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帳簿の世界史 [アート]


帳簿の世界史

帳簿の世界史

  • 作者: ジェイコブ ソール
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/04/08
  • メディア: 単行本


内容紹介

「権力とは財布を握っていることである」

アダム・スミス、カール・マルクス、マックス・ウェーバー……。
彼らが口を揃えて主張していた「帳簿」の力とは、一体何なのか。

これまでの歴史家たちが見逃してきた「帳簿の世界史」を、
会計と歴史のプロフェッショナルが初めて紐解く。

・なぜスペイン帝国は栄え、没落したのか。
・なぜフランス革命は起きたのか。
・なぜアメリカ独立は成功したのか。
・なぜ日本は急速に列強へ追いつくことができたのか。

その歴史の裏には全て、帳簿を駆使する会計士たちがいた!

【目次】

■序 章 ルイ一六世はなぜ断頭台へ送られたのか

■第1章 帳簿はいかにして生まれたのか
奴隷が帳簿係を務めたアテネ、ハンムラビ法典で会計原則が定められていたバビロニア、歴代の皇帝が帳簿を公開したローマ帝国。だが古代の会計は不正に満ちていた。それはいかに進化し、複式簿記の発明へ至ったのか。

■第2章 イタリア商人の「富と罰」
教会法で金貸業が禁じられていた一四世紀のイタリアでは、商人と銀行家は常に罪の意識に苛まれていた。だが、最後の審判を恐れるその信仰心こそが、会計を発展させたのだ。彼らの秘密帳簿は、それを示している。

■第3章 新プラトン主義に敗れたメディチ家
ルネサンス期のフィレンツェを支配していたメディチ家。ヨーロッパ最大の富豪を支えた会計技術は、なぜ一世代で失われてしまったのか。その謎を解く鍵は、新プラトン主義によるエリート思想の流行にあった。

■第4章 「太陽の沈まぬ国」が沈むとき
一六世紀になっても会計への偏見は根強かった。だが、スペインは赤字続きの植民地を前に、遂に会計改革に乗り出す。重責を担ったフェリペ二世だったが、オランダの反乱・無敵艦隊の敗北など、更なる悪夢が彼を襲う。

■第5章 オランダ黄金時代を作った複式簿記
東インド会社を中心とした世界貿易で途方もない富を得たオランダ。その繁栄の秘密は、複式簿記にあった。国の統治者が史上初めて複式簿記を学び、それを政権運営に取り入れることができたのは、一体なぜなのか。

■第6章 ブルボン朝最盛期を築いた冷酷な会計顧問
ヴェルサイユ宮殿を建設したルイ一四世を支えたのは、会計顧問のコルベールだった。財政再建に奮闘したその手腕はアダム・スミスにも称賛されたが、同時に彼は会計の力で政敵を容赦なく破滅へと追い込んだ。

■第7章 英国首相ウォルポールの裏金工作
スペイン継承戦争の巨額債務や南海泡沫事件など、イギリスの財政危機を何度も救ったウォルポール。だが彼の権力と財産は、国家財政の秘密主義なくしては得られず、その長期政権も裏金工作によって支えられていた。

■第8章 名門ウェッジウッドを生んだ帳簿分析
イギリス史上最も成功した陶磁器メーカーの創立者・ウェッジウッド。彼は経営に確率の概念を取り込み、緻密な原価計算を行うことで会社を繁栄させた。この時代、富は信心と几帳面な会計の産物だとみなされていた。

■第9章 フランス絶対王政を丸裸にした財務長官
ルイ一六世から財務長官に任命されたスイスの銀行家・ネッケルは、それまで秘密のベールに包まれていた国家財政を、国民へ開示した。そのあまりにも偏った予算配分に国民たちは怒り、フランス革命が起きた。

■第10章 会計の力を駆使したアメリカ建国の父たち
「権力とは財布を握っていることだ」。アメリカ建国の父たちの一人、ハミルトンはこう喝破した。複式簿記を郵政会計に導入したフランクリン、奴隷も個人帳簿に計上したジェファーソン。彼らはみな会計の力を信じた。

■第11章 鉄道が生んだ公認会計士
鉄道の登場により、財務会計の世界は急速に複雑化した。鉄道会社は巨大企業へと成長するが、粉飾決算が横行。その監督のために公認会計士が誕生することになる。彼らは、規制がなく野放し状態のアメリカで奮闘した。

■第12章 『クリスマス・キャロル』に描かれた会計の二面性
一九世紀から二〇世紀にかけて、会計は小説や思想にどのような影響を与えたのか。父親が会計士だったディケンズ、複式簿記の発想が『種の起原』に見られるダーウィン、会計を忌避したヒトラーから見えてくるものとは。

■第13章 大恐慌とリーマン・ショックはなぜ防げなかったのか
複雑化した会計は、もはや専門教育を受けた人でなければ扱えない。その中で大手会計事務所は、監査で知り得た財務情報をもとにコンサルティング業を開始する。明らかな構造的矛盾のもと、最悪の日は近づいていた。

■終 章 経済破綻は世界の金融システムに組み込まれている

■日本版特別付録 帳簿の日本史(編集部)


内容(「BOOK」データベースより)

未来の資産価値を現在に置きかえる帳簿が生まれたとき、世界が変わった。アダム・スミス、カール・マルクス、マックス・ウェーバー…。彼らが口を揃えて主張していた「彫簿」の力とは、一体何なのか。これまでの歴史家たちが見逃してきた「帳簿の世界史」を、会計と歴史のプロフェッショナルが、初めて紐解く。



読売新聞書評(http://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20150605-OYT8T50354.html


★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:。.:*:・'゜
 
会計学と世界史と美術史の合わさったような本。

メディチ銀行が潰れた理由とか、スペインの破たんとか、
会計学の面からとらえた、とても興味深くおもしろい本。

会計学という点では、複式簿記の重要性を強く厚く熱く語る。
私の専門分野でもあるのでさらっと読んでしまったが、
特に会計学の知識は必要ないと思う。
よくわからなかったら、へぇ~って読み飛ばしてもOK。
エンロン事件、リーマンショック等、一応、現代の事件も入っている。

そうそう、あさちゃんもパチパチハンで貸付残高を計算していましたね。
ちゃんと計算しないといつの間にか蔵の中は空っぽでびっくりぽんなことになりますからね。


思いがけずドメニコ・ギルランダイオの作品に遭遇。
肖像画の注文主は、有力者やお金持ち。
宗教画の中にこっそりとまたは堂々と自らを忍ばせたり。
今年のルーヴル美術館展で鑑賞したクエンティン・マセイス≪両替商とその妻≫もモノクロで掲載されいた。
この主題はとても人気があったそうだ。

クエンティン・マセイス≪両替商とその妻≫
クエンティン・マセイス≪両替商とその妻≫


グエルチーノ展&ルーヴル美術館展
http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2015-05-24

フィレンツェの世紀 ルネサンス美術とパトロンの物語
http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17



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コメント 4

kuwachan

数字には滅法弱いです(^^;;
by kuwachan (2015-12-12 17:27) 

TaekoLovesParis

表紙の絵を見たとたん、マセイスの「両替商とその妻」が浮かびました。
やはり掲載されていたんですね。モノクロだと古い時代っぽく見えるでしょうね。
私も歴史は好きだし、お金には興味があるから、(専門じゃないけど簿記2級持ってる)今、この本、注文しました。歴史上の大きな出来事を会計学の側から見て行く、面白いでしょうね。
by TaekoLovesParis (2015-12-12 23:59) 

雅

お久しぶりです。
会計学は全くの素人ですが、中世ヨーロッパの裏歴史を垣間見れて面白そうですね。

by (2015-12-13 20:52) 

りゅう

○ kuwachanさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
電卓がお友達です♪
暗算力落ちまくりでございます・・・(>_<)

○TaekoLovesParisさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
マリー・ド・メディシスのような持参金目当ての結婚もありましたし、まさに権力とお財布は切っても切れないものだなぁと。
マセイスの「両替商とその妻」、そんなに有名で人気のある作品だとは思わず、展覧会ではあまり深く考えずに鑑賞していました。
ちょっともったいなかったなぁなんて。(^_^;)

○雅さん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
真実を明らかにすることは命懸けでございます。
国のお財布を紐解くと、必ず誰かの首がとびます・・・
ギャーーー!(´・ω・`)

○naonaoさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○ぽんこさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○にいなさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○剛力ラブさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○nandenkandenさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○Ujiki.oOさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2015-12-30 23:22) 

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