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オルセー美術館展2010「ポスト印象派」 [10展覧会感想]

乃木坂の国立新美術館で開催されていたオルセー美術館展2010「ポスト印象派」を観に行きました。
「 このたびオルセー美術館の珠玉のコレクションの中から、絵画の傑作115点を一堂に展覧する『オルセー美術館展2010-ポスト印象派』を開催いたします。
 19世紀末のフランス、印象派がもたらした絵画の刷新を受け、その豊かな才能を開花させた一連の画家たちがいました。セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、スーラらは、1880年代後半から90年代にかけて、それぞれの表現を追求し独創的な成果を上げました。いわゆる『ポスト印象派』の登場です。
 本展覧会は、このポスト印象派の時代に着目した展覧会です。これまでポスト印象派は、印象派へのアンチ・テーゼであり、20世紀の前衛絵画の登場を促す動向と見なされてきました。しかしこの時代の絵画は、一言で括るには、あまりに多様で豊饒です。世紀末パリという文化的宝庫から流れ出たいくつもの豊かな水脈は、互いに交差し、時代全体を動かしていたと言えるでしょう。
 本展は印象派を起点にして、19世紀終わりから20世紀初めにかけての絵画の諸相を一堂にご紹介するものです。時代の精華ともいうべき名作の数々を通じて、ポスト印象派世代の果敢な挑戦と、彼らが残した豊穣な遺産に、新たな眼差しを注いでいただけましたら幸いです。(チラシより)」


~展示構成~
第1章 1886年-最後の印象派 第2章 スーラと新印象主義 第3章 セザンヌとセザンヌ主義 第4章 トゥールーズ=ロートレック 第5章 ゴッホとゴーギャン 第6章 ポン=タヴェン派 第7章 ナビ派 第8章 内面への眼差し 第9章 アンリ・ルソー 第10章 装飾の勝利 
 
クロード・モネ《ノルウェー型の舟で》展示室に入ると、モネの作品がずら~っと並ぶ。《ノルウェー型の舟で》は水面への映り込みがとても綺麗で見応えのある作品。背景も水面も近くで見ると何がなんだかよくわからない。でも、これがモネなんだよな~、印象派なんだよな~って実感させてくれる。帽子やドレスも綺麗で見応えがある。隣りには、有名な有名な《睡蓮の池、緑のハーモニー》クロード・モネ《睡蓮の池、緑のハーモニー》シャープのアクオスのCMの睡蓮はこの作品だったんですよね。最初、どの作品だか全然わからなかったのですが、いろいろと調べてみて、たぶんこれだろうということに。箱根のポーラ美術館のものとソックリ!!サイズもオルセー美術館のものが89cm×93.5cm、ポーラ美術館のものが88.6cm×91.9cmとほぼ同じ。いずれも1899年に描かれた作品。図録(&超アバウトな記憶)に基づくと、ポーラ美術館のものは優しく柔らかい印象があったが、オルセー美術館のものは若干引き締まって硬くみえる。ポーラ美術館のものは全体的に柔らかい分、睡蓮の花がアクセントとしてとても効果的だったが、オルセー美術館のものは橋の欄干に光の反射があったりと、全体的にコントラストが強めに描かれているようだ。勝手に推測すると、ポーラ美術館のものは比較的早い時間帯、オルセー美術館のものはそれよりも後、日差しが強くなり陰も強く出てくる時間帯といったところか。まぁ早朝からキッツイ日差しの日だっていくらでもあるし、薄曇のような柔らかい明るさの日中だっていくらでもあるけど。そもそも睡蓮の開花時期、開花時間は限られているので、そうそう大きく変わるものではない。
クロード・モネ《ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光》《ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光》は霧の中に差す日の光がとても綺麗でドラマチック。水面の映りこみが優しく暖かく感じられる。太陽が建物に隠れている状態を描いたものがポーラ美術館に所蔵されている。ポーラ美術館のものは落ち着いていて幻想的な感じ。モネが光の移ろいに魅了されたのがなんだかわかる気がする♪
クロード・モネ《日傘の女性》は2007年にここで開催されたモネ展の時にも鑑賞した作品。この作品もとても素敵だけど、反対向きの作品は観たことがないので、できればそっちを持ってきて欲しかったなぁなんて。。。(^_^;)

モネ展(国立新美術館:2007)
http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2007-04-30
ポーラ美術館展(ポーラ美術館:2005、Bunkamura:2006)
箱根(http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2005-08-16
渋谷(http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2006-01-30

クロード・モネ《ばら色のボート》(ポーラ美術館蔵) クロード・モネ《舟遊び》(国立西洋美術館蔵)
クロード・モネ《睡蓮の池》(ポーラ美術館蔵) クロード・モネ《国会議事堂、バラ色のシンフォニー》(ポーラ美術館蔵)
【左上】 クロード・モネ《ばら色のボート》(ポーラ美術館蔵) ※この作品は展示されていません
【右上】 クロード・モネ《舟遊び》(国立西洋美術館蔵) ※この作品は展示されていません
【左下】 クロード・モネ《睡蓮の池》(ポーラ美術館蔵) ※この作品は展示されていません
【右下】 クロード・モネ《国会議事堂、バラ色のシンフォニー》(ポーラ美術館蔵) ※この作品は展示されていません

反対側の壁には大きな肖像画。綺麗な女性の等身大の肖像画がドン、ドン、ドンと。モネの余韻が吹っ飛んでしまうくらいにインパクトがある。ポイントはドレス。ジョン・シンガー・サージェント《ラ・カルメンシータ》は金色に光り輝くよう。もちろん金なんて使っていない(はず)。でも、そう見える。モデルの表情も自信に満ち溢れている。「えっへん。どうよ。」って感じ。モデルの顔や肌の描き方はアカデミックな感じだが、ドレスの描き方は印象派的。背景も印象派のちょっと前、アカデミックからマネのあたり?そういえば、マネの肖像画でも似たような感じの背景処理があったなぁなんて。
アルベール・ベルナール《ロジェ・ジュルダン夫人》のドレスは大胆なタッチ、アンリ・ジェルヴェクス《ヴァルテス・ド・ラ・ビーニュ夫人》のドレスは緻密で繊細。見応えがあって面白い。
ジョン・シンガー・サージェント《ラ・カルメンシータ》 アルベール・ベルナール《ロジェ・ジュルダン夫人》 アンリ・ジェルヴェクス《ヴァルテス・ド・ラ・ビーニュ夫人》
【左】 ジョン・シンガー・サージェント《ラ・カルメンシータ》
【中】 アルベール・ベルナール《ロジェ・ジュルダン夫人》
【右】 アンリ・ジェルヴェクス《ヴァルテス・ド・ラ・ビーニュ夫人》

カミーユ・ピサロ《ルーアンのボワルデュー橋、夕日、霞のかかった天気》カミーユ・ピサロ《ルーアンのボワルデュー橋、夕日、霞のかかった天気》、いかにもピサロって感じ。近寄ってみたり離れてみたり。ピサロは完全な点描に走るのではなく、点描の要素をそれまでの経験の中に巧みに取り入れ融合させているように思う。いろいろ新しいことに挑戦し画風が定まらないようにも感じるが、柔軟性があって臨機応変、器の大きさを感じる。
ジョルジュ・スーラ《サーカス(エスキース)》ジョルジュ・スーラ《サーカス(エスキース)》は絵本の挿絵とかにありそう♪スッキリしていてなんかいいなぁ。とても優しく幻想的。何だろう、この感じ。ん~、以前、シャガールの作品を見たときの感覚に似てるかも。ヾ( ̄ー ̄)ゞ
《グランド・ジャット島の日曜日の午後》の習作等、スーラの作品が多数展示されてた。若くして亡くなっているうえに、手間のかかる点描作品。当然、作品数も少ない。そのため有名な画家ではあるが、意外と作品を鑑賞する機会が無い。そういう意味でも貴重な機会かも。
ポール・シニャック《井戸端の女たち(井戸端のプロヴァンス娘たち、薄明の中の装飾パネル)》ポール・シニャック《井戸端の女たち(井戸端のプロヴァンスの娘たち、薄明の中の装飾パネル)》は目がチカチカしないとても優しい点描。南仏の明るく陽気な感じが伝わってくる。色の組み合わせ方も絶妙。
スーラの点描も細かいけどシニャックの点描も細かいなぁ。しかも195cm×131cmという大きさ。凄すぎ。
ポール・シニャック《マルセイユ港の入り口》ポール・シニャック《マルセイユ港の入り口》はこれぞシニャック!といった感じの作品。カラーチップを散りばめたようなチカチカ点描、港、船。この明るい色彩は、シニャックの魅力の一つ。目が疲れるけど好き。(^_^)
シニャックの作品は大きなものが多いような気がするが、どれくらいの距離から鑑賞することを想定して描いているのだろうか。ちょっと気になる。。。

ポール・セザンヌ《台所のテーブル(籠のある静物)》はあっち向いたりこっち向いたり、かなり複雑で頭がこんがらがってくる。。。(>_<)
それぞれにつき追っていくとこれだけバラバラ感があるのに、全体としては程よく調和がとれている。なんか不思議。じっくりと向き合い絵解きしたくなる。
ポール・セザンヌ《水浴の男たち》も面白い作品。なぜか、一人だけパンツをはいている。セザンヌはけっこうシャイだったらしいので、自身を投影してるのかも。それにしてもこの作品、カッチカチだ。人物の筋肉質な感じといい、ポーズといい、全体の構図といい・・・
なんだか活きてる感じがしない、ブロンズ像とかマネキンとかを並べてるみたい。おそらく、人物を人物として捉えていないんだろうなぁ。人間もリンゴも山もみんな同じってことか。。。
ポール・セザンヌ《台所のテーブル(籠のある静物)》 ポール・セザンヌ《水浴の男たち》
【左】 ポール・セザンヌ《台所のテーブル(籠のある静物)》
【右】 ポール・セザンヌ《水浴の男たち》

ポール・セザンヌ《ギュスターヴ・ジェフロワ》ポール・セザンヌ《ギュスターヴ・ジェフロワ》は三角形の構図でどっしりと構えたポーズがインパクトあり。ジェフロワさん、とても誠実そうで紳士的な表情をしている。ものすご~く賢そう。全体的に落ち着いた色使いで素敵な作品。実はこの作品、未完だそうだ。
図録の解説によると、「ここにも複数の視点が導入されていて、画面の下方3分の1以上を占める机の天板は、ほぼ真上から捉えられている。その上に置かれた本は、手前にすべり落ちてきそうにも見えるが、観者の視点をジェフロワの顔へと巧みに誘導するよう、綿密な計算に基づいて配置されている。つまり画面右下に積まれた小型の書籍から始まり、机上の数冊の本を経て、画面左端に断ち切られるロダンの彫刻へとジグザグに進んだ視線は、その横の斜めの造花の導きに従って、ジェフロワの顔へと導かれるからである。」とある。単なる肖像画ではないってことか。セザンヌ難し~、まさかここにも静物画の複数の視点が入っているなんて思いもよらなかった。人物にばかり目がいって、そんなこと全然考えなかった。この作品は2007年のオルセー美術館展(東京都美術館)の時にも展示されていたが、その時なんて、へぇ~、格好良いジャンってそれ位にしか。いったい何を観てたんだか(T_T)当時に比べれは多少は成長したのかもしれませんが、まだまだ甘ちゃん、セザンヌさまは奥が深いです。。。(>_<)

さて、そのセザンヌを称えた作品がこちら。

モーリス・ドニ《セザンヌ礼賛》モーリス・ドニ《セザンヌ礼賛》は画商ヴォラールの画廊に集うナビ派の画家たちを描いた作品。中央にあるのはゴーギャンが所有していたセザンヌの静物画。左から、ルドン、ヴュイヤール、メルリオ(批評家)、ヴォラール、ドニ、セリュジエ、ランソン、ルーセル、ボナール、ドニ夫人。ナビ派に多大なる影響を与えたゴーギャン、セザンヌに敬意を表しているそうだが、実際にこのようにセザンヌの作品を囲んでいたのかどうかは不明。ドニ自身も描かれているが、画家たちが真剣な眼差しでセザンヌの作品に注目している中で、ドニ夫人だけはこちら、この場面を描く画家(ドニ)の方を向いて微笑んでいるのもなかなか興味深い。なお、彼らの後ろの壁に掛けられている作品はゴーギャンやルノワールのようだ。アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《黒いボアの女》「・・・当時ドニは、セザンヌの画面が持つ堅固さ、統一性、客観性に深く魅了されるようになっていた。このタブローは、セザンヌ、ルドン、ゴーギャンに敬意を捧げる『オマージュ』であるとともに、印象派と象徴主義を『総合』的に継承するナビ派の正統性を表象しようとした、遅れてきた『マニフェスト』でもある。さらには、著書『理論(テオリー)』の副題の通り『象徴主義とゴーギャンから新しい古典的秩序へ』と向かった、画家自身の探究の軌跡が凝縮された図像なのである。」とのこと。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《黒いボアの女》は画集等でよく見かける作品。実物を目にするのは今回が初めて。たぶん。。。(^_^;)ふてぶてしさというか不気味さが漂う陰のある女性、道化師のよう。この引き伸ばした荒いタッチ、好きだな~ヾ( ̄ー ̄)ゞ

ゴッホとゴーギャンは対面展示

フィンセント・ファン・ゴッホ《星降る夜》大きな展示室でゴッホとゴーギャンが対面展示されていた。なかなか斬新な展示。
フィンセント・ファン・ゴッホ《星降る夜》はとても楽しみにしていた作品。綺麗で幻想的。星は黄色、ガス灯はオレンジと使い分けているが、全体的に使っている色は少ない。空、水面、河川敷を筆触で分けている。会場で図録を読んでいて驚いたこと。図録の解説には、「画面左側には、アルルの街が見えることから、ゴッホは川のほとりで南西方向に向かってこの場面を描いたようである。しかし、大熊座は北の方角に見えるものなので、この作品は現実をそのまま描写したものではない。ゴッホは本来同時に見えないモティーフを組み合わせてこの画面を構成しているのである。」とある。《夜のカフェテラス》でもデッサンでは描かれていなかった木を油彩画では描き加え構図のバランスをとっている。ゴッホの絵がうまいか否か、つまりデッサン力があるか否かということは別にして、色彩感覚や構図には目を見張るものがある。渦巻き型の星空は当時の天文学の本に掲載されていたものを参考にしたとも言われているし、毛糸を用いて色彩の研究をしたとも言われ、とても研究熱心だったゴッホの姿がこの作品にも窺うことができる。画面手前、河川敷のカップルもなかなか風情がある。このカップルがいなかったら、かなり寂しい絵になるんだろうなぁなんて。空のグラデーションの優しさも水面の映り込みの温かさも一気に破綻してしまいそう。そういう意味でも、絶妙な人物の配置だと思う。うん、良い絵だ。ゴッホならではの厚塗りもなんだか温かみを感じる。やっぱり実物は画集とは迫力が違うね~、この絵、大好き♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ
ポール・ゴーギャン《黄色い積みわら(黄金の収穫)》ポール・ゴーギャン《黄色い積みわら(黄金の収穫)》はなかなか面白い作品。積みわらのこんもりとした感じがなんかいい。鶏と猫もいる。色使いはいかにもゴーギャンって感じだが、色にも構図にも荒々しさは感じられずとても穏やか。けっこう省略した描き方だが、ベタ塗りの単純さではないので、程よいスッキリ感。秋の収穫期の雰囲気や温かさが伝わってくる。
この作品は07年の時にも展示されていた。そのときは、これといった印象は無かったが、今回はとても気になった。ゴーギャン展でゴーギャンの作品をいろいろ観たからかな?

モーリス・ドニ《カルヴァリオの丘への道》はシンプルだけど深い精神性を持った作品。ドニって宗教画家だなぁとしみじみと思う。
モーリス・ドニ《ミューズたち》は画集等でよく見かける有名な作品。とても静か。陶器やマネキンのような肌の質感の女性たち。なんて言えばいいんだろう、ポール・デルヴォーの描く女性に通じるものがあるとでも言えばいいのかな?そこまで幻想的だったり神秘的だったりはしないのだが、何か根源的な部分で通じているとでも言うか。。。

ギュスターヴ・モロー《オルフェウス》ギュスターヴ・モロー《オルフェウス》も今回とても楽しみにしていた作品のひとつ。冷静に考えると川を流れてきた生首を拾い上げるということ。いろいろと突っ込みどころはあるが、神話の世界を耽美に描いた象徴主義の代表作。とても詩的な作品。詩人オルフェウスだけに。(* ̄m ̄) プププッ人物の表情もとても綺麗で憂いに帯びて深い精神性を感じる。また、女性の衣装の装飾的な描写もとても見応えがある。オディロン・ルドン《目を閉じて》サロメの衣装とは一味違った味わい深さ。落ち着いた色使いでとても静か。カミーユ・コローの銀灰色の詩的世界を想起させる。
オディロン・ルドン《目を閉じて》も画集でよく見かける有名な作品。薄塗りでササァ~って感じ。無駄なものを全て削ぎ落としたかのようなシンプルさ。仏教の世界にも通じる深い瞑想の世界。そういえば、このような顔立ちのイエス・キリストの肖像画を観たことがある。誰の作品だったかは思い出せないけれど。ルドンはグロテスクな作品が多いけれど、このような深い精神性を持った穏やかで優しい作品の方が好き。

ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ《貧しき漁夫》もとても静かな作品。瞑想。でも、どちらかというと、神秘性や精神性よりは、地味って言ったほうが・・・(^_^;)
直前に国立西洋美術館で同名の縦長バージョンの作品を鑑賞してきた。もちろんこの展覧会を意識して予習を兼ねて。普段は適当に流してしまいしっかりと向き合うことが無く、また鑑賞する機会もそう多くは無い画家だけに、ちょうど良い機会かなぁと。
ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ《貧しき漁夫》 ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ《貧しき漁夫》(国立西洋美術館蔵)
【左】 ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ《貧しき漁夫》
【右】 ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ《貧しき漁夫》(国立西洋美術館蔵) ※この作品は展示されていません

最近とても気になっている画家、ハンマースホイ

ヴィルヘルム・ハンマースホイ《休息》もとても静かで詩的な作品。静寂。まさにその一言に尽きる。象徴主義のようなメランコリックな重苦しさは感じられず、とても穏やかでホッとする。07年のオルセー美術館展のときにも《室内、ストランゲーデ30番地》という作品が展示されていたが、そのときはほぼスルー状態。印象派にはまっていた時期の印象派メインの展示、こういう地味な静かな作品はインパクトに欠けるだけに・・・その後、国立西洋美術館で回顧展が開催されたが、そのときもイマイチ気乗りしなかったので観に行かなかった。なんとなく興味はあったけど。今思うと、とってももったいないことをしたなぁと後悔しまくり。まぁ仕方ないです。年を重ねれば興味も好みも変わります、女の好みや音楽の好みと同様絵画の好みも。(* ̄m ̄) プッ
ハンマースホイの作品も直前に国立西洋美術館の常設展示で鑑賞してきた。この作品も西美の作品と同じモデルさん(奥さん)なのかなぁ。
ヴィルヘルム・ハンマースホイ《休息》 ヴィルヘルム・ハンマースホイ《室内、ストランゲーデ30番地》(オルセー美術館蔵) ヴィルヘルム・ハンマースホイ《ピアノを弾くイーダのいる室内》(国立西洋美術館蔵)
【左】 ヴィルヘルム・ハンマースホイ《休息》
【中】 ヴィルヘルム・ハンマースホイ《室内、ストランゲーデ30番地》(オルセー美術館蔵) ※この作品は展示されていません
【右】 ヴィルヘルム・ハンマースホイ《ピアノを弾くイーダのいる室内》(国立西洋美術館蔵) ※この作品は展示されていません

大本命《蛇使いの女》

アンリ・ルソー《蛇使いの女》ルソーの作品は2点。アンリ・ルソー《蛇使いの女》は大本命。とっても不思議な不思議な世界。アナコンダのような大きな蛇から肩に乗せた中型?の蛇から、蛇がいっぱい。木の枝や幹もだんだん蛇に見えてくる。横笛を吹く女は目と胸だけが強調されている。大きな木の葉っぱはハート型。手前にはサンスベリアのようなものもある。ルソーは植物園で見た動植物等を参考にして描いたそうだ。
アンリ・ルソー《戦争》《蛇使いの女》とは対照的なゴチャゴチャした感じの作品。けっこう激しく、生々しい。
ルソーの作品は絵解きをしようにも何がなんだかよくわからない。面白いとか不思議とか変わってるって言ってしまうとそれで終わってしまうのだが、本当はルソーは何を表現したかったのだろうか。さっぱりわからん。(^_^;)

質の高い作品が揃った素晴らしい展覧会、とても楽しかった♪
ポスト印象派メインということだったが、最初の展示室にインパクトがあった。あれだけ素晴らしいモネが揃っているとね。。。(^_^;)
後半はどちらかというと詩的で静かな作品が興味深く感じられ、心を惹かれた。この日はとても暑かったので、ゴチャゴチャした暑苦しい作品より、静かで涼しげな作品の方が魅力的に感じたのかも。(^_^;)
07年のオルセー美術館展の時に展示されていた作品も多かったが、自身の作品の捉え方、鑑賞ポイント等が結構変わっていたのに驚いた。新しい発見が多かったともいえるが、今まで何を観てたんだろうという情けない気持ちにもなった。今まで、相当見落としてたんだなぁと。一応、多少は成長してるいうことなのかな。
数年後にまた同じ作品と向き合うことになったら、さらにまた同じような気持ちになるんだろうなぁとも思った。良くも悪くもいろいろ観てもっと経験値を上げなければと。ヾ( ̄ー ̄)ゞ

オルセー美術館展01

オルセー美術館展02

おでかけ記録
http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2010-07-27

オルセー美術館展(東京都美術館:2007)
http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2007-02-16


オルセー美術館展2010「ポスト印象派」公式サイト(http://orsay.exhn.jp/

国立新美術館(http://www.nact.jp/


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  • 出版社/メーカー: 平凡社
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  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
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kuwachan

おはようございます。
GWにパリに行ったときに超久しぶりにオルセーに行き
この展覧会で見た絵画たちにも出会ってきました。
この絵が貸し出された時はオルセーが改装中だったのですね。
私の場合、一度にたくさんの絵を見るのは限界があって
日本の美術展って結構丁度いいなと思ったりしました^^;
ゴッホの「星降る夜」、私も好きです☆
by kuwachan (2012-07-07 09:52) 

ぽんこ

オルセーって展示室の壁の色を変えたんですよね。
その壁の色がとっても絵を引き立てていて
TVでみて感動しちゃいました。
日本の展示会ではどうだったのでしょうか。
by ぽんこ (2012-07-07 11:42) 

雅

これなら素人の自分でも楽しめそうですね。
来週横浜に帰るので美術部の次女と二人でデートがてら行ってきますかね。
by (2012-07-07 21:23) 

りゅう

○kuwachanさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
新装オルセー美術館、羨ましい。。。
来日展はテーマに沿って厳選された作品で構成されるだけに、
とても見やすいですよね♪
ゴッホの「星降る夜」、
時間をかけてたっぷりどっぷり楽しみましたよ。ヾ( ̄ー ̄)ゞ

○ぽんこさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
日本で開催される展覧会は、作品の見せ方、見え方にとても力を入れています。壁紙の色や照明はもちろん、作品を展示する高さ、隣の作品との関係・・・渋谷のBunkamuraはソファーにも!
横浜で展示されたドガの《エトワール》はオルセーで見るよりも綺麗だと大絶賛だったそうですよ。

○雅さん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
ゴメンナサイ、これは2年前の展覧会です・・・(^_^;)
現在国立新美術館では大エルミタージュ美術館展が開催されています。
ざざぁ~っと400年分、絵画の歴史を辿れます。
上野ではフェルメールの展覧会が始まりました。
《真珠の耳飾の少女》に会えますよー (^_^)/

○miyokoさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○ゆきママさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○にいなさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2012-07-07 22:31) 

TaekoLovesParis

りゅうさん、エルミタージュ美術館展の記事を書いたので、りゅうさんの記事にリンクをつけさせていただきました。紹介写真が全くかぶってないんですよ(笑)
今から出かけるので、帰ってきてから、この記事、ゆっくり読んで、コメントしますね。
by TaekoLovesParis (2012-07-08 12:44) 

りゅう

○TaekoLovesParisさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
ようやく2010年の感想記事が終わりました。
このオルセー展、とても楽しかったのですが、打ちのめされた感が強くて。。。
記事を書いていたら鑑賞時の打ちのめされた感が蘇ってきて手が止まってしまい、置きっぱなしになっていました。(^_^;)
リンクありがとうございます。
私も早くエルミタージュ展の感想記事を書けるように努力します。
まずは、2011年の3展、頑張ります。
by りゅう (2012-07-08 23:58) 

りゅう

○uminokajinさん、はじめまして。nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2012-07-11 00:36) 

くみみん

今やってるのかな?と思った(^_^;)観たことあるって思ったら前のね(笑)
これも休日観覧できてゆっくり観たんですけど…もう忘れてる方が多い。見ると思い出すけど\(-.-メ)
りゅうさんみたいに説明できない(笑)
ハンマースホイ展も行ったんだけど。。。でも、なんか好きこの人の絵♪

来週、書道に先生の展覧会に都美に上野まで行くんだけどパンダちゃんの献花ってまだやってるのかなあ?
by くみみん (2012-07-11 23:04) 

TaekoLovesParis

りゅうさん、ゆっくり見て、コメントしたかったので、遅くなりました。
どれにも、りゅうさんのオリジナル解説が面白くて、にやっとしながら
読みました。オルセー展にはなかったけれど、同じテーマ、という作品を
並べて見せてるのが、興味深かったです。モネはすいれん、だけでなく、舟遊びも、何枚も描かれたテーマなんですね。水に映る姿にきっと、魅せられたのでしょうね。アクオスのCM、懐かしいです。

3人の女性のドレス姿、同じ部屋での展示でしたね。こうやって、ドレスに
注目して見るのも楽しいですね。綺麗な人たちでしたし、ねっ、りゅうさん。
私にとってもシニャックは、青とピンクと白、黄色、眩しい色づかいと
いう印象だったので、「井戸端、、」はとてもおちついた絵に見えます。
北斎に影響を受けたような手前の道の表現が好きです。
セザンヌね、好きです、でも視点を変えて見たりが、できないので、セザンヌは難しい。絵の中に理論があるんですね。りゅうさんも、奥が深いとおっしゃってるので、なんか安心しました。パンツの人は自分なんですか、なるほど。うふ。
西洋美術館の「ハンマース・ホイ展」で、私は初めてホイを知ったんです。
以来、独特の静けさがとても気に入ってます。ほとんど全部、奥さん(イーダさん)がモデルでした。だから、これも、イーダさんだと思います。

ゴッホの「星降る夜」、すてきな作品ですね。星がきらめいて、水がさざめいて、静かな夜なのに、動きが感じられます。手前にいるカップルは、実際の絵で見ると、とてもはっきりわかって、重要なアクセントなんだな、ってわかりました。
印象に強く残るいい絵ばかりで、良い展覧会でしたね。
by TaekoLovesParis (2012-07-12 02:06) 

りゅう

○くみみんさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
たいっへん、遅くなりました。。。(^_^;)
休日観覧羨ましいです!!
休日観覧したいです、フェルメールで!(^_^)/
献花台の設置は25日までだそうです。
みいちゃんの抜け殻、いや、くまねこ着ぐるみをお供えすると、
みいちゃんは喜ぶかも。(^_^;)
都美、《真珠の耳飾りの少女》レポも楽しみにお待ちしております♪
マウリッツハイス展、珍しく前売券を購入しました。
コットンスカーフ付前売券ですよー♪(≧▽≦)b

○TaekoLovesParisさん、コメントありがとうございます(^o^)丿
この日はカポディモンテ美術館展とともに国立西洋美術館の常設展を鑑賞してからオルセー美術館展に乗り込みました。西美の常設って凄い、面白いって改めて思いましたよ♪
ゴッホの《星降る夜》も素敵でしたね。今年も七夕は雨でしたが、この記事を七夕にアップして、ふふふっって感じでした♪(/ー\*) イヤン♪
ドレスアップした美しい女性の等身大肖像画、これ必見!(≧▽≦)b
ハンマースホイ、あとで図録を読み込もうと思います。
by りゅう (2012-07-12 23:58) 

Inatimy

そうか・・・オルセーから日本へ出張に行ってる絵が多いんだ・・・。
帰ってくるの、待とうかな~(笑)。 だって、見たいのが多いんだもの。
by Inatimy (2012-07-13 20:27) 

りゅう

○Inatimyさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
ちょうどオルセーの改修工事中、2年前の展覧会です。(^_^;)
既にオルセーに戻っていますが、人気のある代表的な作品ばかりなだけに、
新たに出張しているものもありそうですよね。
リニューアルしたオルセー美術館のレポ楽しみにお待ちしております♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ
by りゅう (2012-07-14 22:15) 

naonao

オルセーの絵はオルセーでじっくり観てきましたが、日本には何でも来ちゃうのがすごいですね。
モネの絵が日本の美術館にはたくさんあるのもすごい♪
by naonao (2012-07-19 21:02) 

りゅう

○naonaoさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
モネも日本が好きでしたが、日本人もモネの絵が好きですよね~
なんかいい感じ♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ
遠いので輸送リスクはありますが、日本は作品の扱いや管理には定評があるだけに、貸出許可が出やすいのかもしれません。
集客も見込めますしね!
ありがたや~ニャハハ (*^▽^*)
by りゅう (2012-07-22 23:05) 

laysy

「ノルウェー型の舟で」ほんわかとした印象だけど、物の形はくっきりと判るんですね。
モネって不思議な画家ですね〜
モローは大好き〜絵自体の印象が良いのもあるのですが、選ばれてる題材が神話の世界なのもまた楽しい〜
画題のオルフェウスでデルヴィルのオルフェウスを思い出しました。
本物を目にしたらウットリ眺めてしまうことでしょう…
by laysy (2012-08-25 22:54) 

りゅう

○laysyさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
モネ、大好きです♪
印象派の作品は落ち着きます。
モローも大好きですよ♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ
デルヴィルのオルフェウス懐かしいです。
ベルギー象徴主義の展覧会で観ました♪
あの作品はとても強く印象に残っています。(^_^)
by りゅう (2012-08-29 01:34) 

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