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フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展 [07展覧会感想]

六本木の国立新美術館で開催されている「フェルメール『牛乳を注ぐ女』とオランダ風俗画展」を観に行きました。この展覧会は、オランダ美術の宝庫として知られるアムステルダム国立美術館の膨大なコレクションから、ヨハネス・フェルメール、ヤン・ステーンなどオランダ17世紀を代表する画家たちの作品や、外光と大気の表現に鋭い感性を示した19世紀のハーグ派の画家たちの写実的な作品など、油彩画40点、水彩画9点、版画51点を厳選して、17世紀初めから19世紀末までのオランダ風俗画の多様な展開を紹介し、豪華な工芸品16点の展示により、オランダ上流市民の豊かな暮らしぶりをうかがうものだそうです。 

~展示構成~
1.「黄金時代」の風俗画(台所の情景と女の使用人、室内で、行商と屋台、飲酒と享楽、版画) 2.フェルメール《牛乳を注ぐ女》 3.工芸品/フェルメールと音楽(工芸品、古楽器、家具) 4.版画と素描(女の仕事、家族、男と女、酒場の情景、カリカチュアと寓意、女性のイメージ) 5.偉大なる17世紀の継承と模倣(商店と配達、台所の情景と女の使用人、室内で) 6.19世紀後半のリアリズムの風俗画(針仕事をする女性、台所の情景、室内で)

風俗画とは・・・
風俗画は、人々の日常生活を描いた絵画です。ルネサンス以降の絵画の主流は、聖書や古代神話を主題にした歴史画でした。しかし、市民たちが政治・文化の担い手となった17世紀オランダでは、従来の歴史画も描かれる一方で、台所や市場で働く人々や、室内で談笑する上流市民など、日常を題材にした親しみやすい風俗画の人気が高まりました。こうした風俗画は、一見、ありのままの現実を写しとったかのように見えますが、しばしば複雑な教訓的意味が込められており、その謎解きも風俗画の魅力のひとつとなっています。
初期の頃は聖人や神話の人物を描いていたフェルメールも、1656年以降は主として風俗画を手がけるようになり、室内で歓談したり手紙を読んだりする上流市民の暮らしの情景を、静謐な画面にとらえ出しました。(公式サイトより)

※これを前提知識として把握しておかないと、《牛乳を注ぐ女》を見た!という既成事実だけの、一点もの展示のつまらない展覧会で終わってしまう可能性が非常に高いです。ご注意を!!

 

コルネーリス・ビスポップ《りんごの皮を剥く娘》コルネーリス・ビスポップ《りんごの皮を剥く娘》はコルネーリス・ビスポップによる風俗画のなかでも、最も優れた出来栄えと賞賛を集めた作品だそうだ。穏やかな休日の午後って感じの柔らかい光の描写が特徴の作品。とても奥行きがあり、ちょっと不思議な感じがする。微妙な色の変化によ描かれた明暗が拍車をかけている。ついつい惹きこまれてしまう不思議な作品。見応えがあります。カスパル・ネッチェル《子供の髪を梳く母のいる室内》カスパル・ネッチェル《子供の髪を梳く母のいる室内》は子供が登場する題材と繊細な筆遣いの点でネッチェルの円熟期を代表するそうだ。図録の解説によると、「豪華な衣、絨毯や調度品が精緻な細部から成る一方で、人物の顔などは明確な輪郭線ではなく微妙な陰影で表されており、作品全体として極端な写実性を避け、室内に母と子が集う親密で穏やかな雰囲気の演出に成功している。」とのこと。鏡の前で舌を出している様子がお茶目ないたずらっ子という感じで可愛らしい。スカートの光沢が綺麗でとても見応えがありますね!青い上着もいいね~(^_^)/この作品、特に青い上着をフェルメールに描いて欲しかったな~教訓的メッセージや寓意的意味があるようだが、そーゆー難しいことは一切無視!!(笑)緻密で繊細な描写と可愛らしさを充分に堪能できる作品です♪
ハブリエル・メツー《食事をする男と女》はこの展覧会の直前に修復されたものだそうで、図録に掲載されている図版は修復前のものだそうです。会場内で修復前の図版と実際に展示されている修復後のもの比較をしてみるのも面白いのではないでしょうか。(≧▽≦)b女性のこめかみにある大きなつけぼくろは当時のおしゃれの一つで、肌の白さを際立たせるために用いられていたそうです。この展覧会にはつけぼくろをした女性を描いた作品がたくさんありました。それらを見比べてみるのも面白いのではないでしょうか。《猫の朝食》に描かれているニャンコも可愛かったです♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ

フルートグラスでワインが飲みたくなりました♪(^_^)/

ヤン・ハーフィクスゾーン・ステーン《ワインを飲む男と女》ヤン・ハーフィクスゾーン・ステーン《ワインを飲む男と女》はなかなか興味深い、描かれている場面は別として。色の組み合わせ、ワイン、グラス、酒瓶、細部までとても見応えがあります。「17世紀オランダ風俗画において男女の恋の場面を描いた作品は一分野をなしていたが、こうした作品の中で、手紙のやり取りや楽器の奏楽と並んで恋の小道具として好まれたのがワインであった。・・・ステーンが得意としたのは、人々の愚かな振る舞いをユーモアと風刺をこめた喜劇調に描く風俗画であった。しかし、本作品ではそのようなステーンの諧謔性、喜劇調、辛らつな風刺はなりをひそめ、洗練された男女の求愛の様子を表すさまざまな工夫が凝らされている。・・・本作品の女性はフルート・グラスと呼ばれる細い円錐型の上品なグラスを手にしている。また、グラスの脚部を親指と人差し指で軽くつまむ持ち方は、フェルメールらが女性を描く際にも用いたもので、1701年に刊行されたヘラルド・デ・ライレッセの『素描術の基礎』においては、最も都会的なグラスの持ち方とされた。こうした細かい演出が、男女の表情とあいまって、場面の洗練された雰囲気を高めているのである。本作品は、まさにステーンの画家としての技量の幅広さを示す1枚といえよう。」とのこと。なるほどね~、ワインは恋の小道具か。がつがつ飲んでる場合じゃないなぁ。。。⊂(¬^*) ゴクゴク(そう言いつつ飲んだくれてる・・・(^_^;))ここに描かれているようなフルート・グラスが会場に展示されています。フルート・グラスでワインが飲みたくなったのは言わずもがな。(※ワイン用ではありませんが持ってます♪(≧▽≦)b)

版画:ヤーコブ・マータム連作「聖書の主題のある台所と市場の場面」は魅力的な食物のあふれる市場や台所場面の背景に、本来より重要なはずの聖書の物語が小さく表されているそうだ。どれも細かくて凄い。特に見入ってしまったのが、《「放蕩息子」のある市場の場面》(アールツェンに基づく)。コルネーリス・デュサルト連作「12ヶ月」《3月》《9月》がよかったです。「12ヶ月」は中世時祷書の挿絵「月暦図」に由来し、16世紀フランドル、17世紀オランダの油彩画や版画では、季節に伴う農民の労働や市場の情景として表されたそうです。

大本命♪ ある意味、一点ものかな!?

今回のメイン、ヨハネス・フェルメール《牛乳を注ぐ女》。ロープで区切られ、最前列は止まらずにお進みくださいとのこと。レオナルドの《受胎告知》同様、必殺カニ歩きです♪(≧▽≦)b事前に情報を得てはいたものの、やっぱり遠い・・・(T_T)ちっこい作品なんだからこんなに離さなくっても。。。単眼鏡や双眼鏡を使っている人もいましたが、それもどうかな~という感じで。(※「コンタクトしている時点で肉眼じゃね~だろっ!」との突っ込みは無視します。)作品の前に白い台、その前には柵。おかげで距離は約2m。サイドには警備員が目をギラつかせていて、柵から乗り出すようにして作品との距離をつめると、ピクッと反応します。W(=0=)W ガオォー!!歩きながらパンに用いられている点描をしっかりとチェックするのはなかなか厳しいものがありますが、何度でも挑戦できます。何度でも~、何度でも~♪(≧▽≦)b1回で隅々まで全てをチェックするのは実質的に不可能なので、その都度チェックポイントを決めて、計画的に繰り返し鑑賞するのがよいのではないでしょうか。
点描や壁の釘、割れたガラスはともかく、青色はとても見応えがありました~、これを見ることが出来ただけでも充分。O(≧∇≦)O イエイ!!ラピスラズリを用いた綺麗な青色。100年経っても200年経っても衰えを知らない鮮やかな美しさ。互いに引き立てあう黄色も素晴らしい。シンプルな背景もいいですね~、そして、窓から差し込む柔らかい光。それよってもたらせる微妙な色の変化。静けさの中で、牛乳を注ぐ音だけが優しく冷たく響くように感じる。女性の真剣な表情に釘付け、注意深く注がれる牛乳に、つい、息をのんでしまう。(^_^)
当時、フェルメールはさまざまな様式や主題を探求していたそうで、「・・・細部まで克明に描かれた背景と前景のモニュメンタルに描かれた女性との対照性は、まことに見事だ。床に置かれている足温器は、女性の貞節ややさしさを願う気持ちを表わすものであり、その後ろの壁に貼られたタイルにキューピッドが描かれていることも、それと関連している。(西洋絵画の巨匠 P8より)』とのこと。このタイルと同種類のものが展示されていました。描かれているタイルは当時購入することができた最も簡素な類のものだそうです。ヾ( ̄ー ̄)ゞ
「絵の消失点は壺を持つ女の右手の少し上に設定されている。消失点の位置は、フェルメールの作品としては、比較的低く取られており、そのため女を見る我々の視線は、心持ち見上げるようになる。それにより、女は堂々たる存在感を獲得することになったのである。ところで、フェルメールは消失点にピンを留めて、それに糸を結びつけて、画面の遠近法を構成した。実際、窓枠や窓を分割する鉛製の桟の線を延長すると消失点へと達する。」とのこと。展示の直前にはこのあたりの解説ビデオが流されています。但し、ここは座る場所がありません。混雑時にはビデオでも見て待ってろ、ということか。混雑していませんでしたが、鑑賞前にしっかりとチェックしました!!(^_^)/全ての展示の最後にもビデオ上映があります。こちらはちゃんと座れます。でも、途中でうとうとしてきた・・・( u _ u ) クゥゥゥ。o◯このビデオ上映を見てから再び《牛乳を注ぐ女》を鑑賞して会場を後にしました♪O(≧∇≦)O イエイ!!
《牛乳を注ぐ女》を再現した部屋がありましたが、ふぅ~ん・・・って感じ。むしろ手前にあったたくさんの古楽器のほうが見応えがあります。どんな音がするのかちょっと気になりますね、楽器のことはよくわからないけど。工芸品の展示ではフルートグラスやタイルのほかに花瓶や皿等がありました。見応えがあったのは、作者不詳:デルフト《冬景図皿》、作者不詳:デルフト《風景のある陶板》、フレデリック・ファン・フレイトム《風景のある陶板》あたりかな。

版画:へールトライト・ロホマン連作「女の仕事」はとても見応えのあるものでした。特に良かったのは《磨き仕事をする女》。この版画シリーズはこの展覧会で唯一の女性作家による作品だそうです。17世紀オランダにおいて女性が芸術家になるのは稀だったそうです。ワララン・ファイアン《酒場で眠る子供を抱く女》(コルネーリス・ベーハーに基づく)も見応えあり。しかし、レンブラントの版画はいけてなかった・・・(・_・;)
パウルス・コンスタンティン・ラ・ファルグ《ハーグの女の使用人》《スヘーフェニンゲンの魚売りの女》は綺麗お姉さんを描いた水彩画。《ハーグ~》はほうきを持ってお掃除中、《スヘーフェニンゲン~》は帽子を被った頭の上に魚の入った籠。しかも手放し。。。Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!す、すげー!!

ウィレム・ファン・ミーリス《家禽商》窓枠を通して見える店の情景は「店舗画」と呼ばれ、17世紀半ばにヘラルト・ダウが考案した題材だそうだ。この題材を継承した作品が、ウィレム・ファン・ミーリス《家禽商》とフランス・ファン・ミーリス2世《雑貨商の女店主》。いずれも細部までキッチリと描きこまれた見応えのあるもの。色合いが若干異なるがいずれの女性も肌の質感が陶器のように滑らかで素晴らしい。《雑貨商~》の透通るような白色系のほうが好きかな。フランス・ファン・ミーリス2世《雑貨商の女店主》ヤコーブス・ヨハネス・ラウウェルスはヘラルト・ダウをはじめ17世紀の画家たちの風俗画を複製したほか、同種の題材の風俗画を自身でも描いたそうで、《井戸から水を汲む女》はフランス・ファン・ミーリスによる《井戸から水を汲む若い女》との類似が指摘されているとのこと。女性の服の白色が綺麗。女性が魅力的♪フランス・ファン・ミーリス2世(1689-1763)の父であり師であったのがウィレム・ファン・ミーリス(1662-1747)だそうだ。このウィレム・ファン・ミーリスの父であり師であったのがフランス・ファン・ミーリスとのこと。図録の解説もあっちこっちとんでいてなんだかゴチャゴチャしてたので自分なりに整理してみたけど、一応、これであってるのかな?やっぱり、よくわからん。。。ははは。(^_^;)
と、ところで、ヘラルト・ダウの作品は?・・・(@_@)

アドリアーン・ムーレマンス《ランプの明りに照らされた台所》アドリアーン・ムーレマンス《ランプの明りに照らされた台所》「フェルメール《牛乳を注ぐ女》と同じように、使用人の日常をスナップショットで切りとったように見えるかもしれないが、この場面はより伝統的な形式の中に設定されている。・・・使用人の女と、彼女が他者の要求にもたらす献身は、美徳という抽象的な理想の典型として描かれている。」そうだ。ミヒール・フェルステーフ《台所の女》このアーチ型の枠の中に労働者階級の女性を描いた構図はヘラルト・ダウによるものだそうで、当時とても人気があり、また、夜の家庭の情景を広く普及させたのもヘラルト・ダウだそうで、「ムーレマンスはこれら二つのタイプのイメージのいずれにおいても、ダウを模倣している。」とのこと。ムーレマンスの義兄、ミヒール・フェルステーフが描いたのが《台所の女》。この作品は《牛乳を注ぐ女》をどことなく連想させるそうだ。「・・・若い女性が質素な室内を背景に描かれている。静かな家庭の雰囲気の中に単身で描かれた人物たちは、徳高き日々の仕事に精を出している。それに加えて、フェルステーフは、フェルメールと同じように光の効果と質感の描写を強調している。」とのこと。《ランプ~》《台所~》ともに1817年頃の作品。女性の顔が似ているようにも思える、同じモデルかな???蝋燭の炎がちょっとラ・トゥール風♪(^_^)

アブラヒム・ファン・ストレイ1世《主婦》アブラヒム・ファン・ストレイ1世《主婦》は窓から差し込む光が優しく、とても穏やかな作品。まさしくフェルメール風♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ穏やかな作品は心が和んでいいですね~、こーゆー感じの作品をもっと展示してくれればいいのに。。。ウェイブラント・ヘンドリクス《室内で縫物をする女》はノンビリとした感じがいいね~手前の毛玉で遊んでいるのはプードルだそうだ。19世紀初め、親しみやすいものとエキゾチックなもののいずれもが強く求められ、親しみやすいものは静けさに満ちた民家の室内として描かれたそうだ。全体的に明るい色彩で透明感がある。ヨーゼフ・イスラエルス《小さなお針子》は暗い色彩で人物と花瓶のチューリップに視線が集中する。「背後に見えている花瓶に生けた赤いチューリップは、陰気な室内を楽しげな調子で引き立てることを意図したものであろう。少女に光があたり、すべての関心がこの序に集中しているさまは、親密な雰囲気や彼女がたゆまず自らの仕事に集中している様子もそうなのだが、フェルメール《牛乳を注ぐ女》との類似を示している。足温器や背後の壁のタイルのような付属物も、また両方の画面に現れている。」とのこと。《小さなお針子》は暗い色あいの油彩画であるのに対し、《お針子》は若干明るめの水彩画。こちらも見応えあり。

ヤーコブ・マリス《窓辺の少女》ヤーコブ・マリス《窓辺の少女》は現代風のなかなか面白い作品。「・・・確かにフェルメールは自由な筆触で描いたが、その描画の様式はマリスほど粗いわけではなかった。・・・彼はまた、フェルメール以上に全体としてのに専念しており、ほかの要素-似ていること、細部、質感表現-はすべて、二義的な重要性しかもたないとみなしていた。・・・《牛乳を注ぐ女》との類似性は、何よりも、物思いに沈む少女のモニュメンタルでありつつも平凡な有り様に、また同じく開いた窓から差す光にも、存するのであり、それによって情景には、親密で、ほとんど夢見るような雰囲気がもたらされている。とのこと。マリスはカミーユ・コローやミレーの影響を受けているそうです。なるほどね~、ふ~ん。。。ニコラース・ファン・デル・ヴァーイ《アムステルダムの孤児院の少女》ところで、この作品から《牛乳を注ぐ女》との類似性を見出すことは私のような素人には困難です・・・(T_T)シクシクっつーか、無理!!(笑)ニコラース・ファン・デル・ヴァーイ《アムステルダムの孤児院の少女》は印象派のような軽い感じの優しい作品。光輝くような白色の感じがとても綺麗で見応えがあります。O(≧∇≦)O イエイ!!「少女は画面の中央に配され、ほとんど全身が、やや下方から見上げて描かれている。このために、また逆光が彼女の横顔を照らし出していることもあって、少女の様子は、フェルメール《牛乳を注ぐ女》に似た、ある種のモニュメンタリティを示している。さらに、光りの戯れと人物の夢中になっている様子のおかげで、二つの作品は、同じ黙想にふけるような雰囲気をかもし出している。」とのこと。こちらも、言われてみれば、まぁ、確かに・・・という感じではあるが。(^_^;)むしろ印象派の影響をもろに受けているように感じたのだが。オランダにおける印象派の主導者の一人、イサーク・イスラエルス《女の使用人》は明るい色彩ではあるが、ひんやりとした感じ。もうすこし温かみを持たせてもいいのに。。。ヾ( ̄ー ̄)ゞなんか雑な感じがするんだよね・・・

光りが柔らかいですね。以前、世界遺産の番組でオランダを取り上げていた時に、オランダはすっきりとした青空の快晴の日が少ないといっていたように記憶しています。曇りや薄日が多く、窓から差し込む光りも黄やオレンジといった暖色系の強い日差しではなく、白がメインの寒色系で弱い日差し。描かれている作品に共通する特徴かな。また、部屋の奥まで光りが届くよう天井は高く、明かり取りの窓も高い位置にある。逆光で描かれている作品であってもコントラストは弱い。フェルメールは勿論、会場全体に共通して、微妙な色の変化がとても見応えありました♪(^o^)丿しかし、日差しが柔らかすぎてボヤボヤになってしまうので、印象派の画風には向かないように感じました。
風俗画って面白いっすね~♪(^_^)/見応えのある興味深い作品が揃っているにもかかわらず、フェルメール《牛乳を注ぐ女》というビッグネームに埋没してしまっているのはちょっともったいない。フェルメール、さらには《牛乳を注ぐ女》について、より深く知るためには時代背景や他の画家との関連性等を知ることが重要。しかし、この展示内容はフェルメールとの関連性、類似性に固執しすぎ。中にはこじつけ?と突っ込みたくなる作品も。。。(^_^; アハハ…
本命の《牛乳を注ぐ女》見せてやってるんだぞっ!!って感じで展示に難あり。ん~残念・・・これだったら1点もののほうがよかったなぁ。他の作品にかかるレンタル料や保険料を春のレオナルド・ダ・ヴィンチ《受胎告知》の時のような特注のガラスケースや金属探知機に回したり警備人数を増やす等、万全の体制をしいて、鑑賞者の視点に立った満足度の高い展示にして欲しかった。公式サイトで鑑賞ポイントに点描等を挙げているが、監修者の人はあの距離から歩きながらの鑑賞に違和感はないのだろうか。つーか、本当に細部までキッチリと見えているのかな?幸い夜間開館時で空いていた為、繰り返し列に並び必死でゆっくりじっくり鑑賞することが出来たが、混雑時で一発勝負となったら、ちょっとキツイかも。開館1年目、今後に期待したいと思います。それにしても、小さくても、離れていても、オーラを放ちまくっているその姿はさすがですね!!(^_^)/

  • 図録:2300円
  • 音声ガイド:500円

国立新美術館(http://www.nact.jp/

公式サイト(http://milkmaid.jp/)※図録の通販&混雑情報あり

東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/event/bi/milkmaid/)※割引券あり

NHKプロモーション(http://www.nhk-p.co.jp/tenran/vermeer/index.html
                                            ※図録の通販あり

チラシです。(参考までに)

 

 

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  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 大型本

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  • 発売日: 2007/07
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フェルメール全点踏破の旅 (集英社新書ヴィジュアル版)

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  • 出版社/メーカー: 新潮社
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  • メディア: 単行本

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国立新美術館

 

 


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くみみん

こんばんは。
フェルメール、今日行こうかなって思ったんですが、ちょっとバタバタしていて行けなかったです。でも、ぜひ行きたいです♪
古楽器も興味があります♡
牛乳を注ぐ女はオランダの宝ですから何かあったら国際問題?ですものね。必死なんでしょう=^-^=♪
by くみみん (2007-11-16 23:06) 

pistacci

行く前にフェルメールは一点のみ、と、聞いていたので、わたしも、わりとじっくりと説明を見ながら風俗画を見ましたが、おもしろかったですね。
男女の普段の様子とか、なんとかの象徴、とか、隠された意味があるというのも興味深く見ました。あぁ~りゅうさんの説明読むと、また違った角度から絵が見られそう。
by pistacci (2007-11-17 01:06) 

サンフランシスコ人

《アムステルダムの孤児院の少女》をぜひ観たいです!
by サンフランシスコ人 (2007-11-17 07:01) 

りゅう

>kumiminさん、こんにちは。nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
金曜の夜間開館時が狙い目だと思います♪
私ももう一度行ければと思っています。
上野のシャガール君のチケットもありますし。( ̄ー ̄)v

>pistacciさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
フェルメールブルー、見応えありました!
風俗画もなかなか面白かったですね。
会場では漠然と眺めていた!?作品が、図録の解説を読んでいたら、
とても興味深く感じ、もう一度観たいという気持ちが強くなりました。

>サンフランシスコ人さん、コメントありがとうございます(^o^)丿
展示のラストが《アムステルダムの孤児院の少女》でした。
風俗画の締め括りに相応しい素晴らしい作品でした♪(^_^)/

>チャッピィーさん、はじめまして。nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2007-11-17 16:56) 

はな

こんにちは♪
いつもながらりゅうさんの愛情たっぷりボリュームたっぷりの記事には
尊敬の念を抱いてしまいます!!
すごい~!!

フェルメールはもちろんですが、他にもたくさん興味深いものがありましたね。
私も古楽器はすごく心惹かれました。
by はな (2007-11-17 21:53) 

くみみん

こんばんは。
今日、閉館1時間前に入りました。
牛乳を注ぐ女、5回ぐらいみました=^-^=♪
でも、点描とか詳しく見えなかったです(T-T)視力が欲しい♪
猫が出てくる絵がけっこうあってうれしかったです(何をみているのか(^-^;)
by くみみん (2007-11-17 22:53) 

りゅう

>はなさん、こんばんは。コメントありがとうございます(^o^)丿
またまたグダグダと書いてしまいました~(^_^;)
風俗画、鑑賞前はとっつきにくい感じがしていたのですが、
なかなか面白かったです♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ
フェルメールは・・・
まぁ見ることが出来ただけでも・・・ハハハ♪ (*’▽’)

>kumiminさん、こんばんは。コメントありがとうございます(^o^)丿
おぉ~、混んでいませんでしたか?
混雑している日でも、入場を締め切った後は狙い目ですよね!
私も点描は・・・(>_<)
可愛い猫がいっぱいでしたね!O(≧∇≦)O イエイ!!
この展覧会、一番のサプライズはグッズショップのミッフィーでした!
去年のベルギー王立美術館展のパトラッシュ以来の衝撃!!(^_^;)
by りゅう (2007-11-18 00:29) 

こないだフェルメール展の入り口を素通りして二紀展を見て3Fのレストランでランチして帰ってきてしました(゜-゜)

1点しかないならいっか~って気分だったのですが、りゅうさんのレビューを読んでたら、見に入ればよかったなあ~っ。
by (2007-11-18 19:38) 

TaekoLovesParis

くわしく書いてくださっているので会場のようすがよくわかりました。
2メートル離れて見るんですか。小さな絵なのに。。。双眼鏡の人が
いるとはびっくり。
風俗画、上質の絵本を見ているようで楽しかったです。ワインは恋の
小道具だったんですね。なるほど~。フェルメール作品にもワインが
多く登場しますものね。絵をクリックすると大きくなる、とわかったから
やって見ました。どれもきれいですね。
by TaekoLovesParis (2007-11-18 22:28) 

りゅう

>ちゃびんさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
フェルメールの作品は1点のみですが、
その1点が傑作中の傑作、《牛乳を注ぐ女》ですからね~(^_^)
3Fのレストランいいですね~羨ましいです♪(^¬^)
やはりフェルメール以外の作品は地味ですが、興味深い内容でした。
機会があれば、是非。(^o^)丿

>TaekoLovesParisさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
鑑賞してから1ヶ月以上経ちましたー(^_^;)
パンのキラキラはこの展示ではかなり厳しいです・・・
単眼鏡またはオペラグラスをお勧めします♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ
飲んだくれてる場合ではないと反省。。。(^_^;)
by りゅう (2007-11-18 23:55) 

いっぷく

牛乳を注ぐ女を観れないので、「ヴァージナルの前に立つ女」と「ヴァージナルの前に座る女」を人の少ない展示室でゆっくり観てきました。
小品なので気付かない人が大半だったのには意外でした。
他にもN.Gにはデルフト派があるので堪能しました。
by いっぷく (2007-11-20 04:47) 

りゅう

>いっぷくさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
フェルメールを素通りですか・・・Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!
《牛乳を注ぐ女》は距離がありすぎて、とても残念な展示でした・・・
人の少ない展示室でゆっくりと『近寄って』鑑賞したかったなぁ。。。(>_<)
レンブラントはいけてない版画のみでしたが、風俗画はなかなか興味深い展示で充実した時間を過ごす事が出来ました♪


>Mcubicさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2007-11-21 22:34) 

りゅう

>shamonさん、TBありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2007-11-21 22:35) 

りゅう

>とんとん・にっきさん、TBありがとうございます(^o^)丿

>Takさん、TBありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2007-11-29 21:24) 

mari

いつもながら、詳細な解説を、ありがとうございます。
これから、フェルメールが”6点”来日するので、わくわくします。

至福の時を送り、これから、私は、月末の大イベント、家の引越しに
向けて、動き出しています。たくさんの許可証の廃止届けと新たなものの聞いてもわからずで、混乱しながら書いています。
by mari (2007-12-09 09:32) 

りゅう

>mariさん、こんばんは。コメントありがとうございます(^o^)丿
フェルメール展、私もびっくりしました!
公式サイトの更新を頻繁にチェックしたいと思います♪
お引越しは手続きがいっぱいですよね。
by りゅう (2007-12-09 18:51) 

banbury

読み応えあり参考になりました。
昨年、 何回も観に行ったのを思い出します。

by banbury (2008-09-22 01:04) 

りゅう

○banburyさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
いっぱい書いちゃいました!(^_^)
by りゅう (2008-09-22 21:06) 

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