ミュシャ展 [05展覧会感想]
13日(日)にミュシャ展に行ってきました。東京都美術館は昨年の「栄光のオランダ・フランドル絵画展」(フェルメールの「画家のアトリエ」等)以来です。
9時45分ごろに美術館に到着。当日券の売り場に誰も並んでなかったので、『やった~』って感じ。しかも前を歩いている人はみんな公募展のほうに流れてく。入り口で図録を購入し、音声ガイドを借りて展示室へ。(※図録は会場内のグッズコーナーでも買えます)
『ガ~ン』めちゃめちゃ混んでる・・・入ってすぐのところにチラシにもでていて人気のある「四季:春・夏・秋・冬」が。作品は小さくしかも細かい。そのためいきなり大渋滞。作品は、やさしい絵で、まさに、展覧会に来た人を迎え入れているといった感じ。センスの良さが感じられ、とてもわくわくしてきました。
左から、《芸術:絵画》 《芸術:詩歌》 《芸術:音楽》 《芸術:舞踏》
「芸術:絵画・詩歌・音楽・舞踏」や「宝石:トパーズ・ルビー・アメジスト・エメラルド」等、これぞ、ミュシャといったシリーズ作品の連続。入り口からこのあたりが会場全体を通して、一番混雑していたかも。ミュシャの連作がこんなに人気あるなんて知らなかった!(作品を観て妙に納得)そして、『ジスモンダ』のポスター。すごい・・・繊細かつ優雅。サラ・ベルナールのやさしい表情と堂々とした姿は圧巻。(確か、音声ガイドでは1週間で仕上げたとか言っていたような・・・)しかし、以外にも素通りしていく人が多い。展示場所のせいなのか、エピソードを知らないからなのか。有名なポスターだし、観た事があるからかもしれないけど、それはないよ~って感じ。(これがなければミュシャは・・・)それでも、混んでるので距離をおいて全体的に観るのはかなり厳しい。このフロア(地下一階)の最後の展示場所を飾る作品の一つ、《メデイア》のポスター。夫への不信から我が子を殺してしまうというストーリーをサラ・ベルナールが演じるというもの。サラの表情のすごさ、血に塗れた短剣を手に立ち尽くす姿、足元に横たわる子供の死体・・・。今日観た中で、一番インパクトがあった作品です。そばに習作も展示されていて、その過程はもちろん、ミュシャのすごさが伝わってきました。(この表情って・・・)この作品の絵葉書等を買おうかとも考えましたが、これを部屋に飾るのはどうかと。ということで断念。
一階には、香水瓶やジョブ、《モナコ-モンテカルロ》のポスターといった有名なものがいっぱい。(地下一階に続いてこれでもかというくらいの華やかな作品の数々、おなかがいっぱいになってきた・・・)そこへ、《装飾資料集》の習作等。基本的には『鉛筆、白のハイライト、紙』といったシンプルなもの。これがすごくいい味を出している。グレーや薄茶の紙に鉛筆。そこに白のハイライトを利かせるというもの。(個人的にはこういうのってすごく好きです)このタイミングでこれらを展示する学芸員って・・・
通路を抜けて奥の展示室には《喜劇》《悲劇》等のアメリカ時代の作品。《百合の聖母》という象徴主義的な作品も。ミュシャの懐の深さが感じられました。ゴーギャンとの写真や生涯を綴ったビデオ上映。うまくまとまった良いビデオでした。(VTRを1回半ぐらい観てタイミングよく移動すると二階の展示室でゆったりと鑑賞できます)
二階は、プラハ時代の《ステンド・グラスの下絵》から始まり、《ヒヤシンス姫》のポスター、《ボヘミアの唄》といった代表作。最後は《スラヴ叙事詩》の習作等。《スラヴ叙事詩》関連は、もっと充実させて欲しかったです。期待していただけにチョット物足りなさを感じてしまった。しかも最後だし・・・
そうそう、《聖夜》、《幻影》といった象徴主義的な作品も興味深かったです。(オディロン・ルドンの習作ってこんな感じかなぁなんて・・・ミュシャファンの方、スイマセン)肖像画もいい!
左から、《ヒヤシンス姫》 《ボヘミアの唄》 《聖夜》
作品を通じて思ったのは、ミュシャって手を描くのが苦手なのかも・・・ どれも手がでかい。しかもごっつくて、指も太いような・・・(気のせいかな?)それまで一本の線でアール・ヌーヴォー的に描いているのに手だけは写実的になっているものも。もしかしたら、手はモデルではなく自分の手を見てしっかりと??? 以前、テレビでアンリ・ルソーが足を描くのが苦手だったとかいってたような・・・(かなり曖昧です) それと、ミュシャのポスターは人の後ろに円のあるものが結構多いような気が。曼陀羅とか観音様とか、仏教画みたいなものをなんとなく連想してしまいました。(後光がさしてる感じ?)
気が付いたら12時30分を過ぎていました。(やけに、足にくると思った・・・)一通り観るのに約3時間かかりました。疲れたし、かなり混んでたので、そのまま帰ることに。(最初のほうの作品はもう一度観たかったのですが・・・)
とにかく、混んでます。途中、椅子で休憩していて、「人の流れが途絶えたら観よう」って思ったら、休憩前より人が増えてしまって慌てて流れに参加しました おすすめは、平日の午前又は金曜の夜ということでしょうか。 印象派の展覧会よりも年齢層が高いです。ファンというよりマニア?否、熱狂的なファンの方々も。そのせいとはいいませんが、マナーの悪い人が多いかも・・・
後ろや横から押したり、強引に割り込むオバちゃん、下にある線なんかお構いなしって感じ。順番待って、やっと一番前で観れたと思ったら、絵の前に入られました(ムカッ!) しっかり、線の中(混雑のためスタッフのお姉さんも気づかず) 足を踏まれなかったのが奇跡的(かなり蹴られましたが・・・) ガム噛んでるオジちゃんいるし(注意したスタッフの人に感謝)
作品数はそれほどたくさんあるという感じではなく、自分では、あっという間に終わったって感じです。ミュシャをあまりよく知らない人でも(私のことです)、十分楽しめる充実した展覧会だったと思います。もし機会があれば、もう一度観に行きたいと思います。
・図録:2000円 (税込)
・音声ガイド:500円(税込)
公式HP(http://www.ntv.co.jp/mucha/)に図録,作品リスト&割引券があります。
~追記~
《スラブ叙事詩》:美の巨人たち(テレビ東京04/05/01)
(http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/index.html)
【高松展】 高松市美術館:2004年11月3日~12月12日
【東京展】 東京都美術館:2005年1月27日~3月27日
【名古屋展】 松坂屋美術館:2005年4月27日~5月22日
【浜松展】 浜松市美術館:2005年6月10日~8月28日
【松江展】 島根県立美術館:2005年9月16日~11月6日
【大阪展】 サントリーミュージアム【天保山】:2005年11月19日~2006年1月29日
9時45分ごろに美術館に到着。当日券の売り場に誰も並んでなかったので、『やった~』って感じ。しかも前を歩いている人はみんな公募展のほうに流れてく。入り口で図録を購入し、音声ガイドを借りて展示室へ。(※図録は会場内のグッズコーナーでも買えます)
『ガ~ン』めちゃめちゃ混んでる・・・入ってすぐのところにチラシにもでていて人気のある「四季:春・夏・秋・冬」が。作品は小さくしかも細かい。そのためいきなり大渋滞。作品は、やさしい絵で、まさに、展覧会に来た人を迎え入れているといった感じ。センスの良さが感じられ、とてもわくわくしてきました。
左から、《芸術:絵画》 《芸術:詩歌》 《芸術:音楽》 《芸術:舞踏》
「芸術:絵画・詩歌・音楽・舞踏」や「宝石:トパーズ・ルビー・アメジスト・エメラルド」等、これぞ、ミュシャといったシリーズ作品の連続。入り口からこのあたりが会場全体を通して、一番混雑していたかも。ミュシャの連作がこんなに人気あるなんて知らなかった!(作品を観て妙に納得)そして、『ジスモンダ』のポスター。すごい・・・繊細かつ優雅。サラ・ベルナールのやさしい表情と堂々とした姿は圧巻。(確か、音声ガイドでは1週間で仕上げたとか言っていたような・・・)しかし、以外にも素通りしていく人が多い。展示場所のせいなのか、エピソードを知らないからなのか。有名なポスターだし、観た事があるからかもしれないけど、それはないよ~って感じ。(これがなければミュシャは・・・)それでも、混んでるので距離をおいて全体的に観るのはかなり厳しい。このフロア(地下一階)の最後の展示場所を飾る作品の一つ、《メデイア》のポスター。夫への不信から我が子を殺してしまうというストーリーをサラ・ベルナールが演じるというもの。サラの表情のすごさ、血に塗れた短剣を手に立ち尽くす姿、足元に横たわる子供の死体・・・。今日観た中で、一番インパクトがあった作品です。そばに習作も展示されていて、その過程はもちろん、ミュシャのすごさが伝わってきました。(この表情って・・・)この作品の絵葉書等を買おうかとも考えましたが、これを部屋に飾るのはどうかと。ということで断念。
一階には、香水瓶やジョブ、《モナコ-モンテカルロ》のポスターといった有名なものがいっぱい。(地下一階に続いてこれでもかというくらいの華やかな作品の数々、おなかがいっぱいになってきた・・・)そこへ、《装飾資料集》の習作等。基本的には『鉛筆、白のハイライト、紙』といったシンプルなもの。これがすごくいい味を出している。グレーや薄茶の紙に鉛筆。そこに白のハイライトを利かせるというもの。(個人的にはこういうのってすごく好きです)このタイミングでこれらを展示する学芸員って・・・
通路を抜けて奥の展示室には《喜劇》《悲劇》等のアメリカ時代の作品。《百合の聖母》という象徴主義的な作品も。ミュシャの懐の深さが感じられました。ゴーギャンとの写真や生涯を綴ったビデオ上映。うまくまとまった良いビデオでした。(VTRを1回半ぐらい観てタイミングよく移動すると二階の展示室でゆったりと鑑賞できます)
二階は、プラハ時代の《ステンド・グラスの下絵》から始まり、《ヒヤシンス姫》のポスター、《ボヘミアの唄》といった代表作。最後は《スラヴ叙事詩》の習作等。《スラヴ叙事詩》関連は、もっと充実させて欲しかったです。期待していただけにチョット物足りなさを感じてしまった。しかも最後だし・・・
そうそう、《聖夜》、《幻影》といった象徴主義的な作品も興味深かったです。(オディロン・ルドンの習作ってこんな感じかなぁなんて・・・ミュシャファンの方、スイマセン)肖像画もいい!
左から、《ヒヤシンス姫》 《ボヘミアの唄》 《聖夜》
作品を通じて思ったのは、ミュシャって手を描くのが苦手なのかも・・・ どれも手がでかい。しかもごっつくて、指も太いような・・・(気のせいかな?)それまで一本の線でアール・ヌーヴォー的に描いているのに手だけは写実的になっているものも。もしかしたら、手はモデルではなく自分の手を見てしっかりと??? 以前、テレビでアンリ・ルソーが足を描くのが苦手だったとかいってたような・・・(かなり曖昧です) それと、ミュシャのポスターは人の後ろに円のあるものが結構多いような気が。曼陀羅とか観音様とか、仏教画みたいなものをなんとなく連想してしまいました。(後光がさしてる感じ?)
気が付いたら12時30分を過ぎていました。(やけに、足にくると思った・・・)一通り観るのに約3時間かかりました。疲れたし、かなり混んでたので、そのまま帰ることに。(最初のほうの作品はもう一度観たかったのですが・・・)
とにかく、混んでます。途中、椅子で休憩していて、「人の流れが途絶えたら観よう」って思ったら、休憩前より人が増えてしまって慌てて流れに参加しました おすすめは、平日の午前又は金曜の夜ということでしょうか。 印象派の展覧会よりも年齢層が高いです。
後ろや横から押したり、強引に割り込むオバちゃん、下にある線なんかお構いなしって感じ。順番待って、やっと一番前で観れたと思ったら、絵の前に入られました(ムカッ!) しっかり、線の中(混雑のためスタッフのお姉さんも気づかず) 足を踏まれなかったのが奇跡的(かなり蹴られましたが・・・) ガム噛んでるオジちゃんいるし(注意したスタッフの人に感謝)
作品数はそれほどたくさんあるという感じではなく、自分では、あっという間に終わったって感じです。ミュシャをあまりよく知らない人でも(私のことです)、十分楽しめる充実した展覧会だったと思います。もし機会があれば、もう一度観に行きたいと思います。
・図録:2000円 (税込)
・音声ガイド:500円(税込)
公式HP(http://www.ntv.co.jp/mucha/)に図録,作品リスト&割引券があります。
~追記~
《スラブ叙事詩》:美の巨人たち(テレビ東京04/05/01)
(http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/index.html)
【高松展】 高松市美術館:2004年11月3日~12月12日
【東京展】 東京都美術館:2005年1月27日~3月27日
【名古屋展】 松坂屋美術館:2005年4月27日~5月22日
【浜松展】 浜松市美術館:2005年6月10日~8月28日
【松江展】 島根県立美術館:2005年9月16日~11月6日
【大阪展】 サントリーミュージアム【天保山】:2005年11月19日~2006年1月29日
アルフォンス・ミュシャ (ニューベーシックアートシリーズ) (タッシェン・アルバムシリーズ)
- 作者: レナーテ・ウルマー
- 出版社/メーカー: タッシェン・ジャパン
- 発売日: 2001/09/19
- メディア: ペーパーバック
ユリイカ2009年9月号 特集=アルフォンス・ミュシャ 没後七〇年記念特集
- 作者: 山本 容子
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2009/08/27
- メディア: ムック
もっと知りたいミュシャ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
- 作者: 千足 伸行
- 出版社/メーカー: 東京美術
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
ミュシャ展の会場情報、大変有り難く思います。
ミュシャが大好きなので、観に行く予定ですが、やはり平日に行った方が良さそうですね。期待していた「百合の聖母」も来ているのですね。以前一度だけ観た、特に好きな作品です。人を押しのけたりしないように観てきます。
by albireo (2005-02-15 02:14)
『百合の聖母』いい作品ですよね、私も好きです。今回の展覧会には、この作品の原型ともいえる、連作『花:ユリ』やモデルの少女の『写真』も展示されていました。(ともに本作品の展示場所からは離れていますが・・・)
by りゅう (2005-02-16 02:17)