「シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅」を観に行きました。この展覧会は20世紀の革命的な芸術運動であったシュルレアリスムに焦点をあて、その代表的な西洋の美術家約30名をとりあげてシュルレアリスムをわかりやすく紹介し、その全体像を読み解いていくものだそうです。岡崎市美術博物館、宮崎県立美術館、姫路市立美術館のコレクションを中心に、国内の主要な所蔵美術館が協力・連携して全国5会場を巡回するもので、ダダから後期シュルレアリスムまで、重要でありながら、これまで日本ではほとんど紹介されなかった西洋のシュルレアリスム作家が網羅されている点が大きな特徴とのこと。
「超現実(シュルレアル)」に希望を託しつつ、純粋な生を求めて様々な表現を試みたシュルレアリスム。その本質について改めて触れることは、今日、私たちが現実をより豊かなものにして、生き抜いていくための大切な手がかりを与えてくれるに違いありません。(公式サイトより抜粋)

~展示構成~
序章:ようこそシュルレアリスムの世界へ(シュルレアリスム(超現実主義)とは? シュルレアリスムの夜明け) 第1章:意識を超えて 第2章:心の闇 第3章:夢の遠近法 第4章:無垢なるイメージを求めて ポートレイト

チケットマックス・エルンスト《ポーランドの騎士》(愛知県美術館蔵)青色や白色がとても綺麗で幻想的な作品でした。サイズもなかなか。見応えがあります♪《風景》、《森》(ともに岡崎市美術博物館蔵)は過去に観たことのあるもの。エルンストは1920年代後半から30年代前半にかけて森をテーマとして頻繁に描いていたそうです。ちなみに《森》はとてもよく似たものをニューヨーク・グッゲンハイム美術館展(Bunkamura:2004)でも鑑賞しています。( ̄ー ̄)v
アンドレ・マッソン《ジェネシスⅠ(起源)》(諸橋近代美術館蔵)《庭師》(宮崎県立美術館蔵)はとても対照的な作品。まず、《ジェネシス~》は茶系をメインとしたもので、映画のワンシーンみたいで宇宙を連想する。なんかスピード感がありました。《庭師》は明るい色彩の優しい作品。最初、何が描かれているのかよくわかりませんでした。!Σ( ̄□ ̄;)チョット離れてみるとさらさらと描かれた感じの人の輪郭が浮かび上がってきて。。。O(≧∇≦)O イエイ!!

サルバドール・ダリ《ダンス(ロックンロールの七つの芸術)》(諸橋近代美術館蔵)は今回とても楽しみにしていた作品。以前、この作品を観たくて諸橋近代美術館に出かけようと真剣に考えた時期がありました。結局実現しませんでしたが。。。人物が『DALI』と形作っています。ダブル・イメージって奴ですね!おぉ~何だこの作品は!う、腕が~(^_^)/作品解説によると右腕だそうですが、手首、手のひらの向きを考えると左腕じゃないの~???と突っ込みたくなります。昨年のダリ回顧展でもそうでしたが、ダリの作品を複数鑑賞する時に、その都度細部まで詰めていくと激しく頭が混乱して。。。ハハハ♪ (*’▽’)(壊れた?)《反プロトン的聖母被昇天》(諸橋近代美術館蔵)も見応えのある作品。混沌というか複雑系というか(同じか・・・)鳩がいますね~、でも逃げ出していくような、見捨てていくような。。。おそらく鳩は平和の象徴として描かれたものだと思います。つまり、その鳩が逃げていくということは。。。_| ̄|○《ダリの太陽》(岡崎市美術博物館蔵)は最後の自画像だそうです。ほほ~という感じです(笑)

デルヴォー大好き♪ やはり大本命はポール・デルヴォー

ポール・デルヴォーは7点。《森》(埼玉県立近代美術館蔵)はお気に入りの作品です。(≧▽≦)bこの作品は他の作品に比べ若干照明が落としてあったように感じます。(暗い色彩だからそう感じただけかな?)数年前に常設展示室で足元の毛虫?たわし?のお化けのような作品戸谷成雄《「森」シリーズ-湿地帯》につまづきそうになるぐらいにバッチリ照明を落とした時の展示は、展示室そのものがデルヴォーの絵画世界のようで、絵画の中に自分が入り込んだような錯覚に陥ってめちゃめちゃ感動したんですがね。。。(ひんやりとした空気がチョット不気味で背筋がゾクゾクしたけど。。。(^_^;))今回の展示もなかなかよかったと思います。少なくとも、1月に常設展示室でバッチリ照明の中で印象派とともに観たマイナスのイメージは払拭されました♪《海は近い》(姫路市立美術館蔵)はチラシの裏に掲載されていてとても楽しみにしていた作品の一つ。ありそうでない不思議な世界。果てしなく続いていくような奥行きと綺麗な優しい青色・白色にうっとり。《乙女達の行進》(姫路市立美術館蔵)は行進というより操られてどこかに向かっているよう。斜め後ろからの描写。顔が描かれていないからかもしれないが、生気が感じられない。このひんやりとした感覚はデルヴォ-ならでは。《アレジア》(姫路市立美術館蔵)はエッチングかと思った。《水のニンフ(セイレン)》(姫路市美術館蔵)も見応えのある作品♪

さすがマグリット、見応え十分!!

ルネ・マグリットは7点。《現実の感覚》(宮崎県立美術館蔵)はチラシの表を飾っている作品。この作品も以前観た記憶があります。何度観ても、やっぱりラピュタみたいですね~(=^_^=) ヘヘヘ丁寧な作品解説は確かにその通り、でも。。。(/ー\*) イヤン♪《白紙委任状》(宮崎県立美術館蔵)はチケットのデザインに採用されているもの。面白いですね、絵解きをすると頭が激しく混乱しますが。

ミロの作品は可愛くて楽しい♪...((((ノ^^)ノ ウヒョヒョヒョ (o_ _)oドテッ

まず、前半の展示では、ジョアン・ミロ《恋人たち》(株式会社フジテレビジョン蔵)に心酔しました。このグレーを主体とした作品はホントかわいいですよ~♪キャーq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャー宇宙人のようなヒョロヒョロの不思議な人物。一筆書きのようにすらすらと描かれていますが、かなり計算されているようにも思えます。(でもシュールだから計算はしていないんだろうな。。。)作品の前にあるふかふかソファーに座ってのんびりと鑑賞。出来れば、紅茶でも飲みながら楽しみたい作品ですね。この作品は以前観た事があります。『何時、何処で、誰と、』観たのかは、全く覚えていませんが。。。
後半の展示では、ジョアン・ミロ《人物》(姫路市立美術館蔵)《夜の中の女たち》(財団法人セゾン現代美術館蔵)《女と鳥》(三重県立美術館蔵)《雑貨商》(おかざき世界子ども美術博物館蔵)《ポール・エリュアール『あらゆる試練に耐えて』の挿絵》(うらわ美術館蔵)《マキモノ》(町田市立国際版画美術館蔵)といった、まさにミロ尽くし。いずれも可愛い見応えのあるもの。《人物》《夜の中の女たち》は特にお勧めかな。《逃亡を夢見る少女》(岡崎市美術博物館蔵)というブロンズもありました。

クルト・セリグマン《バルコニーⅢ(集会)》(宮崎県立美術館蔵)は病んどるなぁ~という感じです(笑)でもこれって見入っちゃうんですよね!(はい、私もかなり病んでいるようです・・・)ドロテア・タニング《日曜の午後》(宮崎県立美術館蔵)はピアノを弾いている場面を描いたもの。神が降りて来るというか、魂が昇っていくというか。。。幻想的かつ神秘的で、見応えのある作品。今日一番の掘り出し物かも。v(≧∇≦)v イェェ~イ♪オスカル・ドミンゲス《地獄の機械》(宮崎県立美術館蔵)も見応えのある面白い作品。ロベルト・マッタ《吸引の芽》(宮崎県立美術館蔵)も見応えのある大きな作品。心地よく展示室を後にすることが出来ました。
それにしても、宮崎県立美術館、なかなかいいものを持っとるね~(^_^)/

ポール・デルヴォー、ルネ・マグリット、ジョアン・ミロ、のシュール3本仕立てという感じですね!(ダリもかな!?)「軸がシッカリとしていてほとんどぶれない」といった感じの堅実な展覧会。構成がしっかりとしていてとても観易いです。でも、やっぱりシュール、会場全体が病んどるな~といった感じです(笑)そんな中で、ミロの可愛い作品がアクセントとなって和やかで優しい雰囲気を醸し出しているようでした。ちなみに、会場も病んでいましたが、私も花粉症で激しく病んでいて「きっついな~」という感じでした。(おかげで図録の値段をチェックし忘れました。。。)
埼玉県立近代美術館の所蔵作品以外のものでも、観たことのある作品が多くてちょっと新鮮さに欠けましたが、国内にこれだけ質の高いシュールの作品が、しかもたくさんあったということに驚きました。O(≧∇≦)O イエイ!!宣伝が地味ですよね、都内の主要美術館で大々的な宣伝とともに開催していたら、今の3倍は人出が見込めるのではないでしょうか、もったいないですね~
おかげでじっくりたっぷり楽しめましたけどね♪(≧▽≦)b

埼玉県立近代美術館(http://www.momas.jp/

美術館連絡協議会(http://event.yomiuri.co.jp/jaam/shows/s_023.cfm

 

チラシです。(参考までに)

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国立西洋美術館 ~その3~ [07展覧会感想]

この日は、オルセー美術館展(東京都美術館)鑑賞後ということもあり、
オルセー美術館展に展示されていた画家の作品を中心に鑑賞しました。

印象派好き。しかも、点描大好き人間です。(^_^)
近寄って色の並び方をチェックしてみたり、離れて全体を見渡したり。
この作品の前で30分以上立ち尽くしたこともあります。


ポール・シニャック《サン=トロペの港》

 

オルセー美術館展では、モローの素晴らしい作品に出会いました。
ということで、国立西洋美術館でもモローの作品とじっくりと向き合ってきました。


ギュスターヴ・モロー《牢獄のサロメ》

この衣装を見るたびに、地獄の門 恨みの門のお姉ちゃんを連想します(^_^;) 
常設展鑑賞後に地獄の門をはじめとした前庭の作品群を鑑賞するのが、
私の一般的な鑑賞パターンとなっております。。。
 

こちらは過去に一度だけ観た事のある作品。


ギュスターヴ・モロー《聖なる象》

水彩ですからね~、いつ展示されるのかは不明・・・
もう一度みたいですね!

 

 ギュスターヴ・モロー《ガラテア》(オルセー美術館蔵) ギュスターヴ・モロー《ガラテイア》(ギュスターヴ・モロー美術館蔵) ギュスターヴ・モロー《一角獣》(ギュスターヴ・モロー美術館蔵)
【左】ギュスターヴ・モロー《ガラテア》(オルセー美術館蔵)
【中】ギュスターヴ・モロー《ガラテイア》(ギュスターヴ・モロー美術館蔵)
【右】ギュスターヴ・モロー《一角獣》(ギュスターヴ・モロー美術館蔵)
 

そのオルセー美術館展で鑑賞したものが左の板に描かれた油彩画。この作品の水彩によるものがギュスターヴ・モロー展に展示されていました。といっても、前期のみの展示だったため後期に鑑賞した私は見ることが出来ませんでしたが・・・
女性の綺麗なポーズがよく似ているものが、モロー展ではチラシの表を飾っていた一角獣。

※ギュスターヴ・モロー展の感想記事はこちら

 

こちらは、ゴッホ。


フィンセント・ファン・ゴッホ《ばら》

悪い作品ではないけれど、イマイチ地味なんだよな~(^_^;)
華やかさがね・・・

西洋絵画の巨匠 (2)   ゴッホ

西洋絵画の巨匠 (2) ゴッホ

  • 作者: 圀府寺 司
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/02/14
  • メディア: 大型本

 

そして、オルセー美術館展のチラシを飾った作品。
旧松方コレクションのひとつ。


フィンセント・ファン・ゴッホ《アルルのゴッホの寝室》(オルセー美術館蔵)

はぁ。。。この作品が西美の常設にあったらなぁ。。。

オルセー美術館展が終わったら上野に置き忘れていってくれないかな~(^_^;)

※オルセー美術館展の感想記事はこちら

 

『国立西洋美術館 ~その1~』はこちら

『国立西洋美術館 ~その2~』はこちら

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国立西洋美術館 ~その2~ [07展覧会感想]

国立西洋美術館の常設展示を鑑賞しました。
企画展のついでということが多いのですが、毎年3,4回は鑑賞しています。
にもかかわらず、1度も記事にしていませんでした。。。(^_^;)
最近、作品解説が徐々に添えられるようになりましたね。
(私もくどいほどアンケートでリクエストしていました♪)

まずは、ブリューゲルの鳥罠。
昨年のベルギー王立美術館展の時に参考展示されていたもの。

 
ピーテル・ブリューゲル[子]《鳥罠のある冬景色》
 この作品は、ピーテル・ブリューゲルの長男で、同名の父の作品を模写したことで知られるピーテル・ブリューゲル(子)のものです。100点以上ものヴァージョンがあることが知られているこの作品は、フランドル風景画の最もよく知られた構図のひとつですが、本作品はその中でも最も優れた作品のひとつに数えられます。
 主題については、ブリューゲル(父)の下絵素描に基づいて制作されたフランス・ハルスンの手になる《アントウェルベンのシント。ヨーリス門の前でスケートをする人々》という版画に関連することが指摘されてきました。その版画には「人間の生命のあてにならないこと」という銘文が書かれており、楽しそうに見える氷上のスケート遊びも日常生活の単なる描写ではないのかもしれません。本作品においても、画面手前には氷の上に穴が見え、氷上でスケートに興ずる人々と罠の餌食となる鳥たちとは同じ運命にあることが、それとなく示唆されています。
 本作品は、旧松方コレクションに由来するものです。ほぼ一世紀を経て「里帰り」したブリューゲルは、松方コレクションがロダンやモネばかりではなかったことを伝える大変貴重な作例であると言えるでしょう。なお、ブリューゲル(父)の手になる《鳥罠のある冬景色》は、ベルギー王立美術館に所蔵されています。(展示室の作品解説より)

※ベルギー王立美術館展の感想記事はこちら

 

次は、昨年5月(ロダンとカリエール展鑑賞後)に鑑賞した時にビックリした展示。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの《聖トマス》は私が見た限り、この場所が3箇所目。
最初はルーベンスの作品の裏、次はルーベンスの並び(現在、上記の鳥罠が展示されているところ。)、そして、この新しい壁。ようやく落ち着いたと言う感じです。なかなかイケテマス(^_^)

フィリップ・ド・シャンパーニュ《マグダラのマリア》【左】フィリップ・ド・シャンパーニュ《マグダラのマリア》
この最晩年の作と推定される《マグダラのマリア》では、人物は完全なプロフィールとなり、一心に祈りを唱えるかのように口を半ば開き、その敬虔なまなざしは天に向けられている。魅惑的な存在感をあふれさせる聖女の姿は、シャンパーニュ特有の厳格さと節制によって暗い画面の上に浮彫にされているが、そこにはジャンセニスム的な厳しい精神性の中にもフランス宮廷画家の作品にふさわしい優雅さが感じられる。手前の岩の上には、彼女の象徴的持ち物である香油壺のほか、聖書と十字架が置かれ、右後方には極めて自然主義的に描かれた風景が見られる。(国立西洋美術館名作選より)
とても魅力的な作品の一つ。宗教画はあまり得意ではありませんが、この作品にはいつも魅了されます。この美術館には綺麗な女性を描いた作品が他にもたくさんあります(^o^)丿(もちろんスタッフのお姉さんも綺麗な人ばかりですヾ( ̄ー ̄)ゞ)
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール《聖トマス》【右】ジョルジュ・ド・ラ・トゥール《聖トマス》
2003年度に国立西洋美術館のコレクションに加わった作品。日本人コレクターが所蔵していたもので、海外に流出する直前だったとか。この購入をきっかけに開催されたのが2005年のラ・トゥール展。
まさしくラ・トゥール再発見史の最も新しいページを飾る作品で、その存在が世に知られたのは僅か十数年前の1987年のことであった。アルビ近郊のある個人の家から発見されたこの作品は、さらに1991年にモナコで競売にかけられた後、わが国の個人コレクションに入って秘蔵された。しかし、その間、この絵は1996-97年のワシントン/フォートワースおよび1997-98年のパリ、グラン・パレにおけるふたつの「ラ・トゥール展」で初めて一般の眼に触れ、初期の知られざる真作として注目を集めたのである。・・・この作品には聖トマスの矛盾に満ちた性格が、その槍を握る両手と苦渋を含んだような挑戦的な眼差しを通して、直截に描き出されているのである。(ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展図録より)
ちなみに、私の持っている国立西洋美術館名作選にこの作品は掲載されていません。
もちろん、それ以降の新収蔵品も。(>_<)

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール―再発見された神秘の画家

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール―再発見された神秘の画家

  • 作者: 高橋 明也, 遠藤 ゆかり, ジャン=ピエール・キュザン, ディミトリ・サルモン
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: 単行本

※ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展の感想記事はこちら 

 

そして、モネ。4月に始まる大回顧展に備えて。
今回はエプト川(河)をキーワードに鑑賞してきました♪


この作品はモネ回顧展に貸し出されるそうです。

クロード・モネ《舟遊び》クロード・モネ《舟遊び》
モネの部屋で睡蓮とともに圧倒的な存在感をもつ作品。この作品の額絵が私の部屋に飾ってあります( ̄ー ̄)v
屋敷からほど近い、セーヌ河に注ぐ支流エプト川に小舟を浮かべて遊ぶ一家の姿を幾度となく描いたのは、この地に定住して間もなくのことであった。本作品は、それら一連の「舟遊び」の主題を描いた作品の中でも、特に完成度の高い作例である。・・・大胆に小舟を半分に断ち切った構図は、西洋絵画としては異例であるが、これはモネが写真術や日本の浮世絵版画から学びとったものであろう。しかし、モネは水面を大きくとり、そこに映った影の表現に鋭い関心を払っているのである。(国立西洋美術館名作選より)

モネ展では、オルセー美術館所蔵の《エプト川のポプラ並木、風の日》が展示されるそうです。

クロード・モネ《陽を浴びるポプラ並木》クロード・モネ《陽を浴びるポプラ並木》
この作品は、ジヴェルニーにほど近いエプト川左岸のポプラ並木を描いたものだそうです。有名な連作の一つ。
光の戯れと反映を何よりも深く追求したモネは、同一のモティーフを光や色彩あるいは構図を変えて何回か描くという意味での「連作」をいくつも残している。・・・この作品においてとりわけ特徴的なのは、大きく前景に描かれた3本のポプラであり、青い空と白い雲、緑とばら色の生みだす晴れやかな印象である。同一構図の作品が他に数点存在することが知られている。(国立西洋美術館名作選より)


モネの部屋に来るとこの明るい色彩の鮮やかさや軽やかさに見惚れてしまいます。落ち着いた気分になれる、心安らぐ癒しの時間。この2点は水面に移り込んでいる様子が「隠れ鑑賞ポイント」かもしれません。(^_^)

 

西洋絵画の巨匠 (1)   モネ

西洋絵画の巨匠 (1) モネ

  • 作者: 島田 紀夫
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/02
  • メディア: 大型本

 こちらも明るい色彩の見応えある作品。連作を構想する前だそうです。
2005年8月、ドレスデン国立美術館展鑑賞後に常設展示室でこの作品をシッカリと目に焼き付けてから、六本木に移動しフィリップス・コレクション展を鑑賞しました♪ピース!(v^-^v) ピース!

クロード・モネ《ラ・ロシュ=ギュイヨンの道》クロード・モネ《ラ・ロシュ=ギュイヨンの道》
アルジャントゥイユ時代のようにレガッタや川辺の散歩道を歩く着飾った人々などを配した華やかな風景が描かれることはなかったが、画面に置かれた筆触はより自由で大胆になり、色彩も画面の中で自律的な個性を帯びてくる。この作品に描かれているのは、ヴェトゥイユから僅かにセーヌ河を下った所にあるラ・ロシュ=ギュイヨンという小さな村であるが、同じ場所に立って、逆にヴェトゥイユの村に向かって描いた絵もある(ワシントン、フィリップス・コレクション)。(国立西洋美術館名作選より)
それが、こちら。
クロード・モネ《ヴェトゥイユへの道》クロード・モネ《ヴェトゥイユへの道》
ラ・ロシュ=ギュイヨンからヴェトゥイユの村へいたる道を描いた、5点のうち最後の1点である。どれも同じ光景を、異なる気象条件で描いている。これらはモネが1890年代に発表する、積藁やポプラ並木、ルーアン大聖堂などの連作を予感させるが、違っているのは、この道を描いたときには連作として構想していなかったという点である。(フィリップス・コレクション展図録より)


※フィリップス・コレクション展の感想記事はこちら 

 

こちらは、昨年の10月に初めて観て感動した作品。
寄託作品だそうです。 


クロード・モネ《エプト河の釣り人たち》1889年
とてもいい作品ですね~(^_^)/ 詳細は不明。。。

以前この場所に展示されていたものはこちら。


クロード・モネ《セーヌ河の朝》1898年
お気に入り作品の一つ。残念ながら現在は貸出中。
早く(速く!!)帰ってきてくれ~(^_^)

 

『国立西洋美術館 ~その1~』はこちら

 

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国立西洋美術館 ~その1~ [07展覧会感想]

上野公園の入り口 国立西洋美術館。

1959年設立の西洋美術を専門とする美術館。

本館の設計はル・コルビュジエ。

朝イチの静けさの中でひっそりと・・・ (2007年2月)
この写真のために「オルセー展朝イチ作戦」はちょびっと出遅れましたΣ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!

 

企画展が開催されていなくても、お昼はチョット賑やか♪ (2007年2月)

 

前庭でしばしたたずむ・・・ (2007年2月) 

 

普段は軽く流すことが多い屋外彫刻。

ロダンとカリエール展の鑑賞によって、チョット気になる存在となっております。

オーギュスト・ロダン《カレーの市民》 (2006年10月)
v(≧∇≦)v イェェ~イ♪ この手のポーズいけてる?( ̄ー ̄)v
《カレーの市民》はポーラ美術館でも鑑賞したことがあります。

 

オーギュスト・ロダン《地獄の門》 (2006年10月)
お行き(生き、逝き)なさい・・・ ジロー (;¬_¬)
※恨みの門ではありません(^_^;)

 

オーギュスト・ロダン《考える人》 (2007年2月)
チョット寒そう。。。

この前庭、12月はイルミネーションで綺麗に飾られていました(^_^)
(写真は撮り忘れました・・・)

 

国立西洋美術館(http://www.nmwa.go.jp/index-j.html

常設展無料観覧日:毎月の第2、第4土曜日、昭和の日、文化の日

 

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オルセー美術館展 [07展覧会感想]

東京都美術館で開催されている、オルセー美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園』を観に行きました。この展覧会は、「19世紀 芸術家たちの楽園」をテーマとして、19世紀の芸術家たちと彼らの創作活動に欠くことのできなかった世界との関係に焦点をあてるもので、絵画、彫刻、写真、工芸など、オルセー美術館から厳選された多彩な作品140点により、芸術家同士の交流を背景に彼らの拠りどころとなった世界-楽園-に光をあて、創作の秘密を探るものだそうです。

~展示構成~
Ⅰ.親密な時間 Ⅱ.特別な場所 Ⅲ.はるか彼方へ 
Ⅳ.芸術家の生活-アトリエ・モデル・友人 Ⅴ.幻想の世界へ

ベルト・モリゾ《ゆりかご》最初の作品はとても楽しみにしていたものの一つ、ベルト・モリゾ《ゆりかご》でした。しかもその隣りには、これまた楽しみにしていた作品、ピエール=オーギュスト・ルノワール《ジュリー・マネ(あるいは猫を抱く子供)》です。最初から飛ばしまくってるな~という感じです。並べて展示されていたこの2点を観ただけで「来て良かった~(^_^)/」と大満足です♪《ゆりかご》はベルト・モリゾの姉、エドマとその子供。エドマの優しい表情、ゆりかごを覆う白いモスリンの幕の繊細さ、背景のコントラスト等見応え十分。この作品は第1回印象派展に出品された9点のうちの1つだそうで、ベルト・モリゾの代表作の一つ。画集等では何度も見ていますが、やはり、実物は違いますね!(^_^)
ピエール=オーギュスト・ルノワール《ジュリー・マネ(あるいは猫を抱く子供)》《ジュリー・マネ(あるいは猫を抱く子供)》はベルト・モリゾの娘、ジュリー・マネを描いたもの。ジュリーちゃん可愛いですね~ちょっと照れくさそうな表情もいいです。抱かれている猫もとても可愛いですね、これは猫好きの方は必見ではないでしょうか。カンヴァス全体が優しく温かい雰囲気に包まれているように感じました。この作品は2つの鑑賞方法をお勧めします。まずは、人の流れに乗って最前列でメチャメチャ可愛いニャンコやジュリーちゃんのつやつやの髪や服など細部を堪能。次に、流れから外れるのはとてもリスクが大きいのでそのまま他の作品を鑑賞。そして、展示室を移動する際(若しくは2回り目)に、この作品の前に戻り、厳しいかもしれませんが距離を置いての鑑賞。これはジュリーちゃんの顔が見えればいいので他の鑑賞者の頭越しで十分です。(本当は全体像を観たいのですがね・・・)何故かというと、最前列で観る少女の顔はまん丸でぼて~っとしていて大福みたいな感じですが、距離を置いてみてみると(ちょっとだけ角度をつけたほうがいいのかな?)、頬のオレンジ色が次第に陰影のように観えてきて立体感が出て、とても凛々しくシャープな表情へと一変する瞬間があります。これは照明の効果が大きいと思われます。もし明るすぎたら、いわゆる白とびでどうやってもぺったんこな丸顔になってしまいますので、適度に照明を落としたこの状態は絶妙なバランスを保っているのではないでしょうか。また、距離を置くことで色の変化が綺麗にボケて、自然な感じに仕上がってみえるとでも言うべきでしょうか、まぁ、印象派の作品にはよくあることですよね!(^_^)/

アンリ・ファンタン=ラトゥール《シャルロット・デュブール》ジョルジュ・スーラ《ポール・タン=ベッサンの外港、満潮》アンリ・ファンタン=ラトゥール《シャルロット・デュブール》は落ち着いた色合いの繊細なかっこいい作品。右手に持っているのは閉じた扇子。扇子の赤がいいアクセントになっています。クロード・モネ《アルジャントゥイユの船着場》とアルフレッド・シスレー《洪水と小舟》はどちらも綺麗な色合いではあるものの、どっちがモネ?シスレー?という感じ。雲は特に!!モネは木々の間から差し込む光、つまり、地表に出来る光と影のコントラストが見応えが有りました。シスレーが描いたのは洪水ねぇ・・・つーかシスレーっぽくないゾ・・・カミーユ・ピサロ《赤い屋根、村のはずれの冬の印象》の第一印象はなんかゴチャゴチャしてるな~って感じでした。少し離れてみてみると。。。おぉ~なるほど~という感じです(笑)。赤い三角屋根が浮かび上がるように鮮明になりました。全体的に暖色系でまとめられているので、冬の寒さをあまり感じません、ちょうど今年の冬(関東)のように。エドゥアール・マネ《アンリ・ロシュフォールの逃亡》とクロード・モネ《べリールの岩、打ちつける波》はともに青色が鮮やかで臨場感溢れる作品。見応えがありますね~(^o^)丿ポール・シニャック《レ・ザンドリー、河堤》クロード・モネ《ルーアン大聖堂》ジョルジュ・スーラ《ポール・タン=ベッサンの外港、満潮》はスーラの代名詞とでも言うべき点描によって描かれたもの。その点描はカンヴァスに自ら枠を描いているにもかかわらず、額縁にまで至っています。淡い色彩の優しいのどかな作品。ポール・シニャック《レ・ザンドリー、河堤》も点描による優しい作品。シニャックの作品はフォーヴのような荒々しいド派手な色彩のものが好きでしたが、このような柔らかい優しい色彩のものもなかなかいいですね~(^_^)クロード・モネ《ルーアン大聖堂》はやはり迫力があります。近寄って細部までじっくりとチェックした後に距離を置いて全体をみると、どうしてアレがこんな風になるのかな~ともう一度近寄って確認してみたり(=^_^=) ヘヘヘ展示場所もベストとは言えないまでも、なかなかいいところだと思います。モーリス・ドニ《天国》は明るい色彩の可愛い作品。楽しそう♪

階段を昇ると、そこにはもの凄い光景が・・・(^_^;)

ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山》フィンセント・ファン・ゴッホ《アルルのゴッホの寝室》が並んで展示されていました。もの凄い人で、最初、何があるのかわからなかった・・・ちょっと数えてみたところ、7重の輪になっていました。3列目までは比較的容易に進みましたが、そこから先は・・・最前列になるまでにどれだけの時間を要したことか・・・ふぅ~アンリ=エドモン・クロス《夕風》は明るい色彩の点描作品。一見、派手に見えるけれど、実はとてもシンプル。

アンリ・ファンタン=ラトゥール《バティニョールのアトリエ》は美の巨人たち(テレビ東京)で取り上げられていたもの。凄い面子が揃ってるな~(^_^)フレデリック・バジール《バジールのアトリエ、ラ・コンダミヌ通り》も集団肖像画。絵の中に描かれている絵が魅力的です。ピンクのソファーなど色の組み合わせも面白い。

大本命は《すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ》

エドゥアール・マネ《すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ》ピエール=オーギュスト・ルノワール《絵筆を持つクロード・モネ》エドゥアール・マネ《すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ》はこの展覧会で一番感動した作品。期待していた以上の素晴らしさ。あえて言うまでもないと思いますが、ポイントは『黒』。黒の積極的・消極的変化、使い分け、複雑性。繊細さと大胆さを兼ね備えた本物の素晴らしさ。もちろんモリゾの表情も素晴らしいです。黒があるからこそ他の全ての色が活き、黒を活かす為に他の全ての色が計画的に配置されているのではないかと感じさせる逸品。まさに、黒を極めた男、マネの最高傑作だと思います。ちなみに、マネは1、2度のポーズでこの作品を完成させたそうです。また、モリゾの表情、特に目に注目です。画集で見た時は自信溢れる強さを感じましたが、実物はとても優しく、瑞々しい感じ。吸い込まれそうなほどに深く、それでいて精神的な強さを兼ね備えた魅力的な視線を感じます。顔の肌色の変化も見応えがあります!!何時間でも向き合っていたい作品、混雑していなければ至福の時を過ごせたのに・・・(^_^;)ギュスターヴ・モロー《ガラテア》ピエール=オーギュスト・ルノワール《絵筆を持つクロード・モネ》はモネの優しい表情が全てだと思います。モネの人柄が伝わってくる素晴らしい作品。最初のジュリーちゃんの時にも感じたことですが、ルノワールは単に見たままに描くだけではなく、その人柄や内面をも描き込んでいるよう。本物の肖像画とでも言うのでしょうか。ギュスターヴ・モロー《ガラテア》は繊細で緻密で綺麗な作品でした。装飾的かつ幻想的。色の組み合わせも素晴らしいです!!この作品はこの展覧会の隠れナンバー・ワンということで。(*^m^*) ムフッ

この展覧会は3部作の集大成だそうです。凄い作品が揃っていますね!通常、改修工事等でない限り、これだけの作品を貸してはくれませんよ。O(≧∇≦)O イエイ!!展覧会の日本側監修者、高橋明也さんはオルセー美術館の設立に携わった方だそうです。印象派は日本の影響を受けたものが多く、その印象派の作品を中心に収蔵しているのがオルセー美術館。それが96年から3回に分けてオルセー美術館展として来日。今回のチラシのメイン、ゴッホの《アルルのゴッホの寝室》旧松方コレクションの一つだそうです。(もしかしたら国立西洋美術館の常設展示室に飾られたかも・・・)日本にとても関係があるというか、何か不思議な縁を感じますね。オルセー美術館、チョット親近感が沸いてきました~(^o^)丿
会場は非常に混雑しており、退室時には入場制限が行われていましたが、とても素晴らしい展覧会でした。展示室に入り、はやる気持ちをちょっとだけ抑えて最前列の流れに入ってしまえば、それから先は常に最前列をキープでき(というより、もう後ろには行けなくなり)、のろのろ渋滞のために絵の具の凹凸やチカチカ点描等、細部までじっくりたっぷりと鑑賞できます。こういう時は柵に手をかけたりモモをくっつけるような形で必殺カニ歩きです♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ距離を置いての鑑賞は頭越しとなるため実質的には大変厳しいです。それでもすぅ~っと一筋の光が射すように開く瞬間がありますので、可能性はあります。展示室を移動する際、若しくは2回り目、気になる作品だけをスポット鑑賞するときに試してみてはいかがでしょうか。
私の場合は絵画がメインのため、写真や工芸等は軽く流しました。作品数は140点とのことでしたが、それほど多くは感じませんでした。展示室内も比較的ゆったりとした構成で動きやすく、混雑もただ人がいっぱいいるというだけで、それほど酷い状態には感じませんでした。もう一度観に行きたいですね! 

  • 図録:2500円
  • 音声ガイド:500円

東京都美術館(http://www.tobikan.jp/

公式サイト(http://www.orsay3.com/

「細密画工房 絵草紙」(http://www.ezoushi.com/

※神戸市立博物館:神戸展の作品リスト(pdf)有
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/57/museum/tokuten/2006_04_orsay.html

Let'sEnjoyTOKYO(http://www.enjoytokyo.jp/TK/TK070104_orsay.html)※割引券有

チラシです。(参考までに) 

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埼玉県立近代美術館~常設展~ [07展覧会感想]

昨年は何故か縁の無かった埼玉県立近代美術館ですが、今年は何度か行くことになりそうです。
今回は4月に六本木で始まるモネ展を意識して、モネの作品を中心に鑑賞しました。
モネ展ではボストン美術館所蔵《積みわら、雪の朝》が展示されるようなので。

こちらはモネが17歳の時の作品。キャーq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャー


クロード・モネ《ルエルの眺め》(1858年)
登録美術品制度により昨年から展示されている作品。
この作品に会うのは2004年の花と緑の物語展(東京都現代美術館)以来です。「ブーダンと共に戸外制作に出かけた17歳のモネが、最初に描いたとされる風景画がこの《ルエルの眺め》である。自然に真摯に向き合い、丁寧に描き出された画面には、既に確かな力量が認められる。(花と緑の物語展図録より)」とのこと。モネの展覧会初出品作品だそうです。翌年、モネはパリに出て本格的に画家への道を歩みだしたとのこと。モネの画業を紐解く上で、重要な意味を持つ、貴重な作品ですね。17歳でこれだけの絵を描いていたら新しいことに挑戦したくなりますよね!(=^_^=) ヘヘヘ

 

 こちらは有名な積みわらの連作、光の変化を追及した作品。


クロード・モネ《ジヴェルニーの積みわら、夕日》(1888-89年)
初期の積みわらの連作5点のうちの一つ。
「2年後に描かれる25点の《積みわら》によって、モネは《睡蓮》へと連なる壮大な連作の世界に分け入っていくが、本作品はその先駆けとなる記念碑的な作品である。1870年代までの画風に比べ、筆触は柔らかく繊細になり、幾重にも重ねられて、画面のすみずみに及んでいる。どっしりとした積みわらを基点に、流動する大気と浸透する光、たえまなく変容する世界が見事に捉えられている。厚みのある大気や光に包まれて、あらゆるものがゆっくりと動いているようだ。(埼玉県立近代美術館コレクション選100より)」
お気に入り作品の一つで、この作品と向き合っていると、のんびり穏やかな気分になれます。まさに、癒し系、何度観てもいいですね~(^o^)丿近寄ってみたり、離れてみたり。ソファーに座ってぼんやりと眺めてみたり。楽しみ方は無限大。世界中からレンタルのオファーがあるそうです。図版では圧倒的な存在感や臨場感、繊細さがお伝えできませんね~、残念
積みわらについての鑑賞記事(http://blog.so-net.ne.jp/ryuu/2005-12-30

今日はピサロは脇役です・・・(^_^;)
(もちろん、じっくりと楽しんできました♪)
前回の鑑賞記事(http://blog.so-net.ne.jp/ryuu/2005-12-29

登録美術品制度でドラクロワの作品もありました。
ウジェーヌ・ドラクロワ《聖ステパノの遺骸を抱え起こす弟子たち》
こちらも見応えのある作品です。ポイントは構図と逆光。

奥の展示室では斎藤豊作の特集展示がありました。
企画展の最後の展示室と連動していますが、内容はこちらのほうが格段にいいです!!(^_^)
今回の注目ポイントは《雨》(1919年)という作品。
展覧会の出展記録はあるものの行方不明となっていた作品。な、なんと、半分にカットされて何十年もの間別々の時を過ごしてきたそうで、このたび偶然にも再会を果たすことに!!(^o^)丿
『リサーチプログラム -斎藤豊作の軌跡-華麗なる点描と古城の風韻』
初期の点描から仏の古城で描かれた作品まで、日仏にまたがる画家の夢の軌跡を辿ります。
斎藤豊作:埼玉県越谷市出身。華やかな色彩の点描画法で『二科会の花』と賞賛されるが、1920年に再渡仏。パリの西南約200キロのサルト県の古城で作画生活を送る。日本の若い画家たちを城に招いて制作や交流に時を過ごしたり、パリに暮す画家の相談にのるなど、彼らに物心両面での支援もしていた。

常設展示の作品数は少ないですが、4期に分けて展示替えがあり、毎回、新しい発見があります。また、常設展は、美術館サポーターによる作品解説が毎日行われています。この美術館は椅子に力をいれているので、そちらも楽しみの一つ。もちろん、屋外彫刻や噴水広場も。

シャガール・・・_| ̄|○


 

B1のセンターホールに異空間!?があります。(入場無料)

中央には、ジャコモ・マンズー《枢機卿》
左は、船越保武《ダミアン神父像》 右は、ヴェナンツォ・クロチェッティ《マグダラのマリア》
地下1階から地上3階まで、吹き抜けとなっており、天井はガラス張り。
ここだけ空気が違うように感じます。(周りが無機質なので一層ひんやりと感じます。)《枢機卿》の三角型と3像の醸し出すトライアングルが、神秘的というか宗教的というか、厳かな雰囲気を一層引き立てます。この空間には何か特別な力があるのかも。。。(=^_^=) ヘヘヘ
《枢機卿》から2,3歩下がったところが中心かな。このあたりで真上を見上げると、なんか凄いです!!ごぉ~って感じ。(^_^;)うまく表現できませんが、教会かどこか神聖な場所にいるよう。真上から光が降りてきそうというか、魂が昇っていくというか。。。
両手を広げたら、映画のワンシーンみたいです(笑)人に見られたらかなり恥ずかしいけど。
(※監視カメラがありますので、人がいなくてもかなり恥ずかしいですよ!ご注意を!!。)
一度でいいから中心で『大の字』(生贄じゃないよ)になってみたいです・・・
子供ならOKかも。(^m^ )クスッ

 

ちなみに、埼玉県立近代美術館の設計は、国立新美術館を設計された黒川紀章さんです。

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