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異邦人たちのパリ 1900-2005 ポンピドーセンター所蔵作品展 [07展覧会感想]

国立新美術館で開催中の「異邦人たちのパリ 1900-2005 ポンピドーセンター所蔵作品展」を観に行きました。この展覧会は国立新美術館のオープンを記念してフランスが誇る近現代美術の殿堂ポンピドー・センターの所蔵作品を紹介するものだそうで、「パリを代表する世界的な美術館の所蔵品展にふさわしく、パリに集い、パリで創作した20世紀初頭から現在までの外国人芸術家たちの作品、約200点を展示(公式サイトより抜粋)」することによって、20世紀のパリで展開した外国人芸術家の仕事とその意義をふり返るものだそうです。

~展示構成~
1.モンマルトルからモンパルナスへ:キュビスム、エコール・ド・パリ、シュルレアリスム 2.外から来た抽象:幾何学的抽象、叙情的抽象、キネティシズム 3.パリにおける具象革命 4.マルチカルチャーの都・パリ

フアン・グリス《ギターを手に座るアルルカン》はアルルカンの顔がハニワのようでかわいいですね~♪この後、東京国立博物館で本物のハニワに会いましたが、やっぱり似てました!ヾ( ̄ー ̄)ゞ
藤田は5点。レオナール・フジタ(藤田嗣治)《パリの私の部屋》という同タイトルのものが2点。どちらかというと、壁の真ん中に絵が掛かっていてその手前に犬の置物が飾られているほうが好み。《カフェにて》は昨年の藤田嗣治展(東京国立近代美術館)のもの(個人蔵)にとてもよく似ている。(※リンク先のチラシに画像(部分)があります。)頬杖をついて物思いにふけっているよう。綺麗で見応えがあります。

キスリング当たり年かな?

キスリング《若いポーランド女性(ショールを纏う女)》赤いショールがとても綺麗。背景の青、白、緑とのコントラストが見事。ショールの赤色をうまく引き立てています。デザインも繊細。キスリングの描く女性はいつ観ても上品で綺麗ですね~(^_^)今回はちょっと手がでかいけど。1月のエコール・ドパリ展(埼玉)でもキスリングの素晴らしい作品に会いました。数は少ないものの、今年はキスリングの素晴らしい作品によく会いますね~

シャガールは4点。いずれも見応えのあるもの。マルク・シャガール《墓地の門》青の濃淡がとても綺麗。色の組み合わせ方がうまいですね、幻想的な雰囲気を醸し出しています。でも、墓地。しかも、シャガールはユダヤ人。いろいろと複雑な思いがあるんだろうなぁ。。。部分的にキュビスムはいってるね~キャーq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャー《エッフェル塔の新郎新婦》はチラシの表にある綺麗な作品。描かれているのはシャガールとその妻ベラ。シャガールのベラに対する優しさが溢れている。しかし、時代が時代だけにとても切ない。右下に描かれているのは生まれ故郷の町並み。左下は二人の結婚式の様子。《戦争》も切ない。。。シャガールの作品はどれもみな、ストレートに心に響く。シャガールの作品を観ると、何故か、いつも、映画「戦場のピアニスト」を思い出す。あれはポーランドだったけど。ジョアン・ミロは《絵画》というタイトルのものが2点。やっぱりミロの作品はかわいい。いずれも青色。色が濃い縦バージョンの方が特に良かった♪

フランティシェク・クプカ《動きのある線》《線、平面、空間 Ⅲ》会場の作品解説によると「主題にとらわれない絵画固有の世界を探求」し、「垂直と円環に還元された形態を音楽的法則に従って配列する独自の抽象絵画」を確立したそうだ。いずれも、見応えのあるもの。こういう作品大好きです、観ていてとても楽しい♪カンディンスキーよりも良かった!!(≧▽≦)b
カンディンスキーは2点。ヴァシリー・カンディンスキー《相互和音》はチラシにも掲載されているもの。公式サイトの作品解説によると「晩年のパリ時代の代表作」だそうです。「左右対称の構図や幾何学的な形態と有機的な形態との響き合いが見どころ」とのこと。解説を読むと余計わかりません・・・(^_^;)見たまんまですが、純粋に優しくかわいい。3色の色分けも面白いですね、透明感というか伸びやかな感じ。それでいて立体感がある。ロベール・ドローネーの妻、ソニア・ドローネーは《シベリア横断鉄道とフランスのプティット・ジュアンヌの散文詩》《リズム》《コンポジション》の3点。いずれも見応えのある素敵な作品。ロベール・ドローネー風!?

天井からぶら下がっている作品が面白かった!

アレクサンダー・コールダー《フィッシュボーンズ》《1月31日》は会場の作品解説によると「空気の流れによって動き、刻一刻と表情を変える」そうだ。これは面白いです♪(^o^)丿特に、壁にできる影の変化は見応えがあります。ぶら下がっているのをみると、とてもゆっくりとした動きだが、影の変化のしかたはとても早く、その影が展示室のの作品に視覚的な動きを与えている(たま~に邪魔に感じる時もあるけど・・・)この天井からぶら下がっているものを作品として認識していない方が多数いらっしゃいました。気づかずに、壁面の絵画のみを鑑賞して、素通り。ちょっともったいないですよね♪私が、がぁ~って感じで真上のを見上げていたら、「ん?」と上を見て、そこで初めてその存在に気づいたという方を何人も見かけました。作品とともに人間ウォッチング!?(ここでじっくりと時間をかけていたのは私ぐらいでしたから・・・(^_^;))まぁ、注目されなくても仕方ないかなー、ロフトやハンズでインテリアとしてふつ~に売ってそうですし・・・

積極的に楽しもう

アガム《ダブル・メタモルフォーゼ Ⅲ》「異なるイメージが描かれた三角柱の2辺の連なりによるレリーフ状の絵画」で、「三角柱の稜線を目線が超えると目に見えるイメージが変化」する。先ほどの天井の作品は作品自体が動いていましたが、この作品は積極的に鑑賞者が動くことでその視覚的変化を楽しむもの。これはホント面白いですね~(≧▽≦)b右から見たり、左から見たり、何度も繰り返しました!!大好きです♪(^_^)

ポル・ビュリ《9平面状の81個のボール》は滑り台のようなところにピンポン玉のようなボールが不規則に並べられているもの。おっ、動いた!!ヘスス=ラファエル・ソト《開かれた空間》錯視効果により動いているように見えるそうだ。あちゃ~、目が回る~((◎)_(◎))

これら一連の作品をキネティック・アートというそうです。現代アートは理解しようとする事自体が無駄。純粋に楽しみましょう♪
キネティック・アート(kinetic art)とは、動く美術作品または動くように見える美術作品のこと。 ただし、映画やアニメーションなどは、通常はキネティック・アートとはされない。 カイネティック・アートと呼ばれることもある。(ウィキペディアより)

写真は見応え十分

写真の展示が多数ありましたが、その中でもマン・レイ 、ブラッサイ、イジス、トーレ・ヨーンソン、田原桂一のものが素敵でした。構図とか専門的なことは全くわかりませんが、メッセージ性の強いものが多いように感じられ、惹きつけられるものがありました。 

エコール・ド・パリ、シュルレアリスムの作品は前半のみでそれほど多くはありませんでしたが、埼玉県立近代美術館で鑑賞した1月のエコール・ド・パリ展3月のシュルレアリスム展の集大成のよう。2月にオルセー美術館展とのハシゴのはずが、結局会期末。結果的にはこれがプラスに作用して、作品世界により深く入っていくことができました。エコール・ド・パリ展もシュルレアリスム展も興味があったから鑑賞したわけで、決して、決して、この展覧会の予習のために鑑賞したわけではありませんよっ!ちなみに、近いからという理由で観に行ったわけでもありません。。。(何をフォローしてるんだか・・・ウーム (; _ _ )/)
現代アートはよくわかりませんでした~...((((ノ^^)ノ ウヒョヒョヒョ (o_ _)oドテッアーティストの紹介ばかりで作品解説が少なかったとの噂も一部でありますが、やはり、音声ガイドを借りるべきだったかな~(^_^)それでも、まぁ、それなりには楽しめたかな。特に、アガム《ダブル・メタモルフォーゼ Ⅲ》は必見!展示場所が結構ビミョーなので見落としてしまいそうです、ご注意を!!
既に鑑賞された方が「作品リストが無いとおっしゃっていたので、公式サイトの作品リストを印刷して持参したところ、作品リストがありました~!でも、セクション番号だけで通し番号(作品番号)がありません。。。作品リストにメモ書きを入れる際、キャプションにある通し番号に基づいて作品リストと照合していますが、番号が無いのでリストから探し出すのに一苦労。。。当然、面倒なのでメモ書きは省略しまくり。。。ウーム (; _ _ )/帰宅後、持参したリストを何気なく見ていると、そちらには普通に番号が・・・・・_| ̄|○

 

国立新美術館(http://www.nact.jp/

公式サイト(http://www.asahi.com/pompidou/)※割引券&図録の通販あり

  • 図録:2500円
  • 音声ガイド:500円

チラシです。(参考までに)

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